第43話 インタールード - 間奏曲 -
これはVery'sに向かう途中の歩道でのやり取りだ。
「まだ確証はないから断言できんねんけどな」
葵さんが歩きながら私を振り返った。
「スタッフの子の話を聞いてるとな、どうもブルーノートの『1553番』は…蘭子の見つけた1枚だけじゃなさそうやねん」
「どういうことですか?」
察しの悪い私は話をうまく理解できない。
すると凛子さんがもっとストレートに言った。
「TRUE BLUEはオリジナル曲じゃなく、あのレコードの曲を演奏してるかもしれないってことだ」
彼女はデニムのお尻のポケットからチケットを取り出す。後ろ姿しか見えないけど、たぶん、そのチケットを睨み付けている。
「だとしたらTRUE BLUEの誰かがブルーノートの1553番を持ってる事になる。私はそれが華だと思ってる」
「じゃ…じゃあ」
私は思わずうわずった声を出した。
「華さんがあのレコード屋さんの場所を知ってるってことですか?!」
「まだ確定じゃない。だから今から私たち自身でそれを確かめに行くんだ」
凛子さんはそう言うとチケットをまた乱雑にデニムのポケットに突っ込む。
私たちは歩速を上げてVery'sに向かった。




