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うっかり女神に邪神討伐頼まれた  作者: 神楽坂 佑
1章 異世界転生
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143話 辛い事も分かち合おう

「恩恵の宝玉ではないですか!?」

「トラップフィッシュの中にあったのか?」

「そうなんです、宝箱が幾つか転がっていて、中身が壊れたり溶けたりしていないのはこれだけだったんですけど。」

「何故魔物の中に宝箱があったのでしょう?」

「トラップフィッシュは九階層に居る魔物も食っているみたいだったから、あの巨大な口で魔物を飲み込むときに近場の宝箱ごと飲み込んだんじゃないか?」


ネオンがトラップフィッシュに飲み込まれる時も相当な範囲に口を広げていた。

対象以外にも様々な物を飲み込んでいるのだろう。


「ところでこれは当たりでしたか?」

「鑑定と斬撃耐性Lv一だな。」


調査の魔眼で確認してから伝える。


「なんとも言えませんわね。」


使わないにしてもスキルを得られる恩恵の宝玉は高額で取引されるのでボックスリングにしまっておく。


「斬撃耐性Lv一ならば使っても損は無いんじゃないですか?」

「うーん、覚えても良いんだがスキルの覚えられる数に上限とかがあった時に後悔したくないんだよな。」


ゲームなどで良くある設定がこの世界にも適応されている可能性はある。

恩恵の宝玉さえあれば幾らでも所持スキルを増やす事が出来るのだが、この世界に来てから調査の魔眼で大勢の人を視てきて、スキルを何十個も所持している者を見た事が無い。

その為一定数スキルを取得すると制限が掛かるのではないかと、一応所持スキル数上限に関する事は調べたのだが、全く情報が得られなかった。

なのでネオンが取得した身体強化の様な使い勝手の良い今後腐る事の無いスキルのみを覚えていって様子見をしたかったのだ。


「スキルの所持数に関する事は私も聞いた事はありませんわね。しかしあるとするならば、しっかり選んで決めたいですわ。」

「私の身体強化はあっさり取っちゃいましたけど良かったんでしょうか?」

「身体強化は有用なスキルだし問題無い。それにネオンは狐火しかスキルを持っていないしな。」

「それなら良かったです。」


スキル所持数は櫓とミズナが三つ、シルヴィーが二つ、ネオンが一つだ。

スキルは多ければ多い程戦闘の幅も広がって行くので、ネオンの戦闘力を上げる意味でも有用なスキルは幾つか覚えさせたかった。


「取り敢えずネオンのおかげでトラップフィッシュが宝箱を溜め込んでいると分かったし、見つけたそばから倒していくか。」

「ここから二つ宝箱が見えてますけど、どちらかトラップフィッシュですか?」


調査の魔眼で二つを視るとどちらもトラップフィッシュの表示であった。


「どっちもだな。」

「これって食べられる以外に地面から出す方法あるんでしょうか?」


ネオンは触覚が擬態した宝箱に触れた瞬間に大口に飲み込まれてしまった。

あの範囲から瞬時に逃れるのは獣人のネオンでも厳しく、おそらくはシルヴィーでも全力を出してギリギリと言ったところだ。


「攻撃すれば出てくるんじゃ無いか?」


櫓は触覚が擬態した宝箱の有る地面に雷帝のスキルで雷を飛ばす。

地面が爆散して軽く穴が開くがトラップフィッシュは相当深く潜っている様で姿は見えない。


「出て来ませんわね。」

「宝箱を攻撃するのはどうですか?」


ネオンの言う通りに宝箱に雷を放つ。

当たると触覚は吹き飛び、地面が少し揺れたがトラップフィッシュは出て来ない。


「今の揺れで出て来ると思ったんですけどね。」


さっきの揺れは何だったのかと透視の魔眼で地面の中を視てみると、全身血塗れで死んでいるトラップフィッシュが居た。


「え?」


状況が飲み込めず変な声が漏れてしまう。


「どうしたんですか?」

「透視の魔眼で地面の中を視てみたんだが、トラップフィッシュが死んでしまっている。」

「今の攻撃で死んだって事ですか。揺れが起こったと言う事は、二回目の攻撃が致命傷だったって事ですよね?」

「つまり触覚を壊してしまえば絶命すると言う事になりますわね。」


魔物の図鑑などを結構読み漁ってはいたが、トラップフィッシュは初めて見る魔物だった。

その為触覚が命を落とす原因になるなど知るはずも無い。


「このトラップフィッシュの中を確認するには掘り起こさないといけないと言う事になるか。」

「ボックスリングに入れ再び地面の上で出す事は出来ませんの?」

「残念ながら大き過ぎる物は無理なんだ。」


前に家を購入してボックスリングの中に入れておけば、旅の最中何処でも取り出して使えるのではと考え試したのだがボックスリングの中に収納する事が出来なかった。

入れれる大きさは普段櫓達が使っている馬車程の大きさまでだったのだ。


「地中から出すには一度飲み込まれるしか無いみたいですね。」

「だが恩恵の宝玉が大量に手に入るならやらない手は無いな。特に危険も無さそうだし。」

「はぁ〜、魔物の中に入るなんて気が引けますわ。」


綺麗好きなシルヴィーからしたら遠慮したい事なのだろう。


「直ぐに消化される訳でも無いんですから大丈夫ですよ、少し臭いはキツかったですけど。」

「・・三人も居れば充分ですわよね?」


ネオンの話を聞いてより一層やりたくなくなったシルヴィーは三人を見回して尋ねる。


「さあ四人でやった方が効率も良いし、手分けして頑張るぞ。」

「良い恩恵の宝玉が見つかると良いですね。」

「スキル名料理の達人があったらミズナの物・・・。」


シルヴィーの言葉をスルーして三人はそれぞれ宝箱を目指して散っていく。


「皆さん聞いていませんわね!終わったら一番にお風呂いただきますわよ!」


シルヴィーも終わったら速攻風呂に入ることを宣言して、観念しながら宝箱に向かって行った。

閲覧ありがとうございます。

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