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うっかり女神に邪神討伐頼まれた  作者: 神楽坂 佑
1章 異世界転生
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164話 見えないが近くに居る

「と言う事で明後日から鉱山都市ミネスタを目指す事になった。」


櫓は宿に帰って三人に事情を説明した。


「まさかエルフのお姫様だとは思いませんでしたわね。」


自分達が落札した人物がエルフの森の姫だと聞いて皆驚いている。


「私達が買い食いしている間にそんな事があったなんて。」


シルヴィーと違ってネオンとミズナは全く状況が分かっていない。

ネオンはエルフと言う存在を見るのも初めてだったので、者珍しそうにフェリンの事を見ていた。


「急遽明後日出発する事になったから、明日の各自の行動を決めておきたい。」


幾つか明日のうちにやっておきたい作業があるが、櫓一人では手が回らないので役割分担する事にした。


「櫓様は馬車の改造作業をするんですよね?」

「ああ、だから他の作業を分担して欲しい。一つは落札した奴隷の女の子達をロジックの拠点まで護送してくれる信用のある冒険者を見つけて依頼する事。」


フェリン以外の奴隷十名は一旦城塞都市ロジックにある拠点の櫓商会に送る事にした。

奴隷達は落札された時点で櫓の夜の相手を勤めると思っていたが違うと知って、狙っていた者は残念がったり、初めてで怖がっていた者はホッとしたりと反応は様々であった。

しかし商会で一年働けば奴隷から解放すると言う櫓の言葉には、皆喜んでおり涙を流している者までいた。

奴隷から解放された後は、商会でそのまま働いても故郷に帰って暮らしても自由なのだ。

一応最初に買った奴隷達にもそう言ったのだが、ここより良い職場は無いと口々に言われたので、気分が変わらなかったらそのまま商会を運営してくれるそうだ。


「女性ばかりですから、護衛にも女性の冒険者が多いと良いかもしれませんね。」


魔法都市マギカルから城塞都市ロジックまではそれなりの距離がある。

美人な奴隷ばかりに男の冒険者だけを付けてしまえば、万が一欲望に耐えられずに護衛対象を襲わないとも限ら無い。


「それに加えて恩恵の宝玉等の高価な魔法道具も一緒に運んでもらいたいから、冒険者ギルドの信用が高い者も欲しい。」


売らずに残してある恩恵の宝玉も結構な数ある。

それらは拠点に送り有効活用してもらおうと思っているのだ。


「人選が大事になってきますわね。」


途中で盗賊や魔物等に出会しても奴隷達を守り抜き、しっかり拠点まで送り届けてくれる者達でないと困るのだ。


「二つ目は俺が冒険者ギルドに解体依頼を出している件についてだ。この前大量に解体用の魔物を出してきたんだが、素材の売れた分の金を受け取りに行ってないのと、明日までに終わらない分の魔物の回収だな。」


明後日以降の分の解体用の魔物も置いてきているので、それらの回収もしなくてはいけない。


「同じ冒険者ギルドでの用事なら丁度良いですね。」

「解体はギリギリまで行い、少しでも多く売却した方が良いですわよね?」

「ああ、金が今回のオークションでかなり減ったからな。補充出来るならしておきたい。」


とは言ってもボックスリングの中には白金貨が無いだけで金貨は相当数ある。

しかし今回の様に一度で一気に無くなる事を考えると、多く持っておくに越した事はない。


「やらなきゃいけないのはそれくらいですか?」

「いや、もう一つある。オークション会場で絡んできた貴族の牽制又は逮捕だな。」


ネオンの質問に首を振って言う。

この件はオークションに居なかったネオンとミズナは知らない。


「フェリン姫の側には私達がいるのですから、そこまで警戒する必要がありますの?」


その貴族が仕向けてきたかは分からないが、一度襲って来たゴロツキやチンピラはシルヴィーが一人で全滅させている。

同じ様なのが来たり少しくらい強くなっても一人で問題無い。


「一応な。俺達の近くは安全だろうが、俺達とは違う方向に行く奴隷の女の子達や、オークションで一緒に居た店員とかは安全とは言えないからな。」


他の者達を人質にしてフェリンを要求してくる可能性も無いとは言い切れない。

その為先手を打って、これ以上関わって来ないでほしいと櫓は思っていた。


「どう分担するんですか?」

「ギルドの用事はネオン、シルヴィー、ミズナの三人に任せる。」

「貴族の件はどうしますの?」


三人共ギルドの作業に充ててしまえば、貴族の件は櫓がやるのかとシルヴィーは思っているのだ。


「クロードいるか?」

「ここに。」


宿の中だというのにクロードは呼ばれて直ぐに櫓の前に現れた。

膝を突き頭を下げて主と認めた櫓の言葉を待っている。


「状況は把握しているか?」

「はい、貴族の件は我々三人にお任せ下さい。櫓様のお手を煩わせるまでもありません。」


クロードは当然の様に櫓達の現状を把握していた。

何処で聞いているのか櫓にも分からないが、クロードの事は信用しているし説明の手間も省けるしで特に気にし無い。


「ならその件は任せた。明日は各自用が済んだら自分の旅の準備でもして過ごしてくれ。」


そう言って役割分担の話を終えた。

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