表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/3

新宿

 <第1話>


 私は新宿東口でひとりでウィンドショッピングをしていた。

 アルタや丸井、高島屋などを見ては、街角の小さなショップ等も見て、楽しんでいた。

 すると、「さくらや」の近くでいきなり男が声をかけてきた。

 「ねえ、ねえ。君、かわいいね」

 馴れ馴れしいので、無視をしていたが、

 「どこの店で働いているの?」

 と続ける。古めかしい野球帽をかぶり、サングラスをかけて、肌が不自然に日焼けしていた。

 服装はラフな格好で、ジーパンに白のポロシャツだった。

 ナンパかと思って、無視しようと思っていると、その男は、何かをわざと落した。思わず目が行ってしまったが、それはピンクのハンカチだった。

 「あ、あれ、ハンカチがどこかに。。。。」

 わざとらしい演技だったが、そのパフォーマンスがキモ可愛い感じだった。

 思わず笑ってしまった。

 「あ、笑ったな。じゃあ、僕の話を聞いてもらおうかな。そうじゃないと、かっこわるくて、この街を歩けないよ。僕は一生、笑い者だ」

 と言ってシュンとしていた。

 私はそのシュンとした姿を本気とは思わなかったが、可愛く見えた。

 私よりは確実に年上だろう。おそらく一回りくらいちがうはずだ。

 でも、そのやけに可愛い感じが、親近感を与えくれた。

 「じゃあ、話を聞くくらいなら」

 そう私は答えた。

 「僕、こういうものです」

 差し出した名刺には、「伊藤さとし」とあった。

 会社名は「ハートフルライフ」。

 わざとらしい名前だった。

 おそらく、流れからいって、どこかのキャバクラか、風俗店のスカウトマンだろうな、って思った。

 「ちょっとだけお茶しない?」

 話を聞くと言った手前、断れなかった。

 「まあ、お茶くらいなら」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ