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うっかり女神に邪神討伐頼まれた  作者: 神楽坂 佑
1章 異世界転生
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145話 食料大量確保

「あー、やっと終わった。」


櫓は地面に敷かれたシートの上に倒れ込む。

三人が戻ってきてから一時間以上掛けて、全員が持ち帰ったボックスリングの中身の仕分け作業が終わった。

全員相当な数量を持ち帰ってきて、シルヴィーやミズナはボックスリングに入りきらない物は風や水で浮かせてまで大量に運んできた。

仕分け作業はダンジョン内でしなくても良いのだが、時間的に夜頃なのでこれ以上の探索は明日にする事になった。

その為やる事が特に無い櫓は、いずれ自分でやらなければならない事なので一気にやってしまおうと一人黙々と作業していたのだ。


「まさか仕分け作業で魔力がここまで枯れるとはな。」


調査の魔眼を一時間以上も使い続けていたので、魔力量が多い櫓でも魔力切れギリギリまで使い果たしていた。

魔力は食事や睡眠により回復するが、魔力量が多い分全て回復するのには時間が掛かるので、使用配分に気を付けなければならないのだ。


「お疲れ様です櫓様、ちょうど焼けたのでどうぞ。」

「お、悪いな。」


ネオンが串焼きを数本手渡してくる。

この串焼きに使われている肉はトラップフィッシュの物だ。

ミズナが美味しいかもしれないから味見したいと言うので、ネオンが串焼きを作ってあげたのだ。

それが意外と当たりで、ミズナの食べる手が止まらない。

巨体のトラップフィッシュは倒した物がこの階層中に大量にあるので、ミズナが幾ら食べようとも大丈夫である。

肉よりも味付けに使っている調味料が無くならないかが櫓には心配であった。


「確かに意外とイケる。」


自分の事を飲み込んだ敵を食べるのは変な感じだが、美味しい事に文句は無い。


「そのままの巨体だと櫓様のボックスリングにも入らないでしょうけど、バラせば入りますよね?美味しいですし、大量に取っておけば使い道がありそうです。」

「そうだな、美味しく食べられる魔物をこのまま腐らせるのも勿体無いし。」

「じゃあ早速切り取ってきますね。」


ネオンは愛剣を片手に近場のトラップフィッシュの元に向かっていく。

ネオンも魔力量が多いので、櫓と違い未だ魔力が余っていて元気なのだろう。


「ミズナちょっと来てくれ。」


予想はしていたが串焼きを食べるのに集中していて反応はない。

しかしネオンが解体作業に行ってしまったので、網に上がっている串焼きは減るばかりだ。

少し待っているとミズナは食べ終わり櫓の方に向かってくる。


「ご主人串焼き焼いてほしい・・・。」


ミズナは食べる専門で料理をしようとはしない。

恩恵の宝玉を積極的に探したのも料理の達人と言うスキル目当てだったが、当然それは櫓に覚えさせて更に美味しい料理を食べようとしていただけだった。


「こっちは魔力切れ寸前で疲れてるってのに。まあいい、ネオンの手伝いをしてこい。その間に焼いといてやる。」

「行ってくる・・・。」


ミズナは元気に走って向かって行った。

食事の事となると本当に扱いやすい精霊である。

ミズナは際限無く食べるので、トラップフィッシュの肉は回収出来るだけしておけば、食費が大分節約出来るのだ。


「このボックスリングだけは本当に感謝しているぞ、うっかり女神よ。」


女神お手製のボックスリングは、この世界に存在している空間魔法が付加されたどの魔法道具とも比較にならない程の物が入れられる。

旅をする間に倒した魔物を全て入れても上限を迎える事は無かったので、巨体なトラップフィッシュの肉を入れるついでに上限がどれほどかテストしてみる事にした。

ネオンとミズナが切り分けた巨大なブロック肉を櫓の作ったボックスリングに入れて、櫓の下に持ってくるのを何往復か繰り返したが入らなくなる様子はない。


「ほんとに無限なんじゃないかと思えてきたな。」

「何が無限なんですの?」


後ろから声が聞こえてきたので振り返ると馬車からシルヴィーが降りてきた。

トラップフィッシュに飲み込まれ続けて汚れた身体を洗い流す為に風呂に入っていたのだ。

櫓が仕分け作業している間ずっと入っていたので、軽く一時間以上は入っていただろう。


「何でもない、それよりよくそんなに風呂に浸かっていられるもんだな。」

「一仕事終えた後には癒しの時間が必要ですわ。」

「気に入ってくれてるのなら作った甲斐もあったけどな。」

「このバスローブと言うのもゆったりしていて良いですわよね。」


本人は気付いていないが風呂上りのバスローブの隙間から見える胸元や足が色っぽくて櫓には目に毒だ。

櫓が風呂上りや寝る時まで、普段着や戦闘用の服などを着るのもなと思って、この世界には無いバスローブやパジャマを作ったのだ。

それを皆気に入って毎日使ってくれている。

素材にも拘っているので貴族のシルヴィーからしても触り心地は極上の一品となっている。


「使ってくれているのは嬉しいが、馬車から出て来るのは無用心じゃ無いか?」


一応ここはダンジョンの中である。

馬車の中であれば魔物に襲われても自動防御のシステムがあるので安全だが、外に居る者にまでは適用されない。


「この階層はトラップフィッシュしかいませんし大丈夫ですわ。それに櫓さんの近くに居れば万が一が起きても問題無いでしょうから。」


一緒に旅をしてきて随分と信頼をして貰えている様だ。


「まあネオンやミズナも居るし心配し過ぎか、串焼き食べるか?」

「頂きますわ。」


櫓は照れ隠しをする様にシルヴィーに串焼きを渡して、ミズナの食べる分をひたすら焼いていった。

閲覧ありがとうございます。

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