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うっかり女神に邪神討伐頼まれた  作者: 神楽坂 佑
1章 異世界転生
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208話 ミスリル乱獲不可

「はぁ!」


天井から襲い掛かってきた複数のキラーバットと言う蝙蝠の魔物を霊刀で真っ二つにして全て倒す。

倒した魔物をボックスリングの中に仕舞い先を目指す。

櫓達は鉱山の中に来ているのだが依頼書の目的であるミスリルゴーレムを探している最中だ。

報告からある程度の場所は分かるが、相手も生きているので同じ場所に止まっていたりはしない為、自分の足で見つけ出す必要がある。


「流石は櫓、まだまだ余裕そうだね。」

「低ランクの魔物しか出てきてないんだから当たり前だろ。」


未だ鉱山の二階層目と浅い場所に居る。

元々穴が空いていたり、人間達によって掘られたりした鉱山の中は、かなり広大だ。

階層を上がる為の階段が幾つかあり、階段を上がる度に整備されている場所が少なくなり、魔物の強さも上がっていくのだ。


「やはり一緒に依頼をすると言うのは楽しくて良いね。一人だと話し相手もいなくて退屈なだけだし。」


そう言ってハイヌは携帯していた酒を美味そうに呑んでいる。

命の掛かる場所で酒を呑むのはどうかと思ったが、ハイヌの強さとあれ程呑んでも酔わない体質を見て注意するのは諦めた。


「退屈を紛らわせるのはいいが、依頼はしっかりやれよ?」

「任せておきなって、ほら前方から新手だよ。」


低ランクの魔物は櫓の担当と言わんばかり全て任せられている。

だが櫓よりもだいぶ早く、優れた察知能力で敵が来る事を教えてくれてはいる。


「そう言えばミスリルゴーレムってどんな魔物なんだ?」

「知らないで受けたのかい?文字通り身体がミスリルで出来たゴーレムさ。動きは鈍いけど相当頑丈だから、中々倒すのが大変だね。」


ミスリルは硬くて魔力の伝達に優れている鉱石だ。

それの塊が相手となれば、並の武器では直ぐに折れてしまうだろう。


「つまり倒したらミスリルが大量に手に入るって事か。」


魔物を倒した後に得られる素材は全て倒した者の物だ。

前にミスリルは使い切れない程取っているとは言え、貴重な鉱石を大量に手に入れる機会を逃す手は無い。


「そうなるね、でも魔物からだとしても取れたミスリルは全て鉱山所有者に渡さないといけないけどね。」

「なんでだ?一応は魔物の素材だろ?」

「それはそうだけど、鉱山で取れたミスリルは全て鉱山所有者の物と言う決まりなのさ。勝手に採掘して手に入れたミスリルを魔物から手に入れた物だと主張されれば、持って行かれ放題だからね。」


ハイヌの話が本当であれば残念ながらミスリルゴーレムを幾ら倒しても自分の手元には残らない様だ。


「そう落ち込まないでくれよ、その代わりに鉱山から持ち出したミスリルは高値で買い取ってくれるんだからさ。」

「まあそれくらいしてもらわなければ、こっちのやる気も上がらないしな。」


二人は話しながら上を目指して行き、依頼書に書かれていた半分の場所である五階層に辿り着いた。


「ここまで一体も見ていないが大丈夫なのか?」


時間を掛けて探し回っているが一体も見つかっていない。

他の冒険者に狩られたのかと思ったが、此処までにすれ違った者達がAランクモンスターを倒せる程の実力があった様には感じられなかった。


「本来ミスリルゴーレムの様な高ランクの魔物は十階層以上の場所にしか居ないよ。たまに階層を降りてきちゃったり、地面が抜けて落ちたりして下に来てしまう事があるけどね。」


整備されていない場所は地面がボコボコになっていたり、小さいが下の階層が見えるくらい穴が空いている場所があったりもしている。

そう言った場所が原因となっているのだろう。


「じゃあなんで依頼書は十階層から一回層なんて書き方したんだ?」

「高ランクの魔物が普通の場所より下に居ると困るから、ミスリルゴーレムを探すついでに危ないのは倒して欲しいんじゃ無いかな?」


SランクのハイヌならばBランク等の魔物もついででサクッと狩れてしまうと判断されているのだろう。

櫓であってもそこまで苦戦したりはしないので、その判断は正しいと思われる。


「成る程な、領主にいい様に使われているって事か。」

「まあまあ、倒した分だけ素材の買取で稼げるし、報酬も沢山貰えるだろうしさ。」


本来であれば倒した分だけ稼げると言う話にはならない。

魔物を倒して素材を手に入れたとしても持てる量には限度がある。

普通の冒険者であればより高い素材だけを選別して持ち帰る事になるので、廃棄される素材も出てくるのだ。

だがボックスリング持ちの櫓が居ればその心配も無い。

倒した魔物は全て持ち帰る事が出来、解体も後回しでいいのでハイヌとしても助かっていた。


「そう言えば領主の依頼内容に報酬について書かれていなかったな。」


普通の依頼であれば報酬が書かれていない依頼を受けるなど論外だろう。

だが今回は検討する時間も無く無理矢理連行された感じなので、確認するのが遅れてしまった。


「ミスリルゴーレムの数で依頼料は大きく変動するからね。領主は成果を聞いてから報酬を用意する事が多いのさ。でも不当な判断はしないから、報酬には期待しても良いと思うよ。」


ハイヌは何度か領主から依頼を受けた事があるらしく、そう教えてくれた。

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