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うっかり女神に邪神討伐頼まれた  作者: 神楽坂 佑
1章 異世界転生
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279話 犯人への手掛かり

櫓が負傷者達をポーションで助けている間に戦闘音も大分小さくなった。

ゴブリンキングは全て倒されて、新たに召喚される事は無くなったので、残りのゴブリン達を片付けるだけだ。

相当な量のゴブリン達を相手にしていたが、三人共特に苦戦した様子も無く今も戦っているので、怪我の心配はいらない。


「カナタ、此処で何があったんだ?」


櫓は負傷者の手当てを終えて、騎馬達に何が起こったのかをカナタに尋ねる。

と言うのも不自然な点があって気になる事があった。


「騎馬隊の者達と安全確認の為に走っていたところを、突然大量のゴブリン達に奇襲されたのです。最初はゴブリンキング一体のみだったのですが、戦っている最中にいつの間にか増えており、囲まれてしまっていました。」


魔物に襲われる事は特別不思議な事では無いのだが、ゴブリンキングが増えたと言うところに違和感を感じた。

櫓は魔物についての知識を主に本で付けているのだが、名前や強さだけで無く特徴等についても書かれている。

そして前に見たゴブリンキングの特徴は、単独で行動すると言う事だった。

自分自身が手足となるゴブリン達を大量に召喚出来るので、他の魔物と連んで行動する必要が無い。

その為三体ものゴブリンキングが近辺を彷徨いていた事が気になったのだ。


「近くにゴブリンキング以外何か居なかったか?」

「どうでしょうか。覚えはありませんが戦闘に夢中だったので気付かなかったと言う事も考えられます。」


バフの掛かったゴブリン達に対して劣勢な者を助けつつの戦闘だ、仲間と敵以外を認識出来ていなかったとしても仕方無い。


「そうか。」

「申し訳まりません。それと特に誰かを見たと言う訳では無いのですが、最初に報告に上がった様な現場を幾つか発見しました。」


タイミングが無くて報告が遅れてしまったが、最初にゴブリン達の大量の死体を発見した時と同じ様な場所を騎馬隊は探索によって見つけていた。


「それもゴブリンか?」

「はい、どの場所もゴブリン種の死体が大量にあります。全て魔石だけは持ち去られている様でした。」


殺され方も同じく、魔石のある場所を貫かれている様だ。


「どの辺か覚えているか?」


流石にゴブリンキングが居たとしても異常な事だ。

ゴブリンは繁殖力が高く、群れでの行動をするので、見つけた時は複数で行動している場合が多い。

だが百を超える様な数が一定の範囲内に複数見つかるのは珍しい。

それこそゴブリンキングの様なゴブリンを増やす能力を持っている魔物が存在していなければ起こり得ない事だ。


「はい、此の獣道を真っ直ぐ進んでいくと一箇所目が見えてきます。更に奥にも二つ固まってゴブリン達の死体がありました。」

「分かった、俺達で残りの探索をしておくから、騎馬隊を引き連れて本隊に合流してくれ。」


既にポーションでの治療が終わっているとは言え、生死の関わる戦闘で疲労が溜まっている筈だ。

魔王クラメが関わっている可能性もあり、危険が無いとは言えない以上、待機してもらった方がいいと判断した。

それにゴブリン達が本隊を襲って来ないとも限ら無い。

ミズナを残してきているが、数で押されれば万が一もあり得るので、合流してもらえると安心出来る。


「分かりました、ご主人様もお気を付け下さい。」


カナタはそう言って治療を終えた騎馬隊達を率いて走り去っていった。


「何か分かりましたの?」

「騎馬隊がこの先で最初と同じく大量のゴブリンの死体を発見したらしい。一応確認に向かうぞ。」


最初の現場と違い何かしら手掛かりが残っているかもしれない。

四人で獣道を進み騎馬隊の見つけた現場をまわっていく。

最初の二箇所は魔石のある場所を貫かれた大量のゴブリンの死体があるだけだった。


「此処が三箇所目だな。」

「今迄の場所と変わりませんね。」


代わり映えしない同じ光景が広がっている。


「ん?」


何かを見つけたリュンが近くの茂みに向かって行った。


「どうかしたのか?」

「此方に来てみろ。ゴブリンの死体だ。」


そう言ってリュンが手招きしているが、櫓達の居る近くにもゴブリンの死体は山の様にある。


「ゴブリンの死体なら此処にも沢山ありますよ?」

「同じ死体だが、此方のは誰かが通った様に点々と転がっている。」


リュンの言う通り殺され方は同じだが、道無き道にゴブリンの死体が点々と転がっている。

この死体を辿っていけば、倒した犯人を見つけられるかもしれない。


「本当ですね。」

「これを辿れば、倒した者に行き着くかもしれませんわ。」

「だが死体を辿った先に危険が待ち受けている可能性もある。それでも行くべきだと思うか?」


この先に居るのが魔王クラメであり、敵対して襲い掛かってきたとすれば相当激しい戦いが予想される。

これ以上進むと仲間達を危険に晒す事になるかもしれないので、一応皆に意見を聞いてからどう行動するか決める事にした。

閲覧ありがとうございます。

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