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BLUE in the ガールズバンド  作者: あまだれ24
91/92

第91話 華さんは3度負ける その1


「やっぱり凛子さん…華さんの彼氏を」

「ちがう!」


顔を真っ赤にして拳を握る凛子さん。


「ひぃっ」怯えた私が両手で頭を守るとほぼ同時に、葵さんが説明を始めた。


「華はな、対バンしたバンドのメンバーに惚れててん。でも何度も話すうちにその子は蘭子に気があるって分かってん」

「あー…蘭子さん美人ですもんね」


華さんには悪いけど納得してしまう。


もし私が男でどちらに魅力があるかと問われたら、迷わず蘭子さんに軍配を上げると思う。


「つまり華さんは告白前に負けちゃったのか」

「そういうことやな」


全身から力が抜けて変な笑いが漏れた。どうしよう。本当にしょーもない。


「バンドの因縁話っていうか…中学生のよくある恋バナじゃないですか。似たような話クラスメイトから何度も聞かされましたよ」


「でもそれだけじゃないねん」と葵さん。「まだ続きがある」

「続き?」


いよいよ本当の因縁が幕を開けるのだろうか。そう思って私は彼女の言葉に神経を集中した。


「その後な、華は新しい恋に目覚めてん。心機一転、過去の傷心と決別するために前を向いて進み始めたんや」


でもな、と葵さんは悲しげな声を作る。


「人生そんなあまない。またしても華の恋の行く手に悲劇が待ち受けとった」

「まさか…また負けたんですか?」

「そう。新しい恋の相手はまたバンドマン。でもその人は別の女性に恋してた」


「ちなみに…そのお相手は?」


好奇心で尋ねると葵さんは自分の顔を指さした。


「ウチ。まあ断ったんやけど。ほらウチって男女関係なくモテるやん?」

「め…めっちゃ気まずいじゃないですか」


華さん痛恨の2連敗。しかもその敗戦相手が2回続けて同じバンドのメンバーだなんて。


当時のバンド内の雰囲気を想像したら、それだけで胃が痛くなりそうだ。


「でも華の失恋はまだ終わらんかってん」

「ま…まさかまた負けたんですか?」

「そのまさか。3連敗や」


なんてことだ。生まれてこの方彼氏がいない私にも、その連敗どれだけ心を蝕むかぐらい分かる。


「私なら絶対に闇堕ちします」

「華だってそうやで、その3敗目があの子の心を完全に折ったんやから。なあ凛子?」

「まっまさか」


ハッとして凛子さんに向き直る。すると彼女と目が合い、思わず両手で口元をおおった。


「3敗目の相手ってりりりりり…凛子さん?!」


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