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うっかり女神に邪神討伐頼まれた  作者: 神楽坂 佑
1章 異世界転生
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45話 快適な暮らしのために

ネオンと今後のことについて話し合った日から一週間が経過していた。

あの日の翌日から朝食と夕食は一緒に過ごしているが、それ以外はほぼ櫓とネオンは別行動を取っていた。

それでもネオンは特に落ち込むようなこともなく、日々の鍛錬と資金稼ぎに勤しんでいた。

櫓もあれから毎日同じようなルーティンで過ごしていた。

まず朝は魔物狩りである。

今日も起床してネオンと共に朝食を取った後は、魔物を狩るために街の外に来ていた。


「さて今日は何を狩ろうかな。」


周りにいる手頃な魔物を物色する。

毎朝の日課になっている魔物狩りは、戦闘訓練の意味もあるがこれから行く場所への土産という意味合いの方が強かった。

少しして数匹の魔物の群れを見つける。

巨大な鎌を持つ大きな昆虫型の魔物だ。


「あれはシザーマンティスか、Cランクで数は3匹と。戦ったことはないがスキル持ちでもないし、まあなんとかなるか。」


櫓は気づかれないように木や岩などの裏に隠れながら接近する。

雷帝のスキルを使えば簡単に倒すことができるのだが、素材があまり取れなくなってしまうのと、スキルばかりに頼るのもと思い最近は使わずに魔物を倒していた。

魔装して身体強化して、一番近くにいるシザーマンティスに特攻する。

両手を組み合われて頭上にかかげ、シザーマンティスの頭目掛けて思い切り振り下ろす。

シザーマンティスは思い切り頭を地面に叩きつけられ緑色の液体を吹き出しながら何もできないまま絶命する。

少し遅れて残り二体のシザーマンティスが櫓に反応してくる。

一体が鎌で櫓目掛けて斬りかかってくる。

それを手で受け止める、耐性の手袋を嵌めているため櫓にダメージはない。

そのまま受け止めた鎌を両手で持ち、回して遠心力を利用して投げ飛ばし岩に叩きつける。

その衝撃で身体が変な方向に曲がり二体目も絶命する。

三体目は最初の二体の状況を見て勝てないと判断したのか櫓とは逆の方向に逃亡し始める。

しかしせっかくの獲物を見逃すわけもなく、一気に距離を詰める。


「出会った相手が悪かったな。」


櫓は手刀でシザーマンティスの首を刎ねると、その巨体は力なく崩れ落ちる。

櫓は三体のシザーマンティスをボックスリングに入れて回収する。


「よし、これで充分だろうし街に戻るか。」


櫓は日課を終えたので街に戻り、屋台で買い食いしつつ目的の建物に到着する。

扉を開けると色々な武器、道具、素材など様々なものが置かれている。


「いらっしゃ・・・ってなんだ櫓か。」


厳つい顔をした男が櫓に話しかけてきた。

この男はこの店の店主であり、櫓が一週間前に知り合った人物である。


「なんだとはなんだこっちは客だぞ。」

「毎日毎日うちの商品を好き勝手に値切って使って、何が客だ。」

「その代わりに毎日魔物の素材をタダで渡してやってるだろうが。別にやめてもいいんだぞ?」

「・・・そう言えば頼んでた素材が届いたぞ、さっさと作業始めるぞ。」


櫓に痛い所を突かれて話を逸らす。

櫓は確かに商品を好き勝手に使ってはいるが、櫓が持ってきている素材で、櫓が使う以上に儲けていることを知っている。


「もう届いたのか流石だなグランツ。」

「知り合いの商人に声をかけまくったからな。希少な素材だったがなんとか入手できた。」

「この辺では入手できない材料が多いから助かるな。」

「他も使いそうなのはある程度準備してあるし、今日のノルマやっちまうぞ。」


二人は店の裏庭に移動する。

そこには一週間前にフレンディア家から送られてきた馬車が止められていた。

櫓は馬車の改造をするために道具屋のグランツに協力を要請した。

アリーネの紹介で腕は確かだと言うのは理解している。

その代わり儲け話しか興味がないと言う話だったので、初日に話した時に金貨が詰まった袋を差し出してみたところ、即交渉が成立した。

それからは二人で櫓が提案した機能を馬車に次々と搭載していくために改造を重ねる日々を送っていた。


「今日は何を取り付けるんだ?さっきの素材からじゃよく分からないんだが。」

「今日は馬車内に冷暖房機能をつける。」

「冷暖房機能?なんだそれは?」

「わかりやすく言えば、馬車の中の温度を自由に調節できるんだ。寒い地帯に行けば馬車の中の温度を上げて暖かくしたり、逆に暑い地帯に行けば涼しくしたりな。」

「そんなことができるのか!?でも魔法でもそう言ったのはあるだろう?わざわざ高い金使ってそんな機能つけるより、魔法使いを仲間にした方がいいんじゃないか?」

「確かにそれでもいいんだが、これは魔力さえ流せば誰でも使えるってのが利点だな。魔法を使えないやつでも魔力さえあれば使えるから便利なのさ。」

「確かに便利かもしれねーが贅沢だな。こんな馬車見たこともねーし、貴族や王族の馬車より豪華だな。」

「旅は馬車内で過ごすことが多くなるからな、快適に過ごすためには妥協はしたくないのさ。」

「まあ俺は金さえ儲けられれば何でもいいがな。それよりさっさとやっちまうぞ、客が来ちまったらそっちの対応しなくちゃいけねーからな。」

「了解了解。」


二人は店の開店時間までに今日のノルマの馬車の改造に勤しんだ。

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