52話 初オークション
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オークションの始まる一時間前に、会場でアリーネと落ち合う事になっていた。
櫓達は時間通りに会場に着くと、アリーネから会場の中を案内された。
オークション会場のステージは、出品物がどの様な大きさになるかわからないためか、かなり広く大きい。
席の一つ一つも金持ちの貴族や大商人などが参加者に多いためか、広々としておりステージ側は開けている個室の様な作りになっている。
次にオークションに出品する品物を係りの者に預ける控室に通される。
「おや?アリーネさん、急遽参加されると聞きましたが品物はどちらに?」
アリーネの知り合いらしき係りの者が話しかけてくる。
アリーネは櫓とネオンを従えているだけで、特に何も持っていなかったため質問された。
「ちょっと量が多くて連れに頼んだのよ。櫓君このテーブルの上に出してくれる?」
「わかった。」
櫓はボックスリングから指輪とブレスレットを三十ずつテーブルに並べていく。
「なっ!?空間魔法付加の魔法道具ですか?なんて珍しい物を・・・。」
係りの者は櫓が何もないところから指輪やブレスレットを出したので驚いている。
この世界ではボックスリングの様な異空間に収納できる魔法道具はかなり高価である。
ギルドなどで使う時でも受付嬢や冒険者に驚かれ羨ましがられている。
その高価なボックスリングを奪おうとギルドで絡んできた冒険者達がいたのだが、櫓によって半殺しの返り討ちにされ、それ以降ボックスリングの事で櫓に絡んでくる者はいなくなった。
「羨ましいわよね、それだけで一財産だけど便利だから売る気はないみたいよ。」
「そうですか、残念ですが仕方ありませんね。以上でよろしかったですか?」
「もう一つだけ、この杖も頼む。」
櫓が実験として作った魔法道具である杖を取り出し置いた。
二人ともその杖を鑑定して驚いている。
アリーネにはもう一品出品してもいいかと言うことしか聞いていなかったため、どの様な物を出品するかは教えていなかった。
「アリーネさん、こんな貴重な杖を一体どこで?それに売ってしまってよろしいのですか?」
「え、えっと出所は秘密よ。盗品とかではないから安心しなさい。それと私は魔法使いではないのだし持っていても役に立たないわ。」
「な、なるほど確かにそうですね。出品される物は以上でよろしかったですか?」
「ええ、大丈夫よ。」
その後軽くアリーネが係りの者と話しをしてから部屋を出た。
会場に移動しながら当然の如く先程の杖について質問される。
「ちょっとさっきの杖はなによ。火属性攻撃Lv五、魔力消費軽減Lv三、魔力自動回復Lv一の杖って。オークションの目玉商品クラスじゃないの。」
「そう興奮するなって、目玉商品になりそうなのを作ったんだからいいじゃないか。」
「あんなすごいのを一日かからず作れちゃうのが色々問題なんだけど・・・はぁまあいいわ。」
櫓は朝起きてから、オークションの目玉商品になりそうな武器として先程の杖を作った。
時間がなかったので指輪やブレスレットの時と同じ様に完成の呪文を使ったが、今までとは比較にならないほどの魔力を消費していた。
高価な魔法道具を作るほど、完成の魔力消費量は増えることも知れたので、結果的には満足ではあった。
その後は特に文句を言われることもなく、自分達の席に到着してオークション開始の時を待つ。
三人で雑談していると、入口からどんどんと人が入ってくるのが見える。
貴族、商人、冒険者、鍛治師など様々である。
「人が増えてきたな。」
「そろそろ始まるからね。そう言えば櫓君かネオンちゃんって鑑定のスキル持ってるっけ?」
「私は持ってないです。」
「俺も鑑定は持ってないが似たようなのがある。」
「そう、ならオークションで出てくる品物には全部使っておいたほうがいいわよ。それで偽物をつかまされることもなくなるから。と言っても奴隷とかには使えないし、鑑定持ちは多いから物で偽物を掴ませるなんてリスクおかすような人はいないと思うけどね。」
「なるほどな、了解だ。」
「さてそろそろ始まるわよ。おっ来た来た。」
ステージの方に司会の様な男が出てきて、軽くオークションに参加する上での注意点などを述べていく。
一度宣言した入札は取り消すことができない、入札したにも関わらず金を払えない場合は違約金が発生する、自分の出品した物に入札することはできない、出品者は売れた収益から一%をオークション主催者側に払うなどである。
事前にアリーネに聞いておいたので特に新しい情報はない。
説明を終えると早速一品目の物が運ばれてきてオークションが始まる。
様々な場所から入札の声が入り、とても活気がある。
何回か品物が捌かれると櫓が出品した火耐性の指輪が五つ運び込まれてくる。
「バラで売らないのか?」
「そんなことしたら時間がかかってしょうがないわ。それに商人なんかは仕入れてもそれより高く売って儲けを出すから、オークションでは同じ品物が複数まとめて売りに出されても、売れないなんて事にはならないわよ。」
「なるほどな。」
アリーネの言った通り入札はいくつもある。
それにオークションだけあってどんどんと値が上がっていき、テンションが上がってしまう。
結果金貨二十三枚と銀貨八十枚で売れた。
「よっしゃあ、かなりいい値段になったな。」
「やりましたね櫓様!」
「このペースなら幾らか入札しても予定の金額は軽く超えそうね。」
櫓の出品した品物が落札されたので、次の品物が運び込まれる。
「続いての商品は魔物を封じ込めた魔法道具のクリスタルになります。このクリスタルに入れられた魔物は使用者の魔力を使う事で、召喚し隷従させることができます。しかしクリスタルは既に入っている魔物専用となりますので、新たに魔物を入れることはできません。入ってる魔物はブルースライムです。入札は金貨一枚から。」
司会の声を聞きつつそのクリスタルを調査の魔眼で見てみる。
隷属のクリスタル 魔物を封じ込め使用者に隷従させることができる。一度魔物を封じ込めると、新しく別の魔物を封じ込めることはできなくなる。
名前 ブルースライム
種族 精霊
状態 擬態
櫓の目にはこの様に表示されていた。
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