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うっかり女神に邪神討伐頼まれた  作者: 神楽坂 佑
1章 異世界転生
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43話 獣人の成長は早い

次の投稿少し開いてしまいます。

訓練場の中では騎士団長が審判を務める様で、ロアとシルヴィーも騎士団員達と共に端に避けている。


「この訓練場はギルドの訓練場と同じく死ぬことはないので全力で戦ってもらっても大丈夫です。ではお二人共早速始めてもよろしいか?」

「大丈夫だぞ。」

「はい。」


団長に答えつつも特に武器を構えない櫓。

ネオンは剣を抜いて構えていたが、その櫓の様子を見て眉を吊り上げる騎士団員二人。


「リクト、エレン準備はいいか?」

「いつでもいいっすよ団長。」

「私もです。」


櫓達を睨みつけながら答えている。

貴族の自分たちに対して櫓の行動はイラつかせる様なものばかりで早く斬りかかりたくて仕方ない様だ。


「それでは始め!」


合図と共にリクトと呼ばれていた騎士が櫓に向けて距離を詰め斬りかかる。


「エレン、このむかつく奴は俺がもらうぜ。」

「はぁ!」

「っ!ちっ。」


その間にネオンが割り込みリクトの剣を自分の剣で受け止める。

何度か打ち合い櫓から引き離す。


「邪魔が入ったか、まずはてめえから片付けてやるよ。」

「櫓様への暴言の数々許せません。」


リクトが繰り出す様々な攻撃を怒ってはいるが冷静に対処して捌いていくネオン。

隙を見ては反撃に転じていくが剣技の実力はリクトの方が高いため中々攻撃が通らない。

しかしリクトの方も思っていたよりもネオンが自分の攻撃について来られていたため、攻めあぐねていた。


「思ってたよりもやるじゃねーか獣人。エレン補助魔法くれ。」


自分にバフをかけてもらって一気にネオンを叩こうと思ったがエレンから反応はない。

ネオンと斬り結びながらそちらを見ると既に地面に沈んでいた。

ネオンとリクトが戦っている間に、櫓はエレンに一瞬で近づき意識を刈り取っていたのだ。

その相手をしていた櫓はというとロアやシルヴィーと共に端に避けてネオンの応援をしていた。


「ネオン、お前ならいけるぞ〜。」

「はい!頑張ります!」

「ちっ、舐めんじゃねーぞ。」


櫓にはそう返したもののネオンは少しずつ押されている。


「ネオンさんも頑張っていますが辛そうですわね。」

「それでも訓練をしっかり積んでいる騎士に頑張って食らいついてるけどな。」

「加勢に行かなくてよろしいんですか?」

「まあ少し相手の方が強いみたいだが勝てないわけでもなさそうだしやらせてみるさ。」

「徐々に押されてますが勝てるのですか?」

「冒険者ってのは弱い魔物を狩りに行ったとしても、強い魔物に出会(でくわ)すことだってあるだろ?少し自分よりも強い敵との戦いってのは大事なんだが、あまり経験させてやれてなくてな、今回はいい機会なんだ。」

「そういうことですか、確かに強くなるためには必要なことですわね。」


シルヴィーと会話している間もどんどんネオンはリクトからの攻撃を受け後退させられる。

それでもネオンは全く諦めてはいない。


「お仲間は助けてくれないみたいだな獣人。」

「櫓様は貴方程度の実力なら私が勝てると信じているんですよ。」

「てめえが俺に勝てるかよ、これで終わりだ!」


ネオンの挑発を受けリクトは大振りに剣を掲げ振り下ろす。

ネオンはそれをギリギリで交わし、リクトの攻撃後の隙を見逃さなかった。

剣を手元に引き戻し、一気に突き出す。


「天剣四式・卯月!」


その一撃は胸部分に当たりリクトを吹き飛ばす。

即死レベルの攻撃は外傷を残さず意識を刈り取る形に変えられる訓練場の効果を受け、リクトは剣で突かれた傷はないが意識を失っていた。


「そこまで!」


団長の試合終了の合図を受けて試合は終了した。

ネオンは勝ててよかったと一息ついてから、櫓達の方に向けて歩いてきた。


「ネオンさんは相手の攻撃後の大きな隙をずっと狙っていたのですね。」

「その様だな、段々強くなってきて嬉しい限りだ。」

「それにしても最後の技は凄かったですわね。」

「戦況を一気にひっくり返す、まあ必殺技ってやつだな。」

「必殺技ですか、ネオンさん自身はまだまだ荒いですが、これからの成長が楽しみですわ。」


ネオンが笑顔で近づいてきたので、よくやったと褒めてやると嬉しそうにしていた。

ロアや騎士団員達も櫓達の戦いを見て称賛してくれていた。

そしてここでの用事も終わったので櫓は帰る旨を伝える。

するといつの間に用意したのかロアから袋を渡された。

中を見てみると金貨が沢山入っていた。


「旅をするには何かと必要なものがあるだろう。少ないが持っていけ。」

「助かるよロアさん。」

「じゃあ悪いが俺は用事があるのでこれで失礼するぞ。」


そう言ってロアは足早に屋敷の方に戻っていった。


「大分急いでるみたいだな。」

「お父様はあれで結構忙しいんですわ。」

「なら俺達の戦いなんて観てる暇ないんじゃないのか?」

「お父様は自分が戦うのも他人が戦っているのを観戦するのも好きなのですわ。私と櫓さんの戦いを観れなかったのを残念がっていましたからね。少しでも観てみたかったのではないでしょうか?その分仕事に追われそうですけどね。」

「貴族ってのは大変なんだな。」


少なくとも櫓は貴族なんてなりたくないなと思った。

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