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うっかり女神に邪神討伐頼まれた  作者: 神楽坂 佑
1章 異世界転生
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298話 食糧確保と人助け

山道を登る事数十分、櫓達の向かう先に建築物が見えてきた。

魔物を町の中に入れない為の柵だ。

丸太を縦に敷き詰めた木製の柵ではあるが、高さは五メートル程ありそうなので、大抵の魔物であれば中に入れないだろう。

柵に取り付けられた門には見張りが二人立っており、大人数の櫓達一行が近付いてきた事に気付くと警戒した様だが、一緒に歩いているウララを見て警戒は幾らか解けた。


「う、ウララさん!?」

「無事でしたか!?」


見張りの二人はウララを知っており、驚き心配しながら声を掛けてきた。


「はい、此方の方々に助けて頂いたお陰です。」


ウララは隣りを歩く櫓やシルヴィーを見て言う。


「一先ず武器を下ろして頂けると嬉しいですわ。」


ウララと櫓達の関係性が分からなかったので、見張りの二人はいつでも攻撃出来る様に槍を構えていた。

だがウララから敵では無いと証明してもらえたのと、いきなり大勢で訪れた櫓達を警戒するのは当然なので、見張りの対応に文句は無い。


「失礼しました。盗賊の可能性もあったものですから。」


見張りは槍を下ろしながら言う。

ウララ達は平穏に過ごしていた所を、ミネス盗賊団に攫われた者達だ。

残された者達は攫われた者達を心配しつつ、次の犠牲者を出さない様に警戒するのは当然だ。


「護衛完了だな。早く家族や友に会いたいだろうし、後は自由にしてくれていいぞ。」

「はい、本当に此処まで有り難う御座いました。」


ウララはそう言って深く頭を下げてから、馬車の方に向かっていった。

他の女性達を呼び、嬉しそうに故郷の町に入っていく。

殆どの者は会釈程度だったが、ウララを含めた何人かは直接お礼を言ってきたので、男性ではあるが櫓は幾らか信用された様だ。

女性達は我先にと町に入ってしまったので、見張りが事の経緯について説明を求めてきた。

掻い摘んで話していると、町の奥からウララと老人が歩いてくる。


「貴方方か、孫や町の娘達を助けてくれたのは。皆を代表して礼を言います。」

「此方は私の祖父であり、此の町の村長です。」


ウララが隣りの老人を見て言う。


「いえいえ、気にしないで下さい。成り行きで助けただけなのですから。」


ミネス盗賊団がドランを襲わなければ、助ける事も無かった。

拠点を襲撃した際に発見して助ける事にしただけなので、本当に偶然なのだ。


「では神の巡り合わせですかな。有り難い事です。」


村長は空を見上げて手を合わせている。

気にするなと言った手前、あの女神に感謝されるのは少しイラッとする櫓だったが、自分しか知らないので表には出さない。


「本来であれば孫達を助けて頂いたお礼をしたいのですが、生憎差し上げられる物が無い貧しい町でして。」


村長は申し訳無さそうに言ってくる。

報酬として払える金品に余裕は無いらしい。


「お祖父様、櫓さん達はデアバードに興味を持っています。助けて頂いたお礼にご馳走しましょう。」


ウララが櫓達の代わりに村長に言う。

鳥の名前はデアバードと言うらしい。

最初から金品を貰うつもりは無いので、ウララの言うデアバードや卵を貰えればお礼としては充分である。


「デアバードか・・・。普段であれば直ぐにでも提供するのだが・・・。」


ウララの言葉を聞いた村長の歯切れが悪い。

近くで話しを聞いていた見張りの二人も浮かない顔をしている。


「どうしたの?うちで飼っているデアバードを分けてあげましょう?」

「それは出来無いのだ。」


村長はウララの提案に首を横に振る。


「何か理由があるんですか?」


村長の歯切れが悪い理由を聞くと、町民が飼っているデアバードの殆どが、脱走してしまい手元にいないのだと言う。

何故脱走したのかと言うと、先日強い魔物が山に住み着き始めた様で、町に近付かれた際に其の魔力に当てられて暴走してしまったらしい。

普段は温厚な性格なのに、急に暴れ出して手が付けられなかった。

残った少ないデアバードは、町民の日々の食糧として無くては困るので、櫓達にはあげられない。


「成る程、魔物のせいでデアバードが。」

「そうなのです。更に其の魔物はデアバードが気に入った様でして、居着いて食われ続けているのが現状。」


追い払おうと戦える者達が何人か向かったそうだが、姿も確認する事が出来ずに返り討ちにあったと言う。

日に日に山中には食われたデアバードの骨が転がっていた。


「許せない・・・。」


御者台に座っているミズナが握り拳を作って怒っている。

町に着くなり早速食べようとしていたのにお預けをくらって不機嫌そうだ。

だが今回は櫓も少しばかりミズナと同じ気持ちである。


「つまり其の魔物がいなくなれば、解決すると言う事ですね?」

「おおお、孫達を助けてくれただけで無く、我々も救ってくださるとは。頼ってばかりで申し訳無いのですが力を貸して頂きたい。」


村長がそう言って頭を下げて頼み込んできた。

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