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うっかり女神に邪神討伐頼まれた  作者: 神楽坂 佑
1章 異世界転生
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306話 ただいま魔法都市

小太郎を仲間にしてから二週間程が経ち、城塞都市ロジックを目指す櫓達は、道中にある五大都市の一つ魔法都市マギカルに立ち寄っていた。

五大都市と言っても何十台もの馬車で街中に入ると目立ってしまうので、街の外に交代の見張りを立てて馬車を置いている。

暫く馬車での移動が続いたので、魔法都市で久々にゆっくり過ごす予定だ。

各々別行動を取っており、櫓はネオンとカナタの獣人コンビと行動している。


「二人は家族や村の皆と休暇を満喫しなくてよかったのか?」


ネオンは櫓の作った馬車、カナタは騎馬隊として馬に乗っているので、移動中に獣人達と一緒になる事は殆ど無い。

なので休暇の時くらいは一緒に過ごした方がいいのではないかと思った。


「私の超直感のスキルが櫓様に付いていく様に語りかけてきたんです。お父さんと一緒だと疲れるので。」


小さい頃に奴隷として売られたネオンと家族は、先日フックの村で再会した。

そして久々の再会となれば家族の者達は嬉しいに決まっている。

特にネオンの父であるクオンは、旅の最中も暇さえあればネオンと居たがるのだが、ネオンも四六時中付き纏われるのは嫌な様だ。

そして父の事を超直感のスキルが教えてくれたと言っているが、超直感のスキルは所有者に危険が迫った時に感じ取る事が出来るスキルだ。

なので害意を向けられている訳でも無いのに、危険を知らせてくる事は無いので、逃れる為の言い訳である。


「私はご主人様の奴隷ですので、側に控えて雑事をお手伝い出来たらと思いまして。」


カナタはそう言って返答する。

護衛と言わないのは櫓よりも強い者が居らず、守るよりも守られる機会の方が多いからだ。

なので戦闘では無く滞在中に櫓の雑事を手伝おうと、カナタは付いてきていた。


「休暇なんだから自由に過ごしていいんだぞカナタ。」

「そうだよカナ姉、休める時に休まないといざって時に大変だよ?」


カナタを奴隷として購入してから休んでいるところを見た事が無い。

常に人一倍働き、休みの日も訓練を真面目にこなしている。


「私の心配は無用です。毎日睡眠もしっかりと摂っており、日々の体調管理は万全です。」


自分の事は気にしないでほしいと手で制している。

実際カナタが体調を崩した事も無いので、言っている事は間違ってはいない。


「完全な仕事人って感じだな。」

「あははは、カナ姉は昔から真面目だったので。小さな頃から大人に混ざって戦闘訓練もしてましたし。」


櫓達が言っている休みは休憩や睡眠では無いのだが、奴隷となった今は自分の事よりも主人である櫓を第一に考えているのだろう。

櫓としては奴隷達の自由意志に任せたいと思っているが、近くに居る者が働きっぱなしでは櫓も落ち着かない。


「なら、滞在中はカナタの休養も兼ねるか。」


魔法都市マギカルでやりたい事は既に幾つか決めている。

同行させればいい気分転換になるかもしれない。


「いいですね、普段やらない楽しい事を経験してもらいましょう!」

「気遣いは有り難いのですが、本当に私は・・。」

「カナタ、俺の奴隷と自分で言ったろ?付いてくるなら俺に従っておけ。」


またしてもカナタが遠慮しようとするので、先手を打って言葉を遮る。

他人に命令するのを櫓は好まないが、こうでも言わないとカナタは断り続けるだろう。


「分かりました、有り難う御座います。」


主人からの命令となれば、断る事は無い様だ。

櫓としてはもう少し緩い関係でいいのだが、真面目なカナタに求めるのは未だ早そうである。


「それで櫓様は何処に向かっているんですか?」


付いてきたはいいものの、櫓が何をしたいのか全く分かっていない。


「オークション会場だ。滞在中に開催されるなら参加したいから、日時を確かめておきたくてな。」


度々参加してきたオークションが最初の目当てである。

金持ちにとっては一種の娯楽とも言えるオークションだが、櫓にとっては非常に便利な催し物なのだ。

作り出す魔法道具を貴族や商人に高値で買い取ってもらえ、人材や希少な物品を金さえあれば入手する事が出来る。

特に魔法都市マギカルの近くにはダンジョンがあり、スキルを得られる恩恵の宝玉が多数出品される。

強力なスキルを金で買う事が出来るチャンスは滅多に無いのだ。


「以前協力してもらった方にお願いするんですか?」


オークションは誰でも参加出来る訳では無い。

開催に携わっている関係者、毎回多数の品物を持ち込める商人や冒険者、莫大な資金を持つ貴族や大商人と言った具合で、飛び入り参加なんて事は出来無いのだ。

なので前回のオークションは、ダンジョンの入り口で店を構えていた店員が参加資格を持っており同行させてもらったのだ。


「ふっ、これを見ろ!」


櫓はニヤリと笑ってボックスリングから一枚のカードを取り出して二人に見せた。

其のカードはオークションに参加する事が可能となる、櫓専用の会員証だった。

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