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女神降臨 ールシアーノー

完璧に公爵令嬢を迎える準備もできた。

母は使用人たちがバカな真似をしないよう、釘を刺したといっていた。

簡単とはいえ歓迎のお茶会も用意したし、専属の侍女もつけたし、それなりの額の予算もつけた。部屋も立派に整えた。

とりあえず待遇で文句はないはずだ。

あとは我々が軽はずみな行動に気をつけるだけだ。


「ルカ!公爵令嬢が城の門をくぐったわ、表で出迎えるわよ!」

とうとう来たか。

使用人全員で出迎えてやる。

表に立つと母親が「とにかく失礼のないようにね、頼んだわよ」

と念押ししてくる。

「わかってる」短く答える。

俺だって悪役令嬢にいいようにされるのは御免だ。


馬車が目の前に止まり御者が扉を開けた。

さあ、どんな悪役令嬢が降りてくるか、しっかり見てやろうじゃないか!!


!?

扉が開くとパアと一瞬で周りが明るくなった。

眩しさに思わず目を細める。


え‥まさか‥こんな事が‥


まさか女神が馬車から降りてくるなんて‥

美しい仕草で舞いながらこちらを見てる。


俺は思わず女神に向かってふらりと一歩踏み出そうとする、所をギュっと尻をつねられた。

「っ!」


そうだ。挨拶をしなくては。

口が勝手に動き出した。自分がどんな挨拶をしてるのかまるでわからない。


次いで女神の透き通るような声が頭に響きだした。

公爵令嬢エリザベスだと言った気がした。




「おい、お前の荷物が御令嬢の部屋に残っているが引き取ってお前の執務室に置いておいていいか。」

アレクの声でハッと現実に引き戻される。

俺はいつの間にか応接室で座っていた。

そうだ、部屋に荷物を運ぶと言って母親が席を外したんだ。

「わかった。すぐ行く」

小声で言うと応接室を後にした。


アレクが怪訝そうにこちらを見て

「別にわざわざ来なくてよかったんだけど」と言った。

そんなこと言うなよ。

女神と二人きりだぞ。

置いて行かないでくれ。


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