美しきかな、世界
今後、連続小説化を希望しています。
面白いと思ったら是非、そちらも見てみてね。
こんな世界、ある程度のことして楽しめていればそれでいいと思っていた。
あの時までは。
いたって普通。並大抵の生活を送る日々。地元高校に入学し、そのまま卒業するはずだった。そこそこの給料が貰える仕事につけるはずだった。ただひとつ、母親が死に、父親が行方不明なこと以外はなにも変わりはない高校生だ。
両親がいなくたって、別に困ったことなんてなにもない。いじめにも遭わなかったし、学校にもかわりなく通えた。でも、家庭というのは羨ましかった。叱られたり、家族で旅行したり、美味しいもの食べたり、家族に愛されたり。夢見ることもあった。理想の家族を。楽しい家族旅行を。
そんな中、今から3年前にやって来たのが成瀬兄ちゃんだ。成瀬兄ちゃんは、新しくここで働くことになった20歳だ。以前、大学にいかないの?と聞いたら、「僕はたくさんの子と思い出を作ることの方が好きなんだ」と言っていた。
僕は成瀬兄ちゃんと、一緒に今までの時間を取り戻した。2人で食事もした。旅行にもいった。隣の県だけど。それでも楽しかった。いつしか僕達は家族みたいな関係になっていた。
それでも·······、それでも、家族は羨ましかった。
いかがでしたか。
まだまだ続きます。