149話 貴重な鉱石
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「なんだこれは。」
櫓は宝箱の中から取り出した小さな鍵を見て言う。
「鍵じゃないですか?」
「そんなのは見れば分かる。」
櫓が言いたかったのはこの鍵の用途についてだ。
宝箱の中には鍵一つしか入っておらず、説明書など何も無い。
「調査の魔眼で何か分かるのではありませんの?」
櫓もそれしか手はないだろうと思い調査の魔眼を発動して鍵を視る。
隔離空間を繋ぐ鍵 この鍵が産出されたダンジョンの九階層にある扉を開く事の出来る専用の鍵。
「九階層にこの鍵が使える扉があるらしいぞ。」
「この上の階層ですか?そんなのありました?」
九階層はトラップフィッシュが飲み込んだ宝箱を得る為に、手分けしてかなり探索したのだ。
しかし誰も扉など見かけていない。
「見落としか、或いはボスを倒した事により現れた可能性もありますわね。」
「取り敢えず登って探してみるか。」
ポイズンタイガーを倒しても下に続く階段は現れなかったので、このダンジョンは十階層が最下層だった。
四人は階段を上がって九階層に出ると、階段近くで複数の魔物が地面に倒れて絶命している。
「トラップフィッシュしか見掛けなかったのに、普通に魔物も居たんですね。」
「多分俺達がトラップフィッシュを狩りまくったから、捕食されにくくなったんだろう。」
四人で合計すれば百体近くのトラップフィッシュを狩っている。
トラップフィッシュもまた出現するだろうが、一定数出現するまでは様々な魔物を見かける事になるのだろう。
「ところでどうして倒れているんですの?」
「あーなるほどな、こいつら毒を受けて死んでいる。シルヴィーがポイズンタイガーの毒を九階層に飛ばしたのを受けたんだろうな、だから素材回収はやめといたほうがいいぞネオン。」
魔物達を視ると毒で息絶えていたのが分かった。
ポイズンタイガーの猛毒をその身にまともに受けてしまえば、命等直ぐになくなってしまうのだ。
そしてネオンが今倒れている魔物達を解体しようとしていたのだが、毒を扱う魔物は毒袋と言う毒を貯めておく器官があるので問題無いが、毒が全身に回ってしまった魔物の死体等は、解体する時に触ってしまうと自分にも毒が感染する可能性があるので、基本的には触ってはならないのだ。
「あ、危なかったです。」
ネオンはもう少しで触ろうとしていたのでギリギリだった。
「取り敢えず手分けして探すか。見つけた時の合図は救援砲を使ってくれ。」
救援砲で打ち上げた光りは目立つので、少しくらい距離があっても直ぐに気付く事が出来る。
四人は別々の方角に行き九階層を探索して行く。
すると十分くらい経った時に上空に救援砲で光りが打ち上げられたので、その場に向かう。
光りの下にはミズナが一人で立っていたので、打ち上げたのはミズナだ。
「見つけたのか?」
「これ・・・。」
ミズナが地面を指差したので、視線の先を見ると扉が地面に倒れている。
「なんかの拍子に倒れたのか?」
櫓は地面に倒れた扉に手を掛けて起こそうとするがピクリとも動かない。
「ぐぐぐぅ・・はぁ、ダメか。」
「私も動かせなかった・・・。」
ミズナも既に試していた様で、扉はその場にガッチリと固定されてしまっている。
「見つけたんですね。」
どうしようかと考えているとネオンとシルヴィーもやってきた。
「ミズナが見つけてくれたんだが、最初からこの状態だったらしくて、全く動かせないんだ。」
「倒れていますわね。」
「別に立っていなくても、この状態で開ければいいんじゃないですか?」
確かにネオンの言う通り、扉が横になっているのに違和感を感じたが開けられないかは試してみないと分からない。
それにこの鍵自体が魔法道具で、扉も調査の魔眼で確認したが魔法道具だったので、これが正常な状態なのかもしれない。
櫓は扉にある鍵穴に鍵を差し込み回す。
するとカチャリと言う音が鳴り、扉が地面の方に開いて行く。
扉の向こうには地面しか見えず、扉は地面から二メートル程の高さに浮いていた。
「危険が無いか様子を見てくる。」
櫓は扉に落ちると言う変な入り方をして地面に着地する。
辺りを見回すが魔物が居る様子は全く無く安全だ。
「降りて来ても大丈夫そうだ。」
真上に浮いている扉に向けて言うと三人が順番に飛び降りて来る。
「何もありませんわね。」
「そうですね・・、ん?」
ネオンは近くにあった五メートル程の小さな岩山に何かを見つけて小走りに近付いて行く。
「何か見つけたのか?」
「こ、これってもしかして!?す、凄いお宝かもしれないですよ櫓様!?」
三人もネオンの後に続いて近付いてみると、ネオンが岩山の一部を指差して大興奮だ。
ネオンが指し示している部分には、白銀色の鉱石があり岩山から全体の一部分が出ていた。
「ミスリル鉱石ではありませんか!」
いつも落ち着いているシルヴィーも興奮気味だ。
櫓もゲーム等で名前くらいは聞いた事がある。
銀の様な輝きを持ち、鋼を上回る強度を誇っている鉱石だ。
「凄い物なのか?」
一応自分の認識と合っているか分からないので、知らない体で質問する。
「凄い物ですよ、武器は殆どが銅や鉄で造られていますけど、ミスリルで造られた武器は性能が段違いです。更にミスリルは魔力を増強させる性質が有りますので、魔装を扱える者との相性がかなりいいんです。」
「付け加えて説明しますとミスリルが採取可能な鉱山がこの国にも幾つかあるのですが、全てその土地の貴族や役人に採掘権が有り、自由に取りに行く事は出来無いのですわ。なので手に入れる事自体が難しい鉱石ですの。」
自分が知らなかった情報としては、魔力を増強させる効果と入手困難な事だ。
どれ程の大きさかは分からないが、岩山から出ているこのミスリルは、見えている大きさからでも中々期待出来そうであった。
「つまりここは希少価値のあるミスリルが取れる鉱山か。それもダンジョン内の隔離された空間だから採掘権を持っている者も居無い。」
一先ず第一発見者の特権で辺りのミスリルを取りまくろうと決意した。
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