表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
うっかり女神に邪神討伐頼まれた  作者: 神楽坂 佑
1章 異世界転生
305/324

325話 異世界美容グッズ

今日は魔法都市マギカルに到着して三日後、オークション開催日だ。

夕方頃から始まるので、昨日と今日の午前中でダンジョンから持ち出した鑑定作業は終わらせている。

オークションは櫓にとって大量に稼ぐチャンスなので、出品する為のスキルが付加された魔法武器等も幾らか作った。

ネオンとカナタを引き連れてオークション会場に向かう。


「お、オークションは久々ですから緊張します。」


ネオンは城塞都市ロジックでオークションに参加したのが最後だ。

初めてオークションに参加した時は、金持ち達が商品を手に入れる為、全力で入札が飛び交う雰囲気に驚いていた。


「私の様な奴隷が入ってもよいのでしょうか。」


カナタもネオンとは違う理由で緊張している様子である。

オークション会場には資産を持つ者が集まる。

必然的に貴族も多くなってしまう。

獣人は貴族に差別される事が多いので心配なのだ。


「会員証持ちがいるんだから文句は言わせない。獣人に参加権が無いなんてのも聞いた事は無いしな。」


他の貴族に難癖を付けられたとしても、他の者達と違って堂々と文句を言えるのが櫓だ。

上下関係なんて気にする事は無く、貴族と言う権力に媚びる事も無い。

此方の世界に来てから、自分に対する態度で接し方を変えてきたので、今後も変えるつもりは無いのだ。


「私も参加しましたしね。」


城塞都市ロジックで参加した時は、特に何も言われなかった。


「同じ五大都市と言ってもルールが全て同じとは限らないぞ。」

「えっ!?」


ネオンは驚いているが当然の事である。

街が変われば領主も変わる。

領主によって街の在り方は随分と変わるものである。

更に五大都市は名前の通り、それぞれ特色を持っている。

共通する建造物でも、違いが見られても不思議ではないだろう。


「まあ、入場に関する種族差別は問題無い。確認済みだ。」


櫓はオークションに仲間達を連れて行く事も考えて、既に会員証を受け取った時に確認していた。


「驚かさないで下さいよ。入れないかと思って一瞬焦りました。」


ネオンは大きく息を吐いて言う。


「何か欲しい物でもあるのか?」


会員証を所持しているのは櫓だが、同行者も入札に参加は出来る。

定期的にお小遣いは配っているので、ネオンもそれなりに自分で使える分を所持している。


「ふっふっふ、そうなんです。今回私も入札するつもりなのですよ。珍しい果実が欲しくて。」

「果実?」

「魔法都市マギカル近辺のではないですが、ダンジョンから持ち出された果実らしく、食べた者は若さが保たれるらしいのです!」


そう説明するネオンの目はキラキラと輝いている。

そう言った話題にあまり興味無いかと思ったが、カナタも若さを保つの部分で少し反応していた。

お堅い真面目な雰囲気ではあるが、カナタも女の子なのだ。


「若さが保たれる?」

「はい!肌の艶が良くなったり、皺が減ったりと女性に大人気の果実なのですよ!実際食べた方が、まるで若返ったみたいと大好評らしいのです!」


その果実について熱く語るネオン。


(胡散臭過ぎる。)


美容グッズの売り文句を聞いている様な気分である。

女性はそう言った話題に敏感であり、此方の世界でも変わらない様だ。

だが前の世界と違って魔法やスキルが当たり前の世界なので、本当に若返る果実があっても不思議では無い。


「まあ、調査の魔眼で確認すれば分かるか。だが出品されるかなんて分からないだろ?」


オークションに出品される物は、自分が出品する物以外分からない。

なのでネオンの求めている果実が出品されているは分からないのだ。


「実は分かるのです!昨日の事なんですけど・・・。」


ネオンとカナタは皆に鑑定のスキルを覚えさせる為に、恩恵の宝玉を買いに街に出かけていた。

手分けして探しており、ネオンは冒険者ギルドで手当たり次第に購入したのだ。

その時に大量に購入した理由を聞かれて、ネオンがオークションに参加する事を相手が知ると、自分が出品する果実について教えてくれたのだ。

その者は商人であり、五大都市のオークションに出品する為に、遠くから運んできたらしい。

入札者も多いので、飛ぶ様に落札される事を期待しているらしい。


「成る程な。本当に若返るなら欲しがる奴は多そうだな。」


特に貴族の婦人達は財力を投げ打ってでも手に入れたいと考える筈だ。

競り合う相手は手強いだろう。


「競争率が高くても絶対に手に入れてみせます!」


スキルは使っていないが、ネオンの瞳が燃えている様に見える。

十代後半と若くても、美容には気を使う年頃の様だ。


「ネオン、もし落札したら少しでいいから。」


カナタがこっそりとネオンに近付いて耳打ちする。

櫓に聞かれるのは恥ずかしいらしい。


「勿論カナ姉にも分けてあげる。」


ネオンが意図を汲んで小声で返すと、カナタは嬉しそうにネオンの手を握って感謝していた。

閲覧ありがとうございます。

ブックマークやポイント評価よろしければお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ