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うっかり女神に邪神討伐頼まれた  作者: 神楽坂 佑
1章 異世界転生
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137話 地下に平原

「大丈夫そうか?」


倒れた二人を解放している女性陣に話し掛ける。


「ポーションで傷は塞がりましたから、命に危険は無さそうですよ。」

「あの、本当にありがとうございました。」


櫓が助けた女性が頭を下げてくる。


「気にしないでくれ。それよりなんでBランクの魔物が五階層にいるんだ?」


五階層に来るまで相手にしていた魔物はEランク以下の魔物ばかりであった。

それがいきなりBランクに跳ね上がったりするのかと疑問に思ったのだ。


「私達がトラップに引っ掛かったんだと思います。宝箱を開けた時にリビングアーマーが現れたので。」

「なるほどトラップか。」


櫓達は未だダンジョンでトラップに遭遇してはいない。

そう言うのが有ると言う事も知らなかったので、自分達の時も気を付けなければならない。


「しかし間に合って良かったですわ。」

「ネオンの五感の鋭さのおかげだな。」


櫓の言葉を聞きネオンは得意げにしている。


「あの、助けていただいてばかりで申し訳ないのですが、二人が目を覚ますまで一緒にいていただけないでしょうか?一人で守り切れる自信が無くて。」

「そのくらいお安い御用ですわ。」

「ありがとうございます。」


三十分程雑談をしていると意識を失っていた二人が目を覚ます。

そして三人から是非お礼をしたいと言われ、自己満足で助けただけだからと断ったが、せめてポーション代くらいは払わせて欲しいと言われたのでその分だけ受け取った。

三人は今日は引き上げると言ってそのまま地上を目指して引き返して行った。


「俺達は引き続き下を目指すか。」


そのまま五階層から更に下に降って行き、七階層に到着した頃にミズナに服を引っ張られる。


「どうした?」

「ご飯の時間・・・。」


ミズナの腹時計は正確だ。

ダンジョンの中で時間は分からないが、いつもご飯を食べている十九時頃になったのだろう。


「今日はここまでにするか。」


櫓達は通路の行き止まりを探して、そこにボックスリングから取り出した馬車を置く。

普通のダンジョン探索者達ならば、地面の上で寝泊りして保存食を食べる事になる。

しかし櫓達にはボックスリングがあるのでその様な事をする必要はない。

自動障壁を展開する機能が馬車に付いているので、見張りも必要ないため各々好きな事をして夜の時間は過ごす。

翌朝になり朝食を食べたら早速探索を再開する。


「お!少し開けた場所に出たな。」


今まで迷路の様な作りの通路ばかりだったのだが、八階層に降りる直前に開けた空間があった。

四人全員が空間に足を踏み入れると、奥と背後にある通路が土の壁で完全に封鎖されてしまった。


「罠ですかね?」

「ここを通らなければ八階層に行けないのですから、どのみちですわね。」


シルヴィーの言う通り八階層に降りる階段に続くルートはこの道しかない。


「何か出る・・・。」


目の前に大きな魔法陣が現れ、その中から魔物が次々と召喚される。


「デカいな、ゴーレムか?」

「ロックゴーレムですわね。Cランクの魔物ですわ。」


身体がゴツゴツとした岩で構築されており、五メートル程の大きさのロックゴーレムが四体召喚される。

Cランクの魔物であれば、このパーティーで苦戦する者はいないが、ロックゴーレムは硬くて武器による攻撃が通りにくい事で知られている。

剣や弓などを使って戦う者には厳しい相手なのだ。


「四体だし一人一体だな。」


櫓が言うとそれぞれがロックゴーレムに狙いを定める。

ロックゴーレム達が襲い掛かってくると同時に櫓達も動く。


「破脚!」

「天剣七式・文月!」

「槍連弾!」

「水鉄砲・・・!」


櫓の魔装した回し蹴りにより一体のロックゴーレムがバラバラに砕け散り動かなくなる。

ネオンが炎を纏わせた剣をから竹割りにロックゴーレムに振り下ろし、真っ二つに焼き切れる。

シルヴィーは魔装した槍の高速連続突きを放ち、硬いロックゴーレムの身体を穴だらけにしている。

ミズナは魔石とは別にあるゴーレムの核となる部分を正確に打ち抜き、ロックゴーレムは活動を停止させる。

四体のロックゴーレム達はどれも瞬殺され、奥と背後の閉じられた通路が解放される。


「よかった、倒せば開く仕掛けだったんですね。」


この世界にはゲームなど存在しないので、先程の様な状況は全て罠に思えてしまうのも仕方がない。


「これで八階層に行けるな。」


そのまま通路を進み八階層に降りる階段を進んでいく。


「おお、今までと随分違うな。」

「わあ、地下なのに凄いですね。」

「どう言った原理なのでしょう?」


八階層に到着すると今までの様な迷路ではなく、一面に草原が広がっている一つの巨大な開けた空間だった。

天井は石や土で出来ているが、何かの光源が有るらしく、空間全体は地下と思えない程明るい。


「こう言った空間も有るのか、ただの地下に続く建造物って訳でも無いんだな。」


ダンジョンは謎に包まれており、中の構造もダンジョンによって違う。

地図で分かるのは八階層までの情報なので、ここから本格的なダンジョン探索が始まる。

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