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うっかり女神に邪神討伐頼まれた  作者: 神楽坂 佑
1章 異世界転生
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300話 見た目Sランク

先を走るネオンの後に櫓も続く。

走り辛い足下に苦戦して置いていかれるかと思ったが、それ程目的地は遠く無い様で直ぐにネオンは止まった。

木の影に隠れて、口に指を当て手招きしている。

音を立てずに静かに近付いて来いと言っている様だ。


「近いのか?」


櫓は小声でネオンに尋ねる。

ネオンは魔物の位置を把握している様だが、櫓には現在も何処に居るのか分かっていない。


「此の木の向こう側の少し先みたいです。私も姿は見ていませんが、音である程度状況は分かります。食事中みたいですね。」


ネオンは耳を澄ませて魔物が発する音を聞き判断する。

食べられているのはデアバードだろう。


「場所を変われネオン。」


櫓は透視の魔眼で木に隠れたまま魔物の姿を確認する事にした。

顔を出した瞬間に気付かれて逃げられる可能性もあるので、一先ず一切情報が無い現状の為に姿くらいは見ておこうと思ったのだ。

今はネオンの方が木に近いので、このまま透視の魔眼を使ってしまうと、ネオンも透視の対象となってしまい、後でとんでもない目に遭う。

常日頃から透視の魔眼を使用する際は、近くにネオンとシルヴィーが居る場合、必ず報告しろと口煩く言われているのだ。


「了解です。」


ネオンが退けたので、木に近付いて神眼を発動させる。

透視の魔眼を選択して、目の前にある木を透視して先を視る。

視力ギリギリではあるが、遠くに小さな動く物体が目に入る。

後ろ姿だがフサフサの毛並み、四足歩行の後ろ足二つ、左右に揺れている尻尾が見える。

其の先には倒れて動かない鳥が見えており、目的のデアバードだと思われる。


「姿は確認出来た。思ったよりも小柄だな。」

「逃げられると面倒ですね。どうします?」


どうするかと言うのは倒す方法についてだ。

魔物が雷系統のスキルか魔法を有している可能性が高いので、櫓の様に移動手段として使われれば一瞬で姿を消す事も考えられる。

しかも身体が小柄となれば、逃げるにも隠れるにも便利だろう。


「一撃で仕留められる保証は無い。先ずは逃げ道を封鎖するべきだろうな。」

「でしたらスキルか魔法で周りを檻の様に囲いましょう。でも私や櫓様はやめておいた方がいいでしょうね。」


雷や炎で大掛かりな檻を作ったとすれば、周りの自然に大きな影響を与える事になる。

近くで暮らす者達も居るので、出来るだけ荒らしたくは無い。


「そうなるとミズナだな。」


水の檻であれば自然に及ぼす影響は大して無いだろう。

精霊の腕輪に魔力を流して位置を伝える。

ミズナから渡された精霊の腕輪は、櫓とミズナを魔力の回路で繋ぐ役割をしている。

離れていても精霊の腕輪を通じて、軽い意思疎通であれば図る事も出来る。


「近付いて来てますね。」


少し待つと離れた場所にシルヴィーとミズナを見つける。

大きな声は出せないので、ジェスチャーで魔物の逃げ道を封鎖する事を伝える。

ミズナはピンときていない様で首を傾げていたが、シルヴィーは意図を汲み取ってくれた。

ミズナに小声で指示を出している。

ミズナは聞き終わると水帝のスキルを発動させる。

魔物を中心として囲む様に水の壁が四つ、地面から空に向けて上がってきた。

突然の事に魔物が反応した様だが、既に十メートルを超えた水の壁を越える事は出来無いだろう。


「ナイスだミズナ。逃げ道は封じたから後は倒すだけだ。」


木の影から姿を表して、魔物を堂々と見る。

櫓の声に反応して魔物が振り返った。

先程まで後ろ姿しか見ていなかったのだが、正面から見た魔物の姿を見て驚いた。


「か、可愛いいい!」


櫓と同じく木の影から姿を表したネオンが、魔物を見るなり顔を綻ばせながら黄色い声をあげている。

ネオンの言う通り、魔物と言う割には随分と可愛らしい見た目をしていた。

櫓は前の世界にて見覚えがあり、正に小型の柴犬と言った見た目をしていたのだ。

魔物と言うよりは普通の子犬にしか見えない。


「こ、此の子が対象の魔物なのですか?」


シルヴィーも可愛さにやられて、槍を持つ手が震えている。

愛くるしい見た目の子犬に槍を突き出す事は出来無いのだろう。

貴族の娘と言う事もあり、普段からしっかりしているシルヴィーだが、顔がだらしない程に緩み切っている。


「食べ物の恨み・・・!」


だがミズナには二人の様な気持ちは無い様だ。

獲物を見つけ悪い笑みを浮かべたミズナが、手を突き出して問答無用で水を勢いよく放った。


「ミズナさん!?貴方に慈愛の心はありませんの!?」

「食欲優先・・・。」


攻撃を躊躇ったシルヴィーがミズナに向かって言うが、食欲に勝るものは無い。

早く魔物退治を終えてデアバードの食事を楽しむ事でミズナの頭の中は埋まっていた。


「ワンッ!」


ミズナの放った水が押し寄せてくるのに対して、子犬の魔物が一鳴きすると体表をバチバチと電気が駆け巡り始めた。

そして一瞬で移動してミズナの攻撃を回避した。


「やはり雷系統のスキルか魔法持ちか。」


櫓は情報を得る為に調査の魔眼を発動させた。

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