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うっかり女神に邪神討伐頼まれた  作者: 神楽坂 佑
1章 異世界転生
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24 難易度不明でも任せなさい

「ボードに張り出す前の依頼を紹介してくるなんてなんか理由があるのか?」

「まあね、知ってるかわからないけど依頼ってのは誰でも受けれる通常の依頼と依頼者側が受ける者を指名する指名依頼があるのよ。今回は後者ね。」

「なるほど、俺たちへの指名依頼と言うわけか。」

「うーん、この依頼は私が信用できる冒険者に依頼してほしいってギルマスから頼まれた者だから、受けれる人は複数いるから指名依頼とは少し違うかもだけどその解釈でも問題ないわね。」


そう言って一枚の依頼書を差し出してくる。

櫓は内容が読めないためネオンが受け取る。


「ギルドからの依頼、ローガン山脈の岩場の調査、難易度は不明、報酬金貨最低五枚、期限は一週間、なんか普通の依頼と違ってあやふやな所が多いですね。」


ネオンが依頼書を読み上げてそう呟いた。

依頼書の内容を聞いた櫓も同意見であった。


「んで?もっと詳細に説明してくれるんだろ?」


串焼きを食べ果汁水を飲んでいるアリーネに尋ねる。


「依頼書に書き切れないだけで勿論ちゃんと説明するわよ。まずローガン山脈の岩場って行ったことある?」

「そこでの依頼は受けたことないから行ったことはないな。」

「ロジックからは馬車で片道半日くらいの場所にあるんだけど、その岩場って様々な鉱石のある採掘場だったり、岩場特有の魔物がいたりする場所で、ギルドからも常設依頼とかがある初心者から中堅くらいまでの冒険者にとって有益な場所なのよ。」

「なるほど、冒険者にとっては良い狩場か。」

「ギルドにとってもその場所は利益を生む土地なんだけど問題が発生してるみたいなのよね。」

「その問題が今回の調査ってことか。」

「そう言うこと、問題ってのは二週間前にEランクのパーティ二つ、Dランクのパーティ一つがこの岩場での依頼を受けて出発してるのよ。そして一週間経ってもどのパーティも戻らなくて、知り合いがいるからってCランクのパーティが様子を見に行ったの。そしてそれから一週間経つけどCランクのパーティも含めて誰も戻ってこないのよね。」

「馬車で片道半日くらいなら二、三日くらい、長くても四、五日もすれば戻ってきてもいい感じだな。」

「そうなのよね、お金になりそうなのが沢山見つかったとしても食料が保たなくて帰らざるを得ない状況になる筈だから、一週間も滞在できないと思うんだけど・・・櫓君みたいな魔法道具でもない限りは。」

「と言うことは何か問題が発生した可能性があると考えるのが普通か。」

「ええ、あの岩場にはCランク冒険者が苦戦するような魔物は生息していないはずなの。それを考慮して考えるならば。」

「盗賊や他の場所から来て住み着いた強い魔物の可能性などですか?原因がわからないから難易度と報酬もはっきり決められないって事ですよね?」

「ネオンちゃん正解、と言ってもCランクのパーティが行って戻らないところを見ると最低でも難易度はCランク以上なのかもしれないけどね。それでどう?受けてくれるかしら?」


アリーネの説明を聞いて依頼書のあやふやな理由を理解できた二人は受けるかどうか話し合う。

二人の相談を聴きながら残っている料理を食べて待つアリーネ。


「どうしますか櫓様?」

「うーん、難易度が分からないのがきついがまあ大丈夫だろ。ネオンもこの二週間でかなり強くなってるし、それにいざとなればすぐ逃げればいい。」

「そうですね、それに金貨五枚は美味しいです!」

「確かにそこは見逃せないよな。てことでアリーネ、この依頼受けるぜ。」

「りょーかい、食事終わったら受付するわね。」


櫓の言葉に嬉しさ半分心配半分と言った感じのアリーネ。

櫓達の実力はこの二週間で知っている。

どんな依頼もすぐ終わらせる期待の新人。

依頼の完了報告では、ネオンが多少の切り傷などがあったり疲労してる姿を見かけたことはあったが、櫓に至っては怪我どころか疲れた様子も一切見たことがなかった。

依頼書をギルマスから預かった時、そんな新人ながらも実力派の二人にお願いしてみようとアリーネは思ったが、Cランクのパーティですら戻らない難易度不明の依頼を頼むのは少し心配だった。

しかし現在実力派の冒険者達は、護衛依頼や長期の依頼などであまり残っていなかった。

残っている者もアリーネから見たらしっかり依頼を果たしてくれるか怪しい者、素行が悪い者などもいる。

アリーネが櫓達に頼みたいと思ったのも仕方ない。

そして短い付き合いながらにこの二人をかなり気に入ってしまっていたから、依頼を果たして欲しいと思いながらも無事に戻ってきて欲しいと言う思いが口からこぼれる。


「危ないと判断したらすぐ戻ってきてね?命を落としてしまったらそこで終わりなんだから。」

「なんだアリーネ心配してるのか?かわいいとこあるじゃん。」

「うるさいな〜、とにかく無茶はしないことわかった?」

「りょーかい。」

「櫓様が無茶しようとしたら全力で止めますから安心してくださいアリーネさん!」

「ネオンちゃんはほんっといい子なんだから〜。」


ネオンの頭を撫で撫でして少し気が楽になるアリーネ。

それから少しおしゃべりをし食事を終えて依頼の受付を済ませギルドから馬を借りてギルドを後にする。


(難易度不明だろうがこんなところで死んでたまるか。俺の目的は邪神討伐、目標はまだまだ先なんだからな。)


そんなことを思ってロジックの南門を目指して歩く。

閲覧ありがとうございます。

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