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君だけを

作者: 昼月キオリ


〜登場人物〜

(かい)(24)

(しん)(24)

夏菜子(かなこ)(24)

葉奈(はな)(24)

 

三人は大学時代の友人だ。



 

葉奈「海、あんた、浮気してるでしょ?

私見たんだから。

あんたが女と仲良さそうに歩いてるところ。」


公園に呼び出されたかと思えば、

開口一番に彼女の友人"葉奈"(はな)が叫んだ。

仁王立ちのまま、僕を指差して息を切らしている。

相変わらず、ヒステリックな女だ。


海「あれは道を教えてただけだ。」


葉奈「嘘よ、抱き合ってたじゃないの!」


海「貧血で倒れそうになっていたから庇っただけだ。

ちゃんと病院にも連れて行ったさ。」


葉奈「そんな嘘、誰が信じるって言うのよ?ねぇ夏菜子」


葉奈はこれでも結婚している。

よく深(旦那)も理解してるな、と毎度のことながら思う。

上手く受け流しているようだが・・・。

いつもヘニャヘニャ笑ってるあいつじゃなきゃ葉奈の相手は到底無理だろうな。


夏菜子「いいのよ、葉奈。彼がああ言っているんだもの。それに、例えそうだとしても許容してるから。」


葉奈「あのね夏菜子、あなたの許容って言うのは我慢してるだけなの。夏菜子がまた辛い思いするなんて嫌よ私。」


夏菜子「葉奈、ありがとう、でも私なら大丈夫・・・」


夏菜子の言葉にさすがに黙っていられなくなった海斗が

口を開いた。


海「あのさ、これだけは言わせてくれないか?」


葉奈「何よ!」


キッと葉奈がこちらを睨む。

だが、やましいことなど一つもしていない海は少しも動揺する気配はない。


海「僕は夏菜子が好きだし大事だ。浮気なんかしないよ。」


葉奈「今は好きとか大事とか関係ないの!

彼女のこと好きでも体だけなパターンなんていっくらでもあるんだからね!」


わーわー言うタイプの割にこういうところはちゃんと感が鋭いらしい。女の感というやつか。


海「いや、関係あるね。正直に言うけど僕は。」


その言葉に、何かを決心したように夏菜子が服の裾を掴む。

葉奈は以前として夏菜子の前に仁王立ちで立っている。

そんな葉奈を無視して夏菜子に話しかける。


海「本当は君とずっと一緒にいたいんだ。

分かるかい?ずっとだ。365日24時間だよ。

他の人と会う時間があるのなら僕は君とずっと一緒にいたいね。」


夏菜子「ずっと・・・?」


夏菜子が俯いたまま呟く。


その言葉に逆上していた葉奈の動きがピタリと止まる。

そしてすぐにヤバそうな雰囲気を感じ取ったのか

怒りより恐怖が優ったようだ。

先程までの威勢の良い態度がガラッと変わった。

 

葉奈「ちょっ、ちょっと夏菜子ぉ、浮気よりヤバくない?365日24時間って・・・」


海「それが物理的に無理なことくらい僕だって分かっているさ。

これでも我慢してるんだ。」


夏菜子「そんなに一緒にいたいの?」


海「ああ」


夏菜子「そう・・・それなら私たち結婚しましょう。」


葉奈「ちょっ、何でそうなるの!?」


夏菜子「だって、そうすれば少なくとも今より一緒にいられるわ。」


葉奈「それはそうかもしれないけどぉ・・・」


夏菜子「私、本当はもっと一緒にいたかったの。」


明らかにいつもの夏菜子の目ではない。

怪しげな光が彼女の瞳に揺らいでいる。


葉奈「夏菜子がおかしくなった!!」


海「本当に?本当にこの僕と結婚してくれるのかいハニー」


夏菜子「ええ、ずっと一緒にいましょうダーリン」


ひしっと二人が抱き合う。


葉奈「な、何で!?これ私が変なの!?これじゃまるで私が悪者みたいじゃない!!」


二人が一旦身体を離して葉奈をじ〜っと見る。


葉奈「もう!分かった!分かったわよ!

夏菜子がそれで良いんなら私はもう何も言わないわ!」


夏菜子「ありがとう葉奈!」


ぎゅっと夏菜子が葉奈を抱き締める。


夏菜子「あなたが私のこと、本気で心配してくれてるのちゃんと伝わっているから。」


葉奈がため息を吐いてポンポンと夏菜子の背中を軽く叩く。

これではどちらが慰さめてるのか慰さめられているのか分からない。


葉奈はボロボロになりながら手を振り、二人の背中を見送った。

そして、河原の道を歩きながら夕陽に向かって叫んだ。

 

葉奈「何でだー!!」


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