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うっかり女神に邪神討伐頼まれた  作者: 神楽坂 佑
1章 異世界転生
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265話 思わぬ報酬

「では、これで此方の用件は話し終えたね。最後に報酬の話しをしようか。」

「何か望む物はありますか?可能な限り用意させて頂きますわ。」


ミーシャの父と母が櫓に言う。

ミーシャを助けてもらった件については報酬欲しさにした事では無いので、気にしなくてもいいのだが、貴族の体裁もあるのだろう。

断らずに有り難くもらう事にする。


(何がいいだろうか。無難に金か?最近出費が多いからな。)


仲間が増えた事によって大量に物資が必要になり、ボックスリングの中に入っていた金が飛ぶ様に消えていく。

普通の馬車の速さに合わせて城塞都市ロジックの拠点まで移動する事を考えると、これからまだまだ物資は必要になってくる。

今後の事を考えると貰っておいて損は無い。


「そうですね、お金を幾らか頂ければ助かります。これからの旅で必要になってきますから。」

「よし、直ぐに準備してこよう。」

「兄さん、私も行くよ。」


櫓の報酬を準備する為にミーシャの兄二人が部屋を出て行った。


「他に欲しい物はあるかね?」


ミーシャの父が櫓の方を見て聞いてくる。


「お金を頂けるだけで充分ですよ。」


櫓としては何も貰えなくても構わないのに、臨時収入があって嬉しいくらいの気持ちなのだ。

まさかこれ以上報酬を聞かれるとは思わなかった。


「遠慮する事は無いよ。櫓殿に助けてもらわねば、我々家族はどうなっていたか。文字通りテトルポート伯爵家は無くなっていた可能性もあるのだからね。」


爵位剥奪と言う結果は貴族達からすれば、人生の転落を意味する。

長い間守り続けてきた地位が一瞬で無くなって、生活水準が桁違いに下がるのは耐え難い事だ。

それを防いでくれた櫓には、幾ら御礼をしても足りないと言った感じなのだろう。

櫓はそう言われて金以外に欲しい物を考える。


「馬なんて如何かしら?連れている数が少なければ旅のお供には便利よ。」


助け舟を出す様にミーシャの母が言ってきた。

確かにこの後ドラン達が乗る様の馬車や馬を購入する予定なので、貰えるならばその分出費が抑えられる。


「確かに馬は助かりますね。旅の人数が多いのでこの後大量に購入する予定だったんですよ。」

「あら丁度よかったわね。それに我が家で所持している馬は騎士団用に育てられた軍馬だから、力も強くて良いわよ。」


ミーシャの母が言う軍馬は、市販されている馬とは少し違う。

貴族の家で所持している馬は、魔物と戦う騎士の為に育てられた特別な軍馬だ。

力も強く低ランクの魔物程度であれば踏み潰してしまえる。

現在櫓達の馬車を引いている馬も、フレンディア公爵家が所持していた馬で、市販されていない軍馬だ。

その良さを知っている櫓としては、一般人が購入する事が出来無い軍馬を貰える機会を逃す手は無い。


「是非頂きたいです。」

「決まりね。トリアン、厩舎に居る馬を表に回しておいてもらえるかしら?使う機会があまり無いから、余分な馬全て回して良いわよ。」

「畏まりました。」


騎士団長のトリアンが一礼して部屋を出ていく。

一頭二頭と言う数ではないらしく、期待してしまう。

軍馬は貰えるだけ有り難い。

移動が終わった後も拠点に居る者達が使えるので、無駄になる事もない。


「まさかこんなに頂けるとは、本当に有り難う御座います。」

「それは此方の台詞だ、この街に立ち寄る事があれば是非訪ねてきてくれ。」


貴族の屋敷に平民である櫓が気軽に立ち寄るのは気が引けるので、次に訪ねる時があればシルヴィーを連れてこようと思った。


「はい、その際は寄らせてもらいます。それと気になっていた事があるのですが。」

「なんだね?」

「体調がすぐれないのですか?」


ミーシャの父はずっとベッドの上で上半身だけを起こした格好だ。

話している感じは普通だが、何か病気で辛いのであれば直ぐに櫓は退散してゆっくり休んでもらいたい。


「心配いらないよ。操られたミーシャに何かされた様だが、日が経つ毎に良くなってきている。」


前にトリアンから聞いた時に、操られたミーシャに何かされたのか、テトルポート伯爵家の家族達が寝たきりで目を覚さなかったと言っていた。

治療はしたがその後遺症が少し残っているのだろう。


「良ければこれをどうぞ。」


櫓はボックスリングから取り出した万能薬を差し出そうとする。

それを見た二人のメイドは警戒して櫓に肉薄する。


「・・・軽率な行動だったのは謝るが、警戒し過ぎじゃないのか?」

「貴方達、下がりなさい。」


落ち込んでいたミーシャがそれを見て、ハッとして後ろに下げさせる。


「すまないね、櫓殿。あんな事があったから使用人達が皆警戒してしまって。」

「主人を守るならば正しい判断でしょう。疑う気持ちも分かりますから、自分が毒見をしましょう。」


ボックスリングからコップを取り出して、万能薬をそれに注ぐ。

特に櫓は怪我もしていないし、魔力も少なく無いので飲んでも意味は無いが身体に害も無い。

ポーションは瓶に入っている全ての量を飲まなくても、飲んだ分量に応じて効果はあるので、多少減っても問題は無い。

しかし毒では無くても苦い事には変わりないので、コップに入った万能薬の苦味に耐えて飲み込んだ。

閲覧ありがとうございます。

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