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BLUE in the ガールズバンド  作者: あまだれ24
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第62話 日曜日よりの使者 その1


『作戦会議をしたいと思います』


咲ちゃんからそんなメッセージが届いたのは、私がイヤホンをくしてがっくりしている時だった。


イヤホンがないと気付いたのは午前10時頃。課題の英語の途中で休憩に入ってすぐのことだ。


昨日の寝落ちを反省し、今日は朝9時から宿題に取りかかっていた。


うちの高校は鬼畜だから、3年生に対しても土日と連休は容赦(ようしゃ)なく何かしら課題を出してくる。


英語が死ぬほど苦手な私は、先生が「大学入試レベル」と言っていた長文問題に頭を抱える。


こういう話になると「ChatGPTでも使えばええやん」って気安く言う人もいる。


主に葵さんだ。


でもこの前それがバレて特別補習を食らった生徒がうちの学年でもかなり出たから、ちょっと私は使う気になれない。


ワンチャン、それを確かめるために先生があえて難しい課題を出してる説まである。


「けどさぁ...これ絶対に国公立受ける人向けの課題な気がするんだよね」


入試レベルにしても明らかに共通テストの難易度じゃない。絶対に2次試験のレベルだ。


私はため息をきながらイスの背もたれに背中を預け、ってぐーっと体を伸ばした。


「凛子さんと蘭子さんってやっぱり頭いいんだなぁ...」


難しい課題や受験対策をしているといつもしみじみと感じる。だってあの神戸大学の学生だ。


蘭子さんは当然として、あんな不良みたいな凛子さんも本当はめちゃくちゃ勉強できるのだ。


彼女はバンドでも妥協を許さないから、きっと勉強も真面目に努力したんだろうなと思う。


「しゃーない。私もがんばるか」


イスに座り直して気合いを入れ直した。けどすぐに、待てよ...となる。


時計を見ると午前9時55分。課題と小一時間格闘してたってことだ。


「ちょっと休憩しよ。ギターの上達の秘訣(ひけつ)だってモチベを保つ事だしね」


モチベを保つにはリフレッシュ。リフレッシュするにはやっぱり音楽だ。

でもギターを弾き出すと時間があっという間に溶けるので、こういう時は好きな曲を聴くのが1番いい。


「って...あれ?」


どこにもイヤホンが見当たらなかった。


ベッドの中はもちろん、昨日から着てるスウェットのポケットにもない。


Bluetoothをオンにした状態で音量を最大にしてみた。イヤホン自体にGPS機能が付いてない場合、これが探す時の正攻法だ。


けどバッテリーが切れてるのか、どこからもそれらしい音は聞こえてこない。


念のためリビングにいたお母さんとお父さんにも聞いてみたけど、やっぱり知らなかった。


「あーあ。あれお気に入りだったのに...」


部屋だけじゃなく脱衣所まで探したのに無いなんて。まるで神隠しにでもあったみたいだ。


モチベが下がりに下がって肩をガックリ落としていると、スマホの着信音が鳴った。


凛子さんからだと思ってすぐLINEを確認する。すると咲ちゃんからだった。


「作戦...会議?」


要領を得ないメッセージに私は首をかしげる。とりあえず質問を返した。


『なんの作戦会議?』

『諦めなければ夢は叶うんやで!』


ますます意味がわからない。


なんて返信するか迷って、ちょうど先週凛子さんから貰ったチェンソーマンのスタンプにいいのがあったので、それで返しておいた。


『俺の夢を叶えてくれよ』


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