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うっかり女神に邪神討伐頼まれた  作者: 神楽坂 佑
1章 異世界転生
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23話 金は稼げる時に稼げ

ランクアップ試験を受けてから二週間が経った。

あれから毎日依頼をこなして資金を増やしていた。

櫓がBランクにネオンがDランクになったため、二人が受けている依頼はCランクやDランクのものだが、最初に受けたFランクとは比べるまでもないくらいの報酬の量だった。

その分難易度は高いわけだが櫓はもちろん苦戦などしていなく、ネオンも毎日依頼をこなしながら櫓から戦闘訓練を受けているので実力をどんどん伸ばしていた。

そして今日も午前中で依頼を片付けて二人は完了報告のためギルドに向かっていた。


「今日の依頼はいろんな意味で美味しかったですね。」

「あぁ、依頼はホーンボアの一体の納品だが群れでいたから残りは自分達の食料にできるしな。」

「ホーンボアは美味しいですからよかったですね。一般的にも需要があるようですしね。」

「一体納品するだけで金貨一枚だもんな。うまい、うますぎる。」

「本当であればホーンボアのような大きな魔物をギルドまで運ぶのにはかなりの労力となるのであの値段設定なんでしょうけどね。」


ネオンはそう言って微笑していた。

ネオンの言う通り本来ホーンボアの角や肉などの一部の買取額だけならばそこまで高くなったりはしない。

丸々一体の納品だからこその値段設定である。

櫓はボックスリングがあるためホーンボアを運ぶのに全く苦労はしていなかった。

Cランク帯の任務をこなすと今回のようなこともありボックスリングを使うことが多くなるため、そこまで周りの目を気にしなくてもいいかと割り切っていた。

目撃した冒険者や商人が買い取りたいと言ってきたが、こんな便利な物を売るつもりのない櫓はもちろん全て断っている。

話しながら歩いているとギルドにつき、中に入りいつもの受付嬢のところにいく。


「おかえり〜櫓君、ネオンちゃん。」


そう言って声をかけてきたのはアリーネ。

受付は複数あるのだが、やり取りしたことがあるアリーネの方が話しやすいということで、アリーネがいない時以外は常にアリーネの元で仕事の受付をしていたため、出会った頃は職業的にきっちり仕事モードで対応していたが、今では砕けた喋り方になってきていた、と言うよりこちらが素のようだ。

櫓は知らないことだが、アリーネは差別する様な人をあまり好んでいない性格のため、奴隷のネオンのことを見て分かるほどに大切にしている櫓に親しみを持ったためでもある。

櫓としても堅い言葉よりもそちらの方が話しやすいので特に文句はない。


「依頼完了の報告をしにきた。」

「はいはーい、ホーンボアはそっちの台車に乗せておいてね、後で担当者が運ぶから。」

「了解。」


櫓がボックスリングからホーンボアを出し大きな台車の上に乗せる。

それを確認してアリーネはギルドカードを出すように言ってくる。

二人のギルドカードに判子を押す。

判子の光がギルドカードに吸収されていく。

この光が依頼達成のポイントみたいなもので、一定数溜まると次のランクに昇格となる。


「はい二人ともお疲れ様。それにしてもたった二週間なのに依頼やりすぎじゃない?」

「まあ金はいくらあっても困らないからな。」

「それはそうでしょうけどね、それに受付嬢からしたら依頼がどんどん消化されていくのは嬉しいしね。」


依頼の報告を済ませたら少しおしゃべりをするのも日課のようなものだった。

混んでいる時には流石に受付嬢と話し込む訳にもいかないが、今は昼時であり、朝に依頼を受け日帰りならば夕方に戻るようなスタイルの者がほとんどのため、昼のギルドはそんなに人はいない。

そして日課のおしゃべりをしていると隣からくううぅぅという可愛い音が聞こえてきて、そちらを見るとネオンが顔を赤くしてお腹を抑えていた。


「わるいわるい話しすぎたか?」

「いえいえいえいえ、櫓様私のことなどどうかお気になさらないでください。」

「あらら、ごめんねネオンちゃん。」

「アリーネさんもどうかお構いなく。」


ネオンは高速で手を振り誤魔化しているが、お腹が減っているのは一目瞭然であった。


「さてとうちの姫がお腹空かしてるみたいだし飯にするか。」

「櫓君それならギルドの酒場の方で一緒に食事しない?私もそろそろ昼休憩だからさ。」

「別にいいけどギルドの酒場で食事したことないんだが、普通の料理とかってあるのか?」

「もちろんあるわよ、お酒目的じゃなくて食事目的で利用する人も多いんだから。」

「なるほど、じゃあいくか。」


赤くなったネオンを伴って三人で酒場のテーブルに座り飲み物や料理を注文していく。


「櫓君ネオンちゃんご馳走さま〜!」

「最初からそれが目的か。」

「いいじゃないたまには、稼いでるんだからさ。」

「新人冒険者にたかって恥ずかしくないのかよ受付嬢さん?」

「新人は毎日大量の銀貨稼いだり、ましてや金貨を手に入りたりしないわよ。」

「まあまあいいじゃないですか櫓様、いつもアリーネさんにはお世話になってるんですから。」

「ネオンちゃん話せる〜。」

「はぁ〜まあ食事奢るくらい別にいいんだけどさ。」


じゃれあいをしていると注文した料理が次々に届き食べ始めていく。

櫓も別に奢るのが嫌なわけではなく少しからかっただけである。

ちなみに本来受付嬢と食事など滅多にすることはできない。

受付嬢は全員がギルドの顔というだけあって、美人揃いである。

そんな受付嬢が冒険者の男と食事すれば、他の冒険者

があいつとは食事したのに俺とはしないのかなどという問題が起こったりする。

余計な問題や争いを避けるため、何か用事がある場合か、ちゃんとした恋愛をする場合などを除けば全て受付嬢は誘いを断っている。

そして今回アリーネが食事に誘ったのは櫓達に用事があって少し話がしたかったためである。


「食事しながらでいいから聞いて欲しいんだけど、まだボードに張り出す前の中々報酬がいい依頼があるんだけど受けてみる気はない?」


アリーネがそんな話を持ちかけてきた。

閲覧ありがとうございます。

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