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BLUE in the ガールズバンド  作者: あまだれ24
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第4話 凛子さんとの出会い その2


「それはそうと春香ちゃん」


凛子さんがそう言ったのは3度目に会った時。


私は顔を上げてお昼ご飯つつく手を止める。その日も私はお弁当、凛子さんはカップ麺とおにぎりだった。


「春香ちゃんってさ、関西の人じゃないよね?」

「あっそれ私も思ってました。凛子さんも関西の人じゃないですよね?」

「私は大学進学で横浜から。春香ちゃんは?」

「お父さんの転職で千葉の船橋からです」


中1の春。私たち家族3人は千葉県からここ、兵庫県の神戸に引っ越してきた。


私がギターを始めたのは何か特技があった方がイジメに会わずに済むかもと思ったからだ。


うん。我ながら不純な動機である。


神戸に引っ越しが決まった小学6年の冬、お父さんが昔買って押入れで眠ってたエレキギターを引っ張り出して練習を始めた。


プライベートで遊ぶ友だちのいなかった根暗の私はすぐ熱中した。


フェンダー社のストラトキャスターというギターで、色は青空のような美しいブルー。


練習すればするほど私が鳴らしているとは思えない鮮やかな音が鳴った。


まるでギターが友達のいない私に話しかけてくれてるみたいだった。


「イジメは大丈夫だったの?」

「それがですね…うちのクラスみーんな優しくて心配する必要ありませんでした」

「おー。それはよかったじゃん」

「でもそのお陰でギターやってるって話す機会がないまま…3年間が過ぎ去りました」


「いやなんで?!」


凛子さんが呆れた声をあげる。目をまん丸にしてポカンとしていた。


「うっ…私の性格です。コミュ障なんです」


その後、高校では勇気をだして軽音楽部に入ろうと決めた。


けどヤンキーっぽい先輩がいたのでやめて、でもスポーツはからっきしなので実態は帰宅部の美術部に入った。


その分、放課後は自宅でギターを弾きまくれたんだけど…


「じゃあバンド経験もないってこと?」

「はい。恥ずかしながら」


凛子さんが「そっかぁ」と宙を見つめながら呟いた。そしてすぐ。


「じゃあ今度スタジオでセッションしようぜ。うちのバンドのベースも連れてくからさ」


「えっ?! 無理ですよいきなりセッションなんて! 私バンド未経験なんですよ?」


突然の提案に驚いてお箸を落としかける。すると凛子さんが呆れる顔をした。


「なに言ってんだよ。誰だってはじめはそうだってば」

「で…でも」

「いいじゃんやってみようぜ。な?」


凛子さんはニカッという表現がぴったりな笑顔を作る。


そんな素敵な笑顔で誘われたら断るなんて出来なかった。


「わ…わかりました」


「じゃ来週の土曜でどう?」

「だ…大丈夫です」

「よし。三宮のスタジオ予約しとくからな。ちゃんと来いよ」

「りょ…了解です」


私は覚悟を決めて頷いた。


そして凛子さんとLINEを交換した。


高校生になってから咲ちゃん以外では、はじめての連絡先の交換だ。


「おーし。土曜日が楽しみだ」


凛子さんはカップ麺のスープを飲み干して立ち上がる。

食べたあとのゴミを捨てると、他のバイトの人に声を掛け一緒にトイレに向かった。


私は昼休みの残りの時間を確認し、あわててお弁当の残りを食べる。


もうすでに土曜のセッションで頭がいっぱいになり、なかなかご飯が喉を通らなかった。


この時のセッションの感触が理由になり、半年後、まさか凛子さんのバンドに誘われるなんて思ってもみなかった。


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