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うっかり女神に邪神討伐頼まれた  作者: 神楽坂 佑
1章 異世界転生
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341話 披露会

ルリーフとフレアーナの二人を加えた櫓達は、城塞都市ロジックを目指して再び馬車を走らせた。

魔法都市マギカルで休養を取り、物資の調達を行なったので、距離を一気に稼ぐ事が出来て、数日もすれば到着する場所まできていた。

だがここでルリーフから少し寄り道をさせてほしいと提案があった。

商売の仕入れをしたいとの事で、最近商人の間で密かに話題となっている場所があるらしい。

進行経路から少し外れてしまうが、それ程遠い訳でも無く櫓達も興味はあったので了承した。


「ルリーフから話しは聴いていたが本当に暑いな。」


寄り道したいと言った場所に到着した櫓は、馬車から降りて一番に呟く。

この場所は売り物となる様な物が沢山調達出来るのだが、気温がとにかく高くて魔物も中々に厄介なのだと言う。

あまりの暑さに甲冑や革鎧等を着ていては、脱水症状を起こしてしまうらしく、櫓は現在海パンの状態だ。

錬金術の名人のスキルを使い、急遽作り出した物である。


「暑さで一般人は立ち入る事すら困難なんですよ。そして冒険者は防具の着用が難しいので、魔物との戦闘の危険性を考えて入ろうとする者は殆どいません。」

「だとすれば私達も危険なのではないか?」


櫓に続いてルリーフとリュンが降りてきた。

二人も櫓と同じく海パンを着用しているが、加えて半袖の上着も羽織っている。

二人共見た目は女性にしか見えないので、女性陣から着用を義務付けられたのだ。


「一応現れる魔物は最高でもCランクらしいです。私もCランク冒険者ですし、皆さんはそれ以上に強いですから問題無いかと思われます。」


雷の剣は全員がAランク冒険者相当の実力の持ち主だ。

そしてフレアーナの実力も同じくらいだと認識している。

防具類を着用出来てはいないが、実力差があるので心配はいらないだろう。

因みに他の者達には少し離れた場所で待機してもらっている。

非戦闘員も多いので、気温の高さで倒れられても困るからだ。


「成る程、確かにCランク程度であれば問題無さそうだな。しかし枯れてはいるが至って普通の森に見えるぞ。何を手に入れるのだ?」


リュンは遠見の魔眼を使い、森の中を視ている。

気温の高さから葉の枯れた枝を生やした木ばかりで、他には特に何も見えない。


「目の前の森が目的ではありません。目指すのは地下です。」


ルリーフは地面を指差しながら言う。


「地下?」

「はい。少し進むと洞窟が見えてくるので、そこから地下に入れます。気温の高さも地下からの熱が原因ですね。」


目の前の森も何処にでもある普通の森なのだが、地面から伝わる熱による気温の高さで枯れてしまった様だ。


「そうなると地下は更に気温が高くなるか。先に言っておくが、危険だと俺が判断したら直ぐに撤収するぞ。」

「分かってます。」


仲間に危険が及んでまで探索をするつもりは無い。

ルリーフもその事は理解してくれている。


「ほら、早く来なさいよ!」

「ひ、引っ張らないで下さいよフレアーナ様!」


馬車の入り口が開き、フレアーナに腕を引かれたネオンが出てくる。

女性陣も馬車の中で水着に着替えている。

サイズを櫓が計測する訳にもいかないので、様々な種類と大きさの水着を作って置いてきた。

フレアーナはワンピースタイプの水着、ネオンはビキニを着ている。


「水着くらいで恥ずかしがり過ぎよ。」

「ううう、水着を着るなんて分かってれば、もう少し食べる量を減らしたのに。」


ネオンは恥ずかしそうにお腹を両腕で隠す様にしながら言う。

櫓から見れば健康的と言える範囲で寧ろ痩せている様に見えるのだが、性別が違えば意見も変わるので、余計な事は言わないでおく。

二人共良く似合っており、水着のモデルでも出来そうなくらいだ。


「お待たせ致しましたわ。」


続いてシルヴィーとミズナが出てくる。

薄々分かっていたが、シルヴィーは正に女性の理想とも言えるプロポーションである。

パレオを巻いたビキニからのぞく大きな胸や綺麗なくびれを見ると、自然に顔が熱くなってくる。


「ミズナ、それでいいのか?」


シルヴィーの素晴らしい水着姿の後ろには、なんとも言えないミズナの姿があった。

ミズナが着ているのはスクール水着である。

まさか着る者はいないだろうと思いつつも一応作った物だ。

思わず自分で作っておきながら尋ねてしまった。


「ぴったり・・・。」


ミズナは意外と気に入っている様だ。

ご丁寧にミズナと言う名前まで書かれており、似合っているし可愛くもある。


「まあ、本人がいいなら別にいいか。」

「遊びじゃないんだから、足を引っ張るんじゃないわよ水の精霊!」


フレアーナがミズナを指差して言う。

仲が悪い訳では無いが、事ある毎にフレアーナはミズナに絡んでいる。

精霊界で面識はあった様なので、久々に会えたのが嬉しいのだろう。


「暑い・・・。」


ミズナは無視して手で自分を扇いでいる。


「無視してんじゃないわよ!」

「お前ら、喧嘩してないで行くぞ。」


怒っているフレアーナをルリーフが宥めて、櫓達は洞窟を目指して森の中に進んでいった。

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