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BLUE in the ガールズバンド  作者: あまだれ24
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第19話 新開地ブルース その2


凛子さんの部屋に入ると玄関の次は短い廊下、そしてその先にキッチンと一体化したリビング。


フローリングの床はまだ夏用の敷物。


こざっぱり片付いた空間にはベッド、ノートパソコンや小物を置いたラック、床に座って使うタイプの低いテーブルなどがある。


そしてあのRoland製の電子ドラム。


一人暮らしなのに部屋が少し広いのはきっと、これを置くためだ。


授業で使うのか小難しそうな本が並んだ本棚もある。


あと凛子さんらしく高そうなオーディオ、レコードとCDがぎっしり詰まった棚。


「にしても…意外とキレイにしてるんですね」


勝手にビールの空き缶がそこかしこに転がってる汚部屋を覚悟してたので、思わず呟いてしまう。


「意外で悪いな。意外で。これでも絶賛20歳の女子なんだよ」


凛子さんが横から頭にチョップしてきた。しかも普通に痛い。


さっきのことを根に持たれてるらしい。


「チョップするなら葵さんにしてくださいよ」

「お前も笑ってたろ。じゃあ共犯だ」

「笑ってないですよ」

「嘘つけ」

「本当ですって。凛子さんのことオッサンなんて思ってないですよ。まあちょっとおじさん臭いとこあるなーとは思ってますけど…」

「それ同じだろ!」

「同じじゃないですってば!」


私たちが言い合いをしていると、葵さんが凛子さんの肩にポンッと手を置いた。


「凛子、今日は上方漫才大賞の特訓するために春香ちゃん呼んだん?」


葵さんが呆れた声で(たしな)める。

そこで私も凛子さんも我に返った。


「あっそうだ、あの…手に入れたっていう蘭子さんのレコードは?」


そう言いかけた時にはもう、凛子さんはリビングのクローゼットを開けていた。中から取り出したのは黒いアタッシェケースだった。


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