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うっかり女神に邪神討伐頼まれた  作者: 神楽坂 佑
1章 異世界転生
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50話 食べ物で釣る

グランツにオークション参加の方法を尋ねていると、アリーネに頼むと情報を得ることができた。

詳しく聞こうと思ったが、本人に直接聞いてくれと言われてしまった。

ただし馬鹿正直には聞かず、何か搦手(からめて)でも使ったほうがいいとアドバイスをくれた。

直前の参加申請なので、おそらく断ってくるだろうと判断したためである。

二人はグランツの店を後にし、ギルドに向かう。

アリーネが仕事を終わらせて出てくるまで後少しなので、ギルドの近くで待ち伏せる予定である。


「櫓様どうやって頼みます?」


ネオンは櫓に取り敢えずついて来いと言われただけで、まだ行動内容を知らない。


「ネオンは俺の言うことに話を合わせてくれるだけでいいぞ、それで多分なんとかなる。それと今の所持金全部渡してくれるか?」

「わかりました、何かに使うのですか?」

「まぁ、先行投資ってやつだ。」


ネオンから受け取った金の入った袋をボックスリングにしまい、二人でアリーネが来るのを待つ。

十分くらいすると仕事を終えたアリーネが一人でギルドから出てくる。


「来たな、行くぞネオン。」

「はい。」


二人は物陰から出てアリーネから見えつつ、少し離れた場所を歩く。

わざと聞こえるように少し声を大きくして会話をする。


「今日は少し臨時収入があったから、たまには()()()でも食いに行くか?」

「いいですね、美味しいご飯を()()食べにいきましょう。」


わざと強調しながら話していると、櫓の作戦にまんまと釣られて、アリーネが二人の背後から近づいて来て、ネオンに抱きついてくる。


「やっほぉ二人とも。」

「アリーネさん!?もおビックリしましたよ。」

「あはは、ごめんごめん。これからご飯って聞こえて、ご一緒しようかと思ってね。」

「とかなんとか言って、いつもの様に奢らせる気だろ。」

「臨時収入が入ったんだから、一人分くらい気にしない気にしない。」

「ちっ、全く仕方ねーなー。」


櫓はにやけそうになるのを必死に我慢して、嫌そうな顔を浮かべながら言う。

アリーネが美味しいけど少し庶民には手が出にくい店を教えてくれたので、三人でその店を目指す。

店に到着したが見た目から高級感漂う店であり、中に入っても内装にかなり金がかけられていることがわかる。

そしてこの世界に来てから入った店で初めての完全個室制の店であった。

アリーネに理由を聞くと、貴族や大商人などを主とした店なため、周りを気にせず話せるようにしたためだそうである。

櫓としても都合が良かったため特に問題はない。

最近は戦闘の訓練以外にも、文字の勉強をしているため、メニューの料理はわからないところがあるものの、値段くらいは読むことができる。

メニューの品はどれもかなり高く、いつも使っている宿の一泊分の値段が一品の値段と同じと言った感じである。

それでもネオンから受け取った金が金貨九枚と少しあるので、三人で贅沢してもギリギリ大丈夫だろうと思えた。

アリーネに好きなの頼んでいいから任せると言うと、滅多に来れないし迷うな〜と言いながらメニューと睨めっこを始めた。

すると隣に座っているネオンがアリーネに聞こえない様に小声で話しかけてくる。


「櫓様、どれもかなり高いですけど大丈夫ですか?渡したお金の殆ど無くなってしまいそうですけれど。」

「先行投資って言ったろ?金はほぼ使い切るだろうが、その何倍何十倍も稼いでやるから安心しろ。それにせっかく初めて来た高級店なんだし、俺たちも楽しもうぜ。」

「了解です!」


アリーネが店員を呼んで、あれこれ注文すると直ぐに様々な料理が運ばれてくる。

どれも値段に劣らぬ美味しさであり、高い理由も把握できた。

こちらの世界では香辛料や塩や砂糖などの調味料はそこそこ高い。

それがこの店の料理ではかなり贅沢に使用されていたのである。

他の食材も高価な物を使用しているが、そちらも合わさって値段が高く設定されていたのである。

どの料理も美味しく三人とも満足して、最後のデザートを食べながら談笑していた。


「本当に美味しかったですね。生まれて初めてこんなに美味しいご飯を食べました。」

「私はこの店には何回か来たことはあるけど、ここまで贅沢に食べたのは初めてだったわ。二人に感謝しなきゃね。」

「よく言うぜ、誘ってもないのに勝手について来やがって。」

「まあまあ、その代わり今後沢山割りの良いクエスト紹介してあげるからさ。」


ここだと思い櫓は仕掛ける。


「クエストは別に普通通りでいい、ただその代わりアリーネに少し頼み事があるんだよな。」

「頼み事?まあ私にできることなら良いわよ?」

「それは良かった、まぁそんな難しいことじゃない、ちょっと()()()()()()に参加したいから手伝ってもらいたいだけだ。」


その言葉を聞いた瞬間アリーネは固まった。

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