宣言
今日はかなり短いです(^_^;)
リンと別れてから数日。
さすがにメソメソ泣くこともなくなったミルアだか、口数は少なくなっていた。
「・・・お前、いい加減その辛気くさい顔やめろよ」
「・・・コウキだって、ずっと怖い顔してる」
モンスターと戦うときの剣さばきも、今までにない程荒っぽくなっていることにミルアは気付いていた。
あんなに賑やかで楽しかった旅路がうそのようだ。
「・・・リン・・・一人でどうしてるかな・・・」
同じく首都を目指しているのは変わりないのだから、同じ道をたどっているはずだが、その後は一度もリンの姿を見かけることはなかった。
ミルアの口から出た名前にコウキはムッとする。
「うるせ。それより、食料の調達だ」
川を見つけたコウキは立ち止まった。
一時間後。
「・・・全っ然釣れないな・・・」
コウキと並んでお手製の釣竿を水面に垂らしたミルアはポツリと呟いた。
更に一時間後。
「・・・全っっっ然、釣れないな・・・」
「・・・・」
「・・・やっぱり、リンがいないと・・・」
ボソボソと呟くミルアに、とうとうコウキは釣竿を投げ捨てて怒鳴った。
「しつこいぞミルア!いない奴のこといつまでも言ってんじゃねぇ!」
怒鳴られて一瞬びくりとしたミルアだったが、負けじと怒鳴り返した。
「だいたい、コウキが短気過ぎたんだっ!もう少し話を聞いてやれば良かったのにっ!!」
「あっちが話す気無かったんだからしょうがねぇだろ!?」
「絶っ対に私たちを巻き込まない為のうそだっ!リンはそういう奴だっ!」
「知ったこっちゃねぇっ!どんな理由だろうが、一人になることを選んだのは本人だろ!?お前だって、自分で決めて今ここにいるんだろうが!!」
ぐっとミルアは言葉に詰まった。
(・・・そうだ。私にもやらなくちゃいけないことが・・・)
何のために危険を冒してまで、ここまで来たのか。
「・・・コウキ。私も、まだお前に話してないことがたくさんある・・・」
急におとなしくなったミルアに、コウキは目を瞬いた。
「あ?・・・ああ、そうだな」
ハッキリ言って、名前と、首都に行きたいということ以外知らないのはリンと同じだった。
ミルアは、こぶしを握ってコウキを見上げた。
「・・・まだ、話せないことはたくさんあるんだ。それでも、一緒に来てくれるか?」
思い詰めた目で見詰めてくるミルアは、散々思い悩んだようだった。
コウキを大事な仲間だと思っているが、事情があって話せないのだと容易に伝わった。
それでも、一緒にいてくれることを望んだミルアの頭に、コウキはポンと手を乗せた。
「それくらい素直に言えりゃ上等だ。心配すんな。俺はお前に雇われた護衛だ。ちゃんと行きたい所まで送ってくさ。・・・あの意地っ張りもお前くらい素直だったらな・・・」
「え・・・?」
最後の小さな呟きが聞き取れず、コウキの手を頭に乗せたままミルアは顔を上げた。
「ん?なんでもねぇよ。それよりメシどうする?魚諦めるか?」
「・・・・コウキっ!!」
放り投げた釣竿はどこへやったかなと川岸をながめたコウキの背中にミルアは怒鳴った。
「なんだよ?」
振り向いたコウキに、ミルアはビシっと指を突き付けた。
「私は必ず目的を果たしてみせる!!だから、見てろよっ!!」
まるでケンカを売られているような宣言に目を丸くした後、コウキは笑った。
「わかったよ。しっかり見届けてやるから」
その笑顔に、ミルアは腕を組んでエヘンと胸を反らして満足げに微笑んだ。
次回からは、コウキ&ミルアの二人旅、いよいよ首都に着きます。




