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うっかり女神に邪神討伐頼まれた  作者: 神楽坂 佑
1章 異世界転生
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120話 素材の宝庫

街に来てから一週間が経過して、全員しっかり休息を取れたので再び魔法都市マギカルを目指して櫓達は旅立った。

知り合いになった希望の光の二人は別方向に行くと言う事で街で別れた。

別れ際にメリーが「次に会う時はもっと魅力的なパーティーになってるわよ、覚悟しておきなさい!」と言っており、櫓の事を諦めるつもりは無い様だ。

藍からは目的地までの地図を貰い、オススメのルートを教えてもらった。

魔物が出ない安全なルートでは無く、その逆の魔物との遭遇率が高いルートだった。

実力を鍛えながら魔法道具作成の素材を大量に手に入り一石二鳥だと言われたので、その道を通って行く事にした。

櫓達のパーティーは今まで魔物との戦闘よりも対人戦の方が多く、魔王と戦う前に慣れておこうと話し合った結果だ。

そして現在はオーガの群れに囲まれて戦闘中であった。

櫓はランクアップ試験の時に既に戦闘は経験していたが、スキルが無いとは言え四メートルほどの巨体が複数いると威圧感がある。


「グオオオオ!?」

「おっと。」


振り下ろされた巨大な拳を見切って躱す。

躱された拳は地面に突き刺さり小さなクレーターを作る。

攻撃を躱され隙の出来たオーガの顔の位置まで高くジャンプする。


「身体的な能力は高いけどスキル無しは倒しやすいな。」


空中で霊刀を一閃して着地する。

オーガの首が身体からズレて、身体諸共地面に崩れ落ちた。


「他も終わってるな。」


辺りを見回すと他の三人もオーガとの戦闘は既に終えていた。

シルヴィーとミズナは出会った時点で、既にオーガに苦戦する様な実力では無かったが、ネオンはそうでは無かった。

しかしあれから毎日鍛えて来たため、Bランクのオーガも倒せている。

まだ複数相手にするのはキツい様だが、一対一なら負ける事は無いだろう。


「訓練にはなりますけれど、目的地に中々辿り着けませんわね。」


魔物との遭遇率が異常に高く進行速度が遅い。

特に今の所は苦戦する様な相手も出て来てないので問題無いが、魔王と戦う前に疲弊しては本末転倒である。


「今どのくらい来てるんだ?」

「魔物と遭遇しないのであれば、一日で着ける距離ですわね。」


地図を見ながらシルヴィーが説明してくれる。


「俺も御者台に乗って雷帝のスキルで向かってくる奴ら全員潰していくってのはどうだ?」

「それなら明日には魔法都市に着けますわね。」

「うわぁ!?敵です皆さん!?」


素材の回収を行なっていたネオンが声を上げる。

新たに三体のオーガが森の中から現れた。


「水城壁・・・!」


ミズナがいきなりの事で戦う準備が出来ていないネオンのために水の壁を貼って守る。

オーガ達が拳を叩きつけているが、櫓の攻撃でさえ壊れないミズナの作った壁を壊せるはずもない。


「すみませんミズナ様、もう大丈夫です。」


ネオンは居合い抜きの様に構え、スキルで剣に炎を纏わせる。

ネオンの合図でミズナがスキルを解除すると、三体のオーガが一番近場にいるネオンに一斉に襲い掛かる。


「天剣十一式・霜月!」


技の完成度はまだまだだが形にはなってきている。

高速で抜き放たれた剣による炎の斬撃が三体のオーガの胴体を纏めて焼き切る。

それだけでは威力が収まらず、後ろにある木々も何本か焼き切れて、ドオーンと音を立てながら倒れている。


「ふぅビックリしました。」

「ネオン油断しない・・・。」

「素材回収に夢中になってまして、面目ありません。」


ネオンの事を叱っている様に見えるが、守って活躍出来た事を櫓にアピールしているだけだ。

活躍した代わりに沢山ご飯を作ってもらおうとしているのだ。


「なんかオーガの数が多くないか?」

「言われてみればそうですわね。これで五回目でしょうか?」


他にも様々な魔物が出て来てはいるが、オーガの遭遇率が高い。


「何かオーガが大量発生する原因があるか?」

「まさか魔王ですの?」

「可能性が無い訳じゃないよな。」


魔物の発生条件は二つある。

一つは魔力の多い地帯で自然発生する場合。

そしてもう一つが魔王によって生み出される場合だ。

魔王は普通の魔物と比べて遥かに多い魔力を持っている。

そのため魔力の多い地帯を自分で作り出す事が出来るのだ。

そうして配下となる魔物を生み出す事が出来る。

櫓が前に倒したリザードマンの魔王アギトの住処には大量のリザードマンが居た。

配下となる魔物は魔王と同じ種類、もしくは特徴を受け継いでいる者が多いのかもしれない。

そのためオーガの魔王がこの辺りにいて、オーガを生み出している可能性があると櫓は考えた。


「この辺りを少し調べてみるってのもありだな。」

「しかし誰かが残らなければ馬は簡単に殺されてしまいますわよ?」


魔物が多い場所なので木に縛って置いておけば格好の餌食だろう。


「一人で探索は実力的にネオンには厳しい。なので倒した魔物の解体をして待っててもらい、馬とネオンの護衛にミズナを残して行くってのはどうだ?」

「私達ならば一人でも問題無いでしょうし、良いかもしれませんわね。」

「だが無理はするなよ、勝てないと判断したら直ぐに逃げて合流だ。」

「分かっていますわ。引き際を弁えていなければ今頃生きてはいませんもの。」

「それもそうか、おーい二人ともちょっと来てくれ。」


ネオンとミズナを呼び、話し合った事を伝える。

ネオンは自分の実力を理解しているので我儘を言ったりせずに了承してくれた。

ミズナも残ってくれる事になったが、当然の様にツマミの料理を要求された。

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