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9 夢と欲望の狭間

「おいおいなんか俺たち、注目の的ってやつか?」


 うるさい。注目の的ってか、的の中に紛れてる一般人Aである三上さんだぞ。


「魔五斗様、本日のカリキュラムですが・・・」


 秘書レベルで僕の授業登録まで終えてしまっており、芸能人ばりのスケジュール管理と準備力と抜け目がない優秀なメイドさんである。

 その上年上で強く、可憐な肌と美しいショートな髪という、もう少しテコいれすれば文句ない絶世の美女が降臨するであろう。


 また、『()()()()』というダンジョンやモンスター討伐、悪人の削除(デリート)など国が設立した機関からそういった依頼を数々請け負っている凄腕のシーカーであった。

 そのためアイテムボックスという主婦が喉から手が出るほど欲しいとされる魔道具も当然のように持っている。

 どこかのダンジョンか国から褒章で得たのかいずれかであろう。


 当然僕の私物やらお弁当やら満載である。


「おーー!お前の彼女すごいな!」


「今なんと?」


 ずいっと三上へと急接近し出した沙月、普通ならドキッとして喜ぶ場面であるが今のさっきである。その圧力の強さから最早恐怖しか感じられない。


「あ・・・・・い!えっ!あのっ~~~~・・・・」


「なっんと!」


 沙月の首根っこ捕まえ、注目をこれ以上浴びないようにするためささっと校舎内へ移動していく。

 しかし歩けど歩けどその視線が外れることがない。


「おい、何故こうも注目されるんだ?」


「何バカなこと言ってんだ?」


 まさかの三上に指摘される始末である。いや分かってはいたが、実際三上如きに言われると無性にムカつくと感じた。


 さてお遊びはここまでである。今日からこの学校で正式に学を学び、我が時代の礎とさせていただく。そんな日々が始まる。


「何故いきなり戦闘指南からなんだ?」


「大変申し訳ございません。必修でもあり優先的に受けておくことが1番かと存じまして。」


 沙月が何故か代わりに謝ってくる。それをやられると周りの視線が痛いからやらないで欲しい。割と研究者でインキャなので視線が痛いの痛いのなんの。


「先生は・・・・なんと、鳳凰寺先生であったか。では問題ない。むしろこの時を待っていたというべきであろうか。」


「流石です。魔五斗様。」


「おーい、なんで盛り上がってんの?まだ始まろうとしてるばかりだぞー?」


「何故三上が?」


「何故って・・そんな冷たいこと言うなよ。一応俺だって同じクラスの上、同学年だぞ?」


「まあ、そういうことにしておこう。」


 普通に千条・・・ナギパワーを使い、沙月が登録したであろうカリキュラムを除いたのであろう。

 賢者の力を一個人の力として使うのはどうかと思う。まあ、次元侵攻解決の鍵になると言われればなんでもありなのかもしれない。


 そんな3人は改めて横並びに着席していく。真ん中は当然大神であり、左右に三上と華城が居座っている。そしてその斜めには城戸真凜が着席していく。


「あら?奇遇ね?」


「人はそれを奇遇とは言わず、必然というのだ。」


「なによ・・・嫌な言い方して。」


「事実を言ったまでだよ。」


 フン!と怒られてしまった。まあ感情もなく淡々と返すだけの作業だからか。とにかく割と僕としては美人以外に時間を割くこと、この世を新たに根本から作り直すという使命以外に興味などない。


 大人しく待機すること数分後、レディがやってきた。


「よぉーーーし!今日もビシバシと叩いてやっからなぁー!」


 とてもこの時代に生まれてきた人とは思えないぐらいの肉体理論である。

 美しさもあり、それが霞んでいるまではある。むしろよりその魅力を引き出させている。と言っても過言ではない。自然に構成されたあの綺麗な肌ツヤにスタイルという、神は彼女にいくつもの才能と宝を与えてしまったのであろう。


「・・・・・・」


 なお、隣の沙月は無心である。






























「いいかぁー、そもそも魔法ってのは属性云々の前に使い方、相性、詠唱、場所、時間と様々な要因でその効力や有用性が決まっていく。

 要するにだ、『この魔法だけ使ってれば強え!』ってのは殆ど存在しねえってことだ。殺傷性もその都度発動状況によっては大分変わる。

 粉まみれのところで生活魔法のライターレベルで火おこししてみろ?ボンッ!と爆発すんぜー。」


 鳳凰寺先生の素晴らしいご説明通り、魔法とはその発動過程においてその有用性を示す。

 氷を常に撒き散らしても、冬には需要性が薄い。戦闘であれば攻撃範囲と低温やけど待ったなしで効力が跳ね上がる。


「例外なんてない。とは言いてえが・・・」


 チラッと先生は私を見た。ドキッとしてしまう。なんと美しいことか。


 しかし鳳凰寺はすぐさま視線を切り返す。


「ま、殆どがそうだってことだ。光魔法使ったから勇者で最強って訳でもなく、闇魔法だから需要性が薄いってのもねえ。

 魔法という科学とは別の力を有した時点で、その価値はこの国、いや世界においてかなり高いと言える。

 クソうぜー話、魔力を持っている者とそうではない者・・・少なからず2分割されてる。この世界はな。」


 どこか悲しげそうでもあった。


 この世界は理不尽さをかなり極めている。

 確かに強弱あれど、魔法を身につける。その事自体から市場価値が非常に高く、優遇視される。

 その威力や需要性によっては更に高待遇となる。一般人ですら優劣つけやすい時代な上、ない者は淘汰される。

 魔法、魔力というこの世界の根底が覆ったことで、より深刻な差別化を図られている。


「だから少なくともこの学校へ招かれたテメェらは将来が約束されてるって言っても過言じゃねえ。

 ある意味、胸を張って卒業まで励め。」


 魔法の戦闘指南と聞いてはいたが、その指南とは()()使()()()である。




































「凄くタメになったな。」


「戦闘指南って言うから派手なのかな?って思ったが、案外しょぼかったなぁ・・・」


「何を言っているんだ?素晴らしいではないか。一つ一つにちゃんと深い意味があった。

 実践=証明とは言い難いという、本質を捉えた講義だったな。見事な話につい魅入ってしまった。」


「なんかお前鳳凰寺先生に甘いよな?」


「そんなことはございませんよ。」


 沙月がまたしても三上を間近で詰め寄り、圧迫させる。

 美人にやられるとドキッとしたくなるが、沙月の顔はマジ顔で詰め寄るので、このドキッは冷や汗の意味になる。下手を言えば首を取られると。


「移動するか・・・」


 何か廊下から急接近する光の魔力をキャッチした。


「ちょっとアンタ!」


 城戸真凜である。魔力を隠すと言うテクニックがまだ身につかない僕等一年ズである。

 僕は魔力の消費量節約と特別に編み込んだ魔法式が体内含めて張り巡らしているため、魔力は愚か、気配すらキャッチできない。

 隣の沙月は見事なレベルで魔力の波長をコントロールしている。私の魔改造パワーを完全に扱えるように成長していたのだ。メイド作法だけではなく、一人の魔法師として完成形へと昇華していた。


「何か御用でしょうか?」


「ご、御用ってね!・・・・いいわ・・・アンタ!私と決闘しなさい!」


「そんな中世の世迷言を。丁重にお断りしますよ。」


「はっ!はぁ!アンタね!」


「あまり近づかないでいただいてもよろしいでしょうか?」


 沙月が合間に入り、真凜を敬遠するように通行止めをする。


「なに?アンタ・・・・っ!京太を突き飛ばしたヤツね。」


 なんで沙月だとそんなに警戒を・・・いや残念なことに沙月の実力はこの辺の奴らとは比べ物にならないくらい修練が積まれている。なので、強すぎるという結論になる。

 実践を知る。知識を知る。経験を経る。この世では必要不可欠な要素を既に習得している。なぜこの学校にいるのかは聞くまでもない。


「力量差を見極めるのも大事だぞ?」


「なっ!あ『それはワシもそう思うぞ』」


 彼女の手から例の渋い声こと龍神である。


「な、なんで!?」


「『何故も何もワシが出るほどの相手ではないからじゃ。だが、今回ワシが出るほどのヤツということ。』」


 光の龍神が再び姿を現す。(ミニマムサイズ)


「小さいのは、主である小童の魔力操作のせいだ。」


「なわけ」


「知ってる。無駄な魔力を自然的に垂れ流しまくってるから、しっかりと整った魔力を注ぎ込めてないんだろ。」


「流石だな。」


「貴方たち!なんで私を置いて話を進めてるの!」


「魔五斗様、龍神相手ではございますが、私がお相手してもよろしいでしょうか?」


 沙月は何故か強気である。

 しかし彼女の限界を知らない身からすると、それもハッタリではなく本当の意味で実力差を見極めている人の発言かもしれない。


「ほう・・・そこの小僧とは違い、魔力の質がくっきりと見える。ここまで洗礼されている魔力はなかなか見ないの。」


 僕の魔力?と言えばいいのだろうか、理論で組み立てた身体に流れている血液が正しいのかも。

 まあ魔力自体はほぼ無音状態にしている。魔力量が多いという特筆なことがある訳でもないが、特殊過ぎるが故に管理の徹底を求めているだけである。

 そのため変な話だが、自身の魔力量の適正値を知らない。ただ僕の魔法の本質はそこではない。最適解かつ最効率を求めた、適切的確な魔法の行使というロボットやAIのようなものである。


 それに対して沙月の魔力は僕が勝手に魔改造したとはいえ、度重なる修練と数多の激戦を乗り越えてきた実力派の力そのものを感じ取れる。

 また、彼女からも魔法の深淵を感じ取れる。賢者と匹敵するレベルの可能性もある。


「ワシは別にお主でも構わないぞ。」


「ここは私に。魔五斗様を守護するのもメイドの勤めです。」


 そんなメイドはいない。


「まあ・・・・別にいいけど。」


「別にって!いくらなんでもよ!」


「いやな、多分三上が考えている以上にはならない。」


「へ???」


 未来予知でもないが、確実に積み重ねられた予測演算計算とここら辺にいる人たちのデータ統計の結果から恐らく天満が来る。というよりもう近くにいる。そしてまじまじと物陰からこっそりと眺めている。

 

 だが、なんといっても娘の神器だ。扱えなくしてどうするよ。大賢者なんて夢のまた夢である。


「沙月、なるべく殺さずにな。」


「かしこまりました。魔五斗様の専用メイドの名にかけて。」


 専属契約ってしたかな?契約書とか発行してないけど。

 ただ美人さんを守るのが僕の仕事でもある。が、沙月の実力をギリギリまで分析しないと、己のしでかした事に再把握ができない。


「迷う選択肢だ。」


「では参ります!」


「あっちょ」


 目の前で、しかも校舎内で始まってしまった。

 その衝撃は最も簡単にガラスを粉々に割り、衝撃波は床や天井を崩していく。

 四方八方から飛び出した鎖は標的に大量に降り注ぐ。先が槍の形状になっているため、龍神は避けていく。

 ただ避けた事でより壁や物が損壊していく。


「あらら・・・言ったのに。」


「言ったじゃねーよ!」


「ちょっと!私とアンタの問題だったんじゃないの!?」


「いつから問題?」


 ドゴーン!と怒涛の破壊音が鳴り響く。他の学生は悲鳴を上げて逃げていく。

 そして天満の光による認識阻害を使った屈折から、避難場所の誘導や近づかせないように錯覚を起こして、この場所を独立させていた。その影響か徐々に人だかりは減っていく。


 魔法の恐ろしさは鳳凰寺先生の美しい講座でも話されていたが、使い方とタイミングによる。

 この地味な認識阻害は下手な話、同士討ちや罠、事故を装った殺人などに有効的に活用できる。真の意味で魔法を行使するというのは、そこに深い意味が存在する。


「あの鎖は束ねたり、飛ばしたりと形状も自由なのか。本数はかなり出てるな・・無限?ではないだろうが、それに近い数と見るべきか。

 精度も恐ろしいほど的確か。蛇腹だからこそ結構避けるのもしんどいというところか。大きな剣にもなり、硬い盾ともなる。まさに縦横無尽の使い手だな。」


 ジャラジャラと鎖が空中や地面から飛び交う様と龍神が放つ殺意マシマシの光のブレスや高熱源エネルギーレーザーが学校内を荒らしまわる。

 建物が崩れるのが先か、天満が止めるのが先か。それとも・・・・・


「ま、そうなる前にか・・・」


 やはり天満は裏切り者?と見るべきが正しいのか。

 この件はどう転んでも僕の力が公開されるように外部でかつ間接的に執り行われている。何度計算し直しても、僕が介入する事で解決化できるパーセンテージが80%を余裕で越している。

 この件からこれ自体は仕組まれており、自分の息子や娘を使ってまで利用したかった意図はなんだろうか?そこだけは他者を利用という名目ではなく、あくまでなんとなくそうなれば良い。という曖昧な内容での促しと相当するため、答えが非常に不明確であり予想ができない。


 だが幸いにもここへ天満の魔法の影響を受けない一人の人間が向かってくる。


「嫌だ!やめて!私はっ」


 本当に嫌そうに叫ぶ城戸真凜である。


「そこまでだーーー!」


 謎の雄叫びと共に青い髪の青年が氷の大きなシールドを展開して光の龍神自体を囲い込んでしまう。

 そして中で光り輝き、強大な爆発と氷の反射による光の輝きが廊下で巻き起こる。


「クッ!!」


「きゃぁぁぁぁぁ!」


「いっでぇぁぁぇぇ!」


「・・・・・・・・・」


 三上の叫びと城戸真凜の叫びが響く。沙月が僕を後ろにして、鎖の盾を展開して守ってくれていた。流石は僕の女である。おっと本音が出た。

 ヒビがところどころ入るものの、しっかりと周囲を守れており、被害者が0人である。これほどの氷の使い手に出会ったのは今日が初である。


「・・・フッ。間に合った・・かっ!」


 青い綺麗な短髪を靡かせるナルシズムは自覚してからなのか知らない。

 しかし気になるのはその周りをチラつく()()である。愛らしい見た目ではある。


「流石(ひさし)ね!」


「お・・喋った?」


 これはまた稀な神器を宿した者がいたもんだ。融合などと言ったら事象はあるが、ここまでくっきりと現界し、あまつさえ喋れるとは。

 データ解析すると、そこには魔法式が無限に綴られており、存在を維持するためだけではなく、魔力体本人が魔法を唱えることを可能とするように設計されていた。

 その魔力源は永という彼である。


「魔五斗様?アレが何か?」


「あれはこの世に存在しており、存在しない者という表現が1番な感じだ。

 龍神のように実体を魔力で再現するのではなく、あの妖精は魔力その者である。ということ。つまり、あの妖精を倒しても復活する。彼が死なない限りね。」


 だからこそ稀有な存在だ。

 魔導研究科がいたら喉から出るほど欲しい素材だよ。彼等からは良い噂は聞いたことがない。人類発展のためと言ってエグいことをしでかすとか。

 僕も気をつけなければな。


「ちょっと!なにいやらしい目で見てんのよ!」


 早速性格がうるさい妖精に絡まれた。

 やはり魔導研究科に売り渡すのが筋なのかもしれない。1番利己的な計算結果が弾き出された。


「なにを言っているのでしょうか?このちびっ子は?」


 沙月さんのこめかみに血管が浮き出てるよ。奴さん相当キレてるよ。

 ただこの妖精は普通の魔力体ではなく、いわば歩く魔道具でもある。味覚もあれば、痛覚もある。まるで小人を再現きているようでもある。


「いえ、とんでもない。童話のお伝え通り、貴女様には素晴らしい隣人がいらっしゃるようで。

 私にはとても高嶺の花コンビにしか見えず、つい。」


「どこからそんな出まかせ台詞出てくんだよ・・」


 三上の冷静で適切なツッコミ。沙月だけ真面目に拍手している。


「そ、そう!よ、よく分かってるじゃない!いいわ!許してあげる!」


「これは何と寛大な。今日という日を忘れずに心は締まっておきます。」


「こらっ。駄目だろスノーフィア。」


 そんな小さな妖精を摘み、引き寄せるのは永という先ほどの攻撃を見事止めた青年である。


「いくら僕が美しいからと言って、無理に人に言い聞かせるものではないんだ。

 自らこの美しさを讃えてもらう!そう!それこそが真なる美であり、本物の賢者を目指す上で重要なのだよ!」


「さっすが!永ね!」


 バカコンビではあるんだろうが、存在がなまじ化け物なのと、永という人物の氷属性の魔力とその質、練度が素晴らしいぐらいに今の身体と環境にマッチしている。

 黒田さんが先天的な氷魔法使いに対して、彼は氷魔法を理解し、神器と組み合わせることで自分流に昇華した正に実力者と言ったところであろう。

 並大抵の努力だけではなく、常に適切適正な判断の元培われたのは間違いない。

 今も指先から少しだが、氷の薄い魔力を周囲へ放ち、脅威の警戒に当たっている。


「分かったかい?彼に無理矢理言ってしまった事を謝るんだ。我々は全てを正し、美しく魅せてこそ真の存在意義を果たす。」


「は、はーい・・でもただアイツ人間じゃないけどいいの?」


「何?」


 おや?やはり嗅覚というより、いけない何かを自然に察知する次元を超えた干渉があるようだ。

 あの龍神もなんやかんや突っかかってきた時何かそんな事を言っていたようであった。


「君・・・属性・・・あれ?神器は?」


 質問が多いことで。


「属性は無属性と鑑定されてしまいまして・・恐らくそれゆえに異質な空気を感じたのでは?

 現に神器すらない始末です。」


「ふむ・・・無属性自体初だ・・・だが、それも儚きこと。しかし儚い美しも兼ね備えている。

 うむ!いいだろう!君!風紀委員にならない!?」


 何を成してどうしたらそうなるんだよ。


「まあ!それがいいわね!やっぱ永は最高ねっ!」


 アホ妖精もさっきまでの発言をすっかり忘れてしまっていた。

 しかしお陰で1人を除いてこの空気が落ち着いていくのを感じた。


「なにを話しておる・・」


 氷の囲いがゴロゴロと完全に崩れ去っていく。

 中から光の龍神が更に大きくなり、学校の敷地や天井を崩して現れた。

 光の輝きに神々しい翼、そして髭のような輝かしいゆらめき。正に神話の龍そのものである。


「魔五斗様・・・」


「それより城戸真凜をなんとかしたほうがいい。」


 龍神の無理な魔力供給の影響により、城戸真凛は意識を失い、同時に顔が青ざめている。また肌が冷たくもなっている。これを『魔力欠乏症』という魔力が0になった際に起こる状態である。


 「沙月、彼女を保健室まで運びなさい。」


 「かしこまりました・・・・・・魔五斗様は?」


 沙月がやや不満そうに頷くも、大神が明後日の方向を向いていることに気づき問いかけた。


 「個人的に話さないといけない奴がいる。」

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