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うっかり女神に邪神討伐頼まれた  作者: 神楽坂 佑
1章 異世界転生
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190話 防衛対策

気を失った櫓が目を覚ますと、そこは村長の家で借りている自分の部屋だった。


「櫓様!気分はどうですか?」


寝ている櫓の顔を覗き込む様にネオンが見てくる。

隣には椅子や本等があったので、付き添っていてくれたのだろう。


「大丈夫だ、問題無い。」

「良かったです、丸一日眠っていましたから。」

「そんなにか。」


魔人との戦いで櫓が思っていたよりも消耗していたのだ。

魔力は使い過ぎると自然に回復するのは時間が掛かる。


「あれから何か問題は無かったか?」


ネオンが横で看病してくれているから再び襲われたりと言った事は無いだろうが一応聞いておく。


「特に無いですね。紗蔽さんの件で何人かは少し落ち込んでいましたけど。」


仲良く一緒に過ごしていると思っていたところを裏切られたのだから無理も無い。

心配だが仲間達ならば気持ちを切り替えられると櫓は信じている。


「そう言えば村長さんから目が覚めたら来てほしいと、櫓様に言伝を頼まれましたよ。」

「そうか、なら早速行くか。」

「もう動いて大丈夫ですか?」


ネオンはもう少し休んでいた方がいいのではと心配してくれている。


「一日寝てたんだし充分だ。ネオンも看病してくれてありがとうな。あとは部屋に戻っていいぞ。」

「分かりました、無理はしないで下さいね。」


ネオンが部屋から出て行き、櫓も村長の使っている部屋に向かう。

窓から外の様子を見ると日が落ち始めている。

この時間帯の村長は自分の部屋で茶を楽しんでいるのでタイミングがいい。


「村長、入っていいですか?」


ノックをして確認をする。


「目が覚めたか、入ってよいぞ。」


村長の声に従って扉を開けて中に入る。

予想通り茶を飲んで寛いでいる様だ。


「もう動いてよいのか?」


そう聞いてきた村長は、櫓と同じだけ戦っていたのにいつも通りと言った感じである。


「はい、問題ありません。それと今日の朝にはティアーナの森を出る予定だったのですが、もう一泊させてもらう事になりそうです。」


櫓が気絶していたので、今日出発する事が出来なかった。

仲間達は話し合って無理に動かさず、安静にさせようと言う事になったので、村長達にも話しは通っている。


「それは構わん、頼み事もあったからのう。」


村長は寧ろ未だ旅立たれては困ると言った感じだ。


「頼み事?また無色の剣ですか?」


エルフ達が作ろうとすると年単位の時間が掛かるが、櫓はミズナと協力する事で素材さえあれば一瞬で作れてしまう。

魔力を殆ど使い切ってしまうので、大変な事には変わりないが効率は段違いだ。


「魔法道具を作ってもらう事に変わりはないが無色の剣では無いのう。結界を展開する魔法道具を作ってほしいのじゃ。」

「なるほど、再び襲撃されるかもしれませんからね。」

「そう言う事じゃ。」


現在ティアーナの森は一枚の結界に覆われている。

触れた人間達にこれ以上進むと危険だと本能的に錯覚させる結界だ。

しかし紗蔽や黒尽くめの者達は、その先にティアーナの森がある事を知っている。

どれだけ錯覚させようとバレていては意味が無い。


「どう言った結界を張りたいんですか?」

「そうじゃのう、単純に破壊されなければ進む事が出来無い頑丈な結界を一つ。それと結界内でのエルフ以外の戦闘能力を低下させる結界を一つ。この二つを頼みたいのじゃがどうかのう?」


エルフが結界外に出る事は稀だ。

なので頑丈な結界で内外を遮断しても問題無いのだろう。

そして万が一それが突破されたとしても、敵の戦闘能力を低下させる事が出来れば対処は簡単だ。

黒尽くめの者達との戦闘でも、上手く連携して対処されたが、村長ならば時間を掛ければ一人でも対処は出来ただろうし、戦闘能力が下がっていたならば一人で余裕で勝てるだろう。

また黒尽くめの者達が襲ってこないとも限らないので、対策をしておくに越した事は無い。


「確かにその二つの結界を張れれば、仮に人間達に攻め込まれたとしても対処は出来そうですね。」


紗蔽達がティアーナの森の事について人間の国で話してしまえば、一気にエルフを捕まえようと人間達が押し寄せてくるだろう。

そう言った事態にも対応出来るので結界は重要だ。

櫓は早速スキルの錬金術の名人を発動させて、結界を張る為の魔法道具を作るのに必要な素材を調べる。

ボックスリングから取り出したわら半紙に必要な素材を書いていく。


「取り敢えず必要な素材はこんなところですね。世界樹の枝や葉で高価な素材の代用も幾らかは可能だと思います。」


わら半紙を村長に渡しながら言う。


「ふむ、大体は用意出来そうじゃな。世界樹の枝や葉も物置に保管してあるし、早速用意しよう。」


村長は紙に目を通してから言う。

その後フェリンやフェリンの父母にわら半紙を見せて、素材を手分けして集めに行った。

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