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うっかり女神に邪神討伐頼まれた  作者: 神楽坂 佑
1章 異世界転生
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148話 ボス討伐報酬

「マジかよ。」


櫓達の一斉攻撃は全てポイズンタイガーによって防がれてしまった。

更に櫓の攻撃を阻んだ毒が辺りに飛び散って、壁や床を溶かしている。


「グゥルアア!」


ポイズンタイガーが頭上の空中に浮いていた櫓に狙いを定めて、広範囲の毒のブレス攻撃を使用した。


「神速歩法・電光石火!」


直撃を受ければひとたまりもないので、回避すると同時にカウンターを放つべく、魔力消耗が激しい奥の手を迷わず使う。

一瞬にして真上を向いているポイズンタイガーの隙だらけの胴体付近に移動する。


「滅脚!」


遠心力を上乗せした蹴りが空を切り裂き唸りを上げながら胴体に吸い込まれていく。

ポイズンタイガーは反応も出来ずに当たってしまい、深く抉られて血肉を撒き散らしつつも、櫓との距離を取る。


「グゥルアア!」


致命傷と言える怪我を負っても攻撃の手を緩めはしない。

ポイズンタイガーは四人を視覚に捉えて、逃げ場を無くす様に先程よりも広範囲の毒のブレスを放つ。


「水城壁・・・!」


櫓は全てを相殺するのは無理だと判断して三人の元まで後退し、ミズナが皆を守る様に前方に巨大な水の壁を作る。

しかし櫓の攻撃すらも防ぐ水の壁が毒のブレスに触れると、段々地面に崩れ流れていく。


「このままだと持たない・・・。」

「我が魔力を糧とし、全てを薙ぎ払い吹き飛ばす、大いなる自然の力を顕現す。暴嵐・大竜巻!」


ミズナの貼った壁が無くなる前に、シルヴィーが魔法で竜巻を作り出す。

竜巻は辺りの毒を巻き取り、毒々しい紫色の竜巻となって、被害が無い様に降りて来た階段を登らせて行く。

九階層には地面に潜るトラップフィッシュしか居ないので問題は起きない。


「我が魔力を糧とし、空を衝き、敵を焼き尽くせ。火柱!」


ネオンが止めとばかりに魔法を詠唱し、ポイズンタイガーの足元に魔法陣が浮かび上がる。

致命傷と無茶をしたブレスのせいで動きがだいぶ鈍っているが、魔法陣を見てからでもその上から移動する事くらいは訳無い。

しかしポイズンタイガーはここで最悪の選択肢を選んでしまう。

魔法陣を避けた後に追撃を掛けようと考え、櫓たちの居る方向に移動しようとして、そちらに顔を向けて櫓と目が合ってしまった。

狙っていたわけでは無いが好都合とばかりに、櫓は呪縛の魔眼を即座に発動する。

直後ポイズンタイガーの身体は石像になったかの如くピクリとも動かなくなり、魔法陣から吹き出して来た猛火に全身を包まれる。

呪縛の魔眼の効果は最長で五秒までなので、時間になり動ける様になったのだが、既に焼け死んで手遅れであった。


「中々強敵だったな。」

「Aランクの中でも強い方ですからね。」


ランク帯が同じであっても戦う者によって有利不利やその場の状況に応じて強さが上下したりもする。

ポイズンタイガーはどんな相手であっても様々な攻撃手段で戦う事が出来る事を考えると相当厄介な魔物であった事に間違い無い。


「奥に宝箱現れた・・・。」


ミズナが指差した方を見ると何も無かった場所にポイズンタイガーを倒した事により大きな宝箱が三つ出現していた。


「あれ程の敵でしたから期待出来ますわね。」

「じゃ早速開けるか。」


一応調査の魔眼で本物である事は確認済みだ。

一つ目を開けると解体済みの魔物の素材が綺麗に並べられてあった。


「これ全部ポイズンタイガーの素材じゃないですか!?」

「ああ、大当たりだな。」


正直に言うとAランクの魔物の素材が燃えて全てダメになってしまったのを勿体なかったなと思っていたのだ。

しかし大きな魔石、鋭い牙や爪、丈夫な毛皮等無傷で綺麗な状態で全て宝箱の中に入っていたのだ。


「Aランク魔物の素材となると、全身余す事無く使えそうですわね。」

「暇な時に装備類をこれで作ってみるのもいいかもな。」

「櫓様早く次を開けましょう!」


ネオンはすっかり宝箱ガチャにハマってしまい次が気になって仕方がない様だ。

一つ目から大当たりだったので当然と言えば当然である。

櫓が二つ目の宝箱を開けると紫色の宝石が付いたネックレスが一つ入っていた。


「装備品の様ですわね。」

「ええっと能力は・・おっ!毒耐性Lv八だってよ。」


耐性の類はLvが増える毎に効果が高まり、人の手で作る事が難しくなって行く。

櫓でさえも高価な素材を使って作成出来る限界がLv五、六くらいの物までなので、それ以上となるとダンジョン等の宝箱から探すしか無い。


「先程の様な毒を主として戦う魔物に対してはかなり効果的ですわね。」

「どうせなら四人分出て欲しかったですね。」


一つしか入っていなかったので、全員が装備する事は出来ない。


「じゃあ最後のを開けるか。」

「前の二つが良かったから期待できますね。」

「これ以上どんな物があるのでしょう?」


全員の期待は膨らむばかりである。

櫓が三つ目の宝箱を開くと、中には宝箱の大きさに見合わない小さな鍵が一つだけポツンと入っていた。

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