144話 ガチャの闇
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「そろそろ確認していくか。」
櫓の前には四人で宝箱やトラップフィッシュの中から回収した魔法道具や武器防具が積み重なっている。
一時間程手分けして作業したがトラップフィッシュの数は多く、他の三人は未だ飲み込まれに行っている。
どれが使える物なのかの判断は調査の魔眼を使える櫓にしか出来無いので、先に抜けて来たのだ。
「この剣はハズレ、弓は使うやつがいない、フルプレートアーマーは俺達のパーティーには不必要だな。」
調査の魔眼を使うまでもなく弾かれる物も多いが、そう言った物にも魔法の付加がされていたりするので捨てはしない。
そもそも武器防具であれば櫓が魔法を付加した物を作れるので殆どが売却用だ。
数点自分達で使おうと残した物があるが、追加で付加を施せば現状使っている物よりも性能が上がりそうな物のみだ。
「ふぅ、やっと片付いたか。」
十分程掛けて恩恵の宝玉以外の仕分け作業が終わる。
調査の魔眼は有用な魔眼なのだが、一度に視る対象が多いと情報が表示されなくなる。
その為数個ずつに分けて確認しなくてはならなくて、量も多かったので時間が掛かった。
「さて、お待ちかねの恩恵の宝玉だな。」
キラキラと光る透明な球体が入った宝箱が地面に沢山置かれている。
三十個も回収出来たのだが、トラップフィッシュの中にはここにある何倍もの量があった。
しかし恩恵の宝玉は壊れ易く、トラップフィッシュの中にあった物は殆どが割れていたりヒビが入っていたりしていた。
ほんの少しだけカケている恩恵の宝玉があり、これくらいならば使えるのではないかと調査の魔眼を使ったが、恩恵の宝玉とは表示されなかった。
完全な球体の状態でなければ魔法道具として機能しない物だったのだ。
「お、一つ目から当たりっぽいな。」
櫓が一番最初に手に取った恩恵の宝玉に入っていたスキルは威圧。
「使用者の魔力量が相手より多ければ多い程、相手の恐怖心を刺激したり戦意を挫いたりする事が出来るか。」
威圧は大多数に対して効果的なスキルである。
魔力量が少ない者であれば、威圧のスキルを受けただけで気絶もする。
一人一人の相手をしなくても一気に大勢を無力化出来る威圧は便利なのだ。
「どの程度の効果かは分からないが、せっかく魔力量が多いチート性能なんだし譲って貰えるか頼むとするか。」
櫓がこの世界に来る前に女神に身体を弄られ、その時に常人よりも遥かに魔力量が多い様になってしまった。
魔力は多くて困る事は無いのでその点だけは感謝していた。
威圧の恩恵の宝玉をボックスリングの中にしまう。
恩恵の宝玉に関しては使えそうな物を分けて、後で話し合って誰が使用するか決める事にしていた。
それから残りの恩恵の宝玉を調べていくが覚えたいと思える程の物は無かった。
「三十個視て当たりは威圧だけか。運が良いのか悪いのか分からないな。てか鑑定と耐性のスキルが多過ぎる、ハズレって事か?」
三十個ある中で、鑑定が七個、斬撃耐性や打撃耐性などの耐性系スキルが十一個で合わせて半分以上を占めている。
ロジックのオークションやダンジョンに入る所の店売りなどでも売られていたので、出やすいのだろう。
少し期待していたのだが耐性系のスキルの中にはミズナが取得している全攻撃耐性の恩恵の宝玉は無かった。
全攻撃耐性のスキルは全ての耐性スキルを合わせた効果を持っている。
出来ればこのスキルは全員に付けておきたいと櫓は考えていたのだが、そう上手くはいかない。
スキルは進化するので、斬撃や打撃などの耐性のスキルを使っておけば、全攻撃耐性のスキルになる可能性もあるのだが、いつ進化するかも分からないので使う気にはなれない。
「威圧以外は売却か。いや、拠点にいる者達に渡した方が良いか。」
耐性のスキルは使い道が薄いかもしれないが、商会の従業員をやっているのだから日常的に使える鑑定のスキルは重宝する筈だ。
ロジックの周辺にはダンジョンが無いので、恩恵の宝玉が売られる事もマギカルよりは少ない。
拠点に送る用と売却用で分けてボックスリングに収納しておく。
「あ、全部仕分け終わってたんですね。」
櫓が一段落したなと思っているとネオンが話しかけてきた。
「一応はな。そっちの成果はどうだった?」
「恩恵の宝玉が十個程でしょうか?後は比較的軽いアクセサリーが入ってますけど、一つ分限界まで入ったので一度戻ってきました。」
ネオンはそう言いながら腕に嵌めていた腕輪を取り外し櫓に渡す。
これは櫓が作ったボックスリングだ。
便利なので全員分作りたいなと思っていたのだが、素材に品質の良い魔石が沢山必要で作れていなかった。
しかしダンジョンで大量に倒したリビングアーマーから鎧だけでなく、中々上質な魔石も取れた為作る事が出来たのだ。
しかし櫓が付けている女神が作ったチート性能のボックスリングには遥かに劣り、入れられる数量が決まっている。
それでも総重量百キロ程まで入るので、便利な事に変わりはない。
「また行くのか?」
「そうですね、もう少しだけやって来ようかと思います。」
「じゃあこれ新しいやつな。それと恩恵の宝玉以外はあまり拾わなくて良いぞ、素材さえあれば俺が作る事も出来るし。あとそろそろ切り上げて戻って来いって二人に会ったら言っといてくれ。」
「了解しました。」
ネオンは櫓から新しいボックスリングを受け取ると走り去って行った。
櫓はネオンから受け取ったボックスリングに入っている物を視て皆を待つ事にした。
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