表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
うっかり女神に邪神討伐頼まれた  作者: 神楽坂 佑
1章 異世界転生
254/324

274話 盗賊団壊滅

シルヴィー達が奇襲を掛けた拠点の盗賊達を全員捕まえたので、ネオンやドラン達の元に戻ってきた。

ドランや子供達はミズナと共に未だ櫓の料理を食べていた。

熱く希望されたので相当な量を出していったのだが、もう直ぐ全て食べ終わりそうだ。

主に食べまくっているのはミズナなのだが、櫓に文句を言われない様に周囲に居る盗賊にも注意を割いているので、特に言う事は無い。

そしてネオンも盗賊達に捕まっていた女の子達のメンタルケアが済んだのか、建物の中から出てきていた。

ネオンのボックスリングの中に入っていた洋服を着せており、見た目は問題無い。

だがドラン達の近くに居る盗賊や、櫓達が盗賊を引き連れて近付いてくるのに対して、嫌悪や怒りと言った感情を向けてきている。


「全員一度止まれ。」


櫓はこれ以上近付いて刺激するのを避ける為に離れた場所で止まる。


「シルヴィー、ネオンの近くに居る女の子達は盗賊に捕まっていて、男性に怯えてしまうのでネオンが相手をしてくれていたんだ。俺の代わりにこれからどうしたいのか聞いてきてくれないか?」


女の子達は奴隷でも無い一般人だ。

盗賊達によって攫われてきたと思われるので、今後の身の振り方は選ばせるつもりだ。


「分かりましたわ。」


シルヴィーはネオン達に近付いていき、話しを聞いてから戻ってきた。


「住んでいた場所に帰りたいと全員が仰っていましたわ。場所はミネスタからそう遠く無い町で、私達の通り道でしたわ。」

「それならついでに連れて行くか。」


今や櫓達も二百人に届きそうな程の大所帯なのだ。

数人増えたところで大した事は無い。

配慮して女性だけの馬車を用意してあげるつもりなので、文句は無いだろう。


「盗賊の件は片付いた、出発するぞ。」


ドラン達の雷の檻を解除して呼び掛ける。


「盗賊は全員捕まえたのか?」

「ああ、これから警備隊のところに連れていく。そうしたらミネスタを出発だ。」


街に入ってから色々時間を使ってしまったが、日は未だ傾いていない。

長旅になるので少しでも早く出発したいところだ。


「強引に破ろうとでもしたか。気絶している今のうちだな。」


櫓はドラン達とは別に雷の檻に閉じ込めていた盗賊団の頭領である大男の紐を持ち引きずっていく。

雷の檻に触れたのだろう、電気が身体を駆け巡り意識を奪った様だ。

暴れると面倒なので今のうちに移動する事にした。

ドラン達の近くに縛っておいた他の盗賊達も含めて、二百人を超える盗賊達を手分けして引き連れ、警備隊の詰所に向かっていた。

ネオン達も少し離れた場所から付いてきている。

なるべく目立たない様に裏路地を移動したのだが、詰所は大通りに面しているので最終的には出るしかない。

五大都市と言うだけあって、どんな時間でも大通りは人通りが多く、自然と注目を浴びて人集りが出来てしまう。


「これでは詰所にいけませんわ。」

「ドラン、人集りを抜けて警備隊に連絡してきてくれ。」


櫓を含める戦闘要員は全員自分が引き連れている盗賊を監視しているので、一般人に近付くのは危険だ。

特に櫓はミネス盗賊団の頭領を引き連れており、軽々と暴れるのを抑えられるのは櫓しかいない。

既に此処にくるまで二回も脱出しようと暴れ、櫓に二回共意識を刈り取られている。

身体は重く力も強いので、櫓でも油断すると厄介な相手だ。


「年寄りをこき使いやがって。」


ドランはそう言い残して人集りに消えていく。

手が空いているのはドランと子供達しかいないので仕方が無い。

少しすると人集りが分かれて、警備隊を複数引き連れたドランが戻ってきた。


「事情説明は大雑把にしといてやった。」

「ミネス盗賊団を捕まえたと言うのは本当ですか!?」


警備隊の一人が櫓達に尋ねてくる。


「此奴に見覚えがあるなら、本当か分かるんじゃないか?」


櫓は気絶している大男を警備隊の方に突き出す。

それを見た警備隊は驚きながら、持っていた人相書きの藁半紙と見比べている。

スキルか魔法で書いたのか、かなり繊細に描かれておりそっくりだ。


「間違いありません。では他の者達も?」

「此奴の引き連れていた盗賊団だな。把握している限りでは、全員捕まえられた筈だ。」


各盗賊の拠点に居た者達は一人も逃してはいない。

出払っている者までは分からないが、頭領含めてこれだけ捕まれば、残っていたとしてもミネス盗賊団は解散するだろう。


「一先ず警備隊員がもう少し集まるまで、その者を任せても大丈夫でしょうか?恥ずかしながら我々では手に負えなそうなので。」


警備隊の一人が大男を指差して言ってきた。

Aランク冒険者並の実力を持っているので、たかが警備隊員では敵わない為正しい判断だ。


「大丈夫だが、急いでくれよ。俺達も用事があるからな。」

「感謝します。」


少し待つと次から次へと応援の警備隊員が追加されてきた。

これで開放されるかと思ったが、盗賊の引き渡しだけで無く拠点の案内も頼まれてしまい、もう暫く拘束されそうだ。

閲覧ありがとうございます。

ブックマークやポイント評価よろしければお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ