表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
BLUE in the ガールズバンド  作者: あまだれ24
34/81

第34話 ジャズとロコモコ その1


「おー!うまい!」

「よかった。これウチの店で1番人気のメニューやから」


葵さんの働いてるご飯屋さんでロコモコをご馳走になる。今日は雨のせいか空いている。


店内は南国を思わせる明るくオシャレな内装。


布張りの天井や置かれている観葉植物、特に夜景を望めるテラス席がいかにもハワイや東南アジアののリゾートっぽい。


ここの看板メニューのロコモコは、熱々のハンバーグともちもちの五穀米ごはん、それに半熟の目玉焼きの黄身をスプーンですくい、濃厚デミグラスソースにたっぷり絡めて食べるのがとてつもなく美味しい。


「咲ちゃんええ食べっぷりやなぁ。おかわりもええで、好きなん頼み」

「まじっすか!」


隣に座る咲ちゃんが目を輝かせる。


私は「ガチのマジやで」と頷く葵さんが一瞬浮かべた怪しい笑みを見逃さない。


「春香ちゃんも…もっと食べてええんやで?」


同じテーブルの向かい席に座る葵さんが、こちらに意味ありげな微笑を向けてくる。


「いえ、もう結構です」


その魂胆を知っているからはっきり断った。というか咲ちゃんじゃあるまいし、そんなに沢山食べられない。


「宮間さん、この子の注文取ったって」


葵さんが通りかかった店員さんを呼び止める。宮間さんは彼女の先輩で、私も顔見知りの店員さんだ。


「じゃあナシゴレン、お願いします!」


咲ちゃんは手にしたメニューから顔をあげて元気よく言った。


「もう陸上部引退したんだからあんまり食べたら太るぞー」


宮間さんが厨房に引き返してから私が小声でそう言うと、咲ちゃんは余裕たっぷりの笑顔を向けてきた。


「大丈夫。私いまでも晴れの日は毎晩家から最寄り駅まで3往復走ってるんやから」

「えっ3往復も?」

「そ。なんかな、走らんかったら次の日気持ち悪いねん」


私たちの向かいに座っている葵さんがスプーンを動かす手を止めた。


「わかるわ。人間、日課になったら何でも簡単には辞められへんからな」

「そーなんですよ」

「ウチのドラムの子も毎日走ってるで。5キロは絶対走る言うてたかな」

「凛子さんも?」

「そ。ドラマーは体力仕事やからね」


なるほど…だから凛子さんスタイルがいいのか。

たしか腹筋もちょっと割れていたはず。


でも走るだけでお腹に筋肉って付くのかな?


少し気になったので尋ねてみようと右側の席を見た。


すると咲ちゃん。コーラを手にしたまま、だらしない顔をしている。「うへへ…」という感じだ。


視線を追うと、正面に座る葵さんが左手で耳に髪の毛をかけながら、ゆっくりとスプーンを口に運んでいるところだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ