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うっかり女神に邪神討伐頼まれた  作者: 神楽坂 佑
1章 異世界転生
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135話 恩恵の宝玉を求めて

「ここか。」

「そうみたいですね。」


櫓達の前には遺跡の入り口の様な物がある。

トーナメント戦の優勝商品で恩恵の宝玉を貰った櫓は、司会者に出資元を尋ねた。

恩恵の宝玉の入手方法は二つ。

一つはダンジョンの宝箱などから発見される場合。

もう一つは櫓の様に魔法道具として作成する場合だ。

しかし後者は希少な素材を多く使うため、一つ作るだけでもかなりの出費となる。

その為あれだけの恩恵の宝玉を商品としてくれたと言う事は、近くにダンジョンが有るのではないかと櫓は考えた。

予想通り魔法都市マギカルの近くには最近見つかったばかりのダンジョンが存在した。

トーナメント戦の翌日に早速櫓達はダンジョンを訪れてきていた。


「有用な恩恵の宝玉が手に入ると有り難いんだがな。」


優勝商品として受け取った恩恵の宝玉は、剣士や武闘家などのこれから進化する初級戦闘職のスキルばかりであった。

剣や拳で戦う者には多少の補正が掛かるが、今のパーティーメンバーの者達にとっては微々たるものばかりで、旅ではあまり役立た無いと判断して使わなかった。

なのでこれは全てロジックにある拠点に居る者達に護身用のスキルとして渡す事にした。

そして自分達の戦力となるスキルを手に入れる為に、ダンジョンに恩恵の宝玉を探しに来ていたのだ。


「ダンジョンを見るのは初めてですわ。」


城塞都市ロジックの周辺にダンジョンは無い為、シルヴィーは興味深げにダンジョンの入り口を見ている。


「お店も結構でてるんですね。」


ダンジョンの近くには複数の店が有る。

ダンジョンに挑む者の為の武器防具やポーションなどを売っている店や、ダンジョンから持ち出された魔法道具などを売買している店などだ。

恩恵の宝玉を扱っている店も見える。


「あの中に有用な恩恵の宝玉は有りませんの?」

「どれも外れだな、そもそも使えそうな恩恵の宝玉なら手に入れた者達が使うだろうしな。」


売りに出された物は自分達に必要なかったり、覚えるよりも金に変えた方が良いと判断された物ばかりで、高ランク冒険者達が求める物は少ない。


「地図だけは買っていきますか?」


ダンジョンは複雑な作りになっている為、マッピング用のスキルや魔法を持っている者が作った地図がそれなりの値段で売買されている。

深い階層に潜る程敵も強くなるが手に入る物も良くなっていく。

このダンジョンは発見されてから二ヶ月経っていて、一番深く潜った者達で八階層だと聞いた。


「そうだな、より深く潜った方が得られる物は多そうだ。」


櫓は地図が売られている店に向かう。


「ダンジョンの地図を購入したい。」

「あいよ、何階層までの地図が欲しいんだ?」

「八階層までの地図を頼む。」


それを聞いて店員は櫓達の事を見回す。


「兄ちゃん、八階層は現状の最新階層だ。出てくる魔物もCランク以上とかなり手強いらしい。それでもいいのかい?」


この店員はコロシアムでの戦いを観ていなかったのだろう。

男一人と女の子三人のパーティーで、唯一の男も見た目からは強そうには見えないので心配されたのだ。


「これでも冒険者として活動してきてるからな、引き際くらいは分かっているつもりだ。」

「そうかい、無理はしないようにな。命有っての物種だ。」


店員は後ろにある箱の中から細長い木箱を取り出して櫓の前に置く。


「これが八階層までの地図で、金貨八枚になる。」

「随分と高いんですね。」


地図の相場は分からないが、金貨八枚となるとそこそこ良い宿の三ヶ月分程の宿泊代と同等だ。


「これぐらいが相場なんだよ嬢ちゃん。魔物が蔓延るダンジョンで危険を冒してまで作った地図なんだ。それなりの値段にならなければ誰も作りはしないさ。」


店員の言う通りスキルや魔法で地図をダンジョン内で作成する時に、作成している者はほぼ無防備に晒されてしまう。

常にその者を守る護衛などが居なければならず、地図を作るのにも人件費が必要となって来るのだろう。


「そうなんですね、すみません相場が分からなかったもので。」

「気にしないでくれ、それで買うのかい兄ちゃん?」

「ああ、買わせてもらう。」


櫓はボックスリングの中から取り出した金袋から金貨を八枚カウンターに置く。


「確かに、地図は高価だから無くさないようにな。たまに他人の地図を奪おうとする輩も居るらしいから気を付けてくれ。」

「そいつらは捕まったりしないのか?」

「俺はダンジョンに潜らないから知らないが、ダンジョンの中に住んで盗賊みたいな事をしている輩が居るって聞いたぜ。中を知り尽くしている輩相手だと捕まえる事も出来ないんだろうよ。」

「なるほどな、捕まえたら犯罪奴隷として売る事は出来るのか?」

「あっちに奴隷商人も店を構えているから、そこでなら引き取ってくれると思うぜ。」


店員が指差した方向ではダンジョンの護衛として屈強な奴隷を貸し出している奴隷商店があった。


「色々情報助かった、良さげな魔法道具が見つかったらこの店に売らせてもらう。」

「ああ、待ってるぜ。」


店員に礼を述べてから四人はダンジョンの入り口を降って行った。

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