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うっかり女神に邪神討伐頼まれた  作者: 神楽坂 佑
1章 異世界転生
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278話 ゴブリンの大群

「今の爆発は!?」

「悪い予想が的中したか?」


騎馬隊の向かった方角から爆発音が聞こえ、此の場にあるゴブリンの死体を倒した者と交戦した可能性がある。

万が一交戦した相手が魔王クラメであったならば、急がねば犠牲者が出てしまう。


「お前達の話している内容がいまいち分からないが、急いだ方が良さそうだな。」


リュンはしっかりと話しを聞いた訳では無いので、魔王クラメの件に関してはよく分かっていない様だが、今が緊急事態であり尚且つ相当危険な可能性がある事は理解している。


「櫓さんは先行して下さい。私達も直ぐに後を追います。」

「分かった。」


シルヴィーに言われ雷帝のスキルで足に雷を纏わせる。

地面を踏み抜き爆速で騎馬隊の下を目指す。

近付くにつれて戦闘音が激しくなり、爆発音が何度も聞こえてくる。


(まさかとは思ったが、どうやら違う様だな。)


戦闘現場に近付いているが、初めて魔王クラメと出会った時に肌で痛い程感じた圧倒的な魔力を今は感じ無い。

たとえ己の膨大な魔力を隠せていたとしても、あのレベルの強さを持つ者からならば、本能的に何かしら感じ取る程度には櫓の実力は上がっている。


「ゴブリンか。」


櫓が戦闘現場に到着して目に入ってきたのは、大量のゴブリンと戦う騎馬隊の面々であった。

騎馬隊の戦闘能力は高くゴブリン程度に遅れは取らない筈なのだが、現状はゴブリンキングによってバフが掛かった状態のゴブリン達に数で押されて、防御に徹するので精一杯の様だ。

なんと三体ものゴブリンキングに囲まれており、倒す側から次々と様々なゴブリンを召喚されている。

そして今も尚響いている爆発音の正体は、ゴブリンメイジと言う魔法を使うゴブリンの攻撃によるものだった。

遠距離から放たれる攻撃魔法をカナタが風の魔法で作った防護壁で防ぎ、仲間達を守っている。


「取り敢えず一体殺るか!」


櫓は威圧のスキルを使いつつ、一番近いゴブリンキングに向かう。

威圧のスキルの効果によって、辺りのゴブリン達が気絶してバタバタと地面に倒れる。

威圧の効果が少なく気絶しなかったゴブリンの上位種族達が、ゴブリンキングを守ろうと櫓の前に立ち塞がるが、魔装したミスリルの刀で全て一刀両断していく。

ゴブリンキングのバフによって強化されているが、多少の強化程度では障害にはならない。

ゴブリンキングの前に立ち塞がっていたゴブリンガーディアンを大盾毎真っ二つに斬り捨て、後ろのゴブリンキングに刀を振り下ろす。


「天剣一式・睦月!」


ゴブリンキングはAランクとランクの高い魔物だが、戦闘能力自体は低い。

高ランクの理由は、ゴブリン種を召喚し続ける能力と召喚したゴブリンにバフを掛けて強化する点だ。

なのでゴブリンキング単体ならば労せず倒すのは簡単な事なのだ。

ゴブリンキングは櫓の刀で縦に真っ二つに斬り裂かれて地面に崩れ落ちる。

ゴブリンの召喚元が一つ無くなったので、明らかにゴブリン達の増える速度が遅くなった。

だがゴブリンキングを倒した事により、他の二体から敵視されてしまった様だ。

大量のゴブリン達が櫓の方に津波の様に押し寄せてくる。

櫓は迎え撃とうと構えたが、背後から火球、風の斬撃、光の剣がゴブリン達の中に飛来してきた。

ゴブリン達の身体を焼いて斬り裂き貫き殺していく。


「遅くなりました。」

「加勢しますわ。」

「残りは任せろ。」


ゴブリンキングを一体倒している間にネオン達が到着した。

三人であれば負ける事は無いだろうと残りのゴブリン達を任せて、櫓は騎馬隊の救助に向かう。


「雷撃!」


騎馬隊の周りに群がっているゴブリンを雷帝のスキルで雷を飛ばして一掃する。

カナタの風の防護壁があったので、攻撃魔法を受けた者はいないが、ゴブリン達と直接斬り合い負傷した者や消耗した者は殆どだった。


「よく守ってくれた。」


櫓はボックスリングから取り出したポーションをカナタに渡す。


「はぁはぁ、すみませんご主人様。不甲斐無いところを。」


Aランク冒険者並みの実力を持つカナタでさえ相当消耗していた。

他の騎馬隊の面々が戦闘を出来るとは言え、全員がカナタの様な実力を持っている訳では無い。

それにも関わらず殺された者が一人も居ないのは、カナタが守ってくれたからだろう。

魔法で防護壁を作り、皆を守りながら戦ったからこれだけ消耗しているのだ。


「いや、お前が居なければ俺が到着する頃には騎馬隊は全滅していただろう。残りは任せて、自分が回復したら軍馬の手当てにまわってくれ。」

「はい、有り難う御座いました。」


カナタは櫓からポーションを受け取ると一気に呷り、疲れ切った身体に流し込んでいく。

その後近くで傷を受けて座り込んでいた軍馬に駆け寄っていった。

幸い軍馬達もカナタの防護壁のお陰で軽い怪我で済んだ様だ。

櫓は雷を飛ばしてゴブリン達を消し飛ばしつつ、残りの負傷者達をポーションで回復させてまわった。

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