河川敷
見知らぬ土地の 河川敷を歩く
歩く 歩く
どこまでも続く道
ときおりすれ違う人
歩く 歩く
川の脇には住宅地
白い家 茶色い家 青い家
たまに ちいさなカフェ
歩く 歩く
ふと目の前を鳥が横切る
鳥にとっては川も通り道の一部に過ぎぬ
わたしは橋がなければ川を渡れぬ
歩く 歩く
歩いて 歩き続けて
見えた終点は 工事中の看板で
なんだか少し がっかりして
来た道を戻り
歩く 歩く
行きには気がつかなかった
庭先の花 会社の看板
古ぼけた標識 かすれた表札
歩く 歩く
同じ道でも 反対側から歩けば
見えるものも 大きく変わる
同じ道でも 違う道のよう
見知らぬ土地の河川敷で
わたしは よく知る土地のことを思う
たまには 違う道で散歩でもしようかと
いつもとは 違うものが見えるかもしれないと