王都では ー元第二王子側近候補ラビンー
くそっ!くそくそくそ!
第二王子の側近候補と言われた私がどうして修道院なんかに送られなければいけないんだ!
廃嫡なんて馬鹿げている!
皆冷静になれよ!これでロイド様が王太子だ!誰のおかげだと思っている!
そもそもなんで処分されるのが私だけなんだ?!
生徒会のみんなでアウリスとジョージイをおだてあげて調子に乗らせていたじゃないか!
ああ、でも面白いように舞い上がってくれて笑ったよ。
本当に断罪劇を始めた時には痛快だったね。
お膳立ては私が全部やったのだから、達成感すらあった。
私はロイド様の側近候補だった。
ロイド様こそ次期国王に相応しい人物だと思っていた。
アウリスは国王の器ではない。
所詮はエリザベス様が婚約者に据えられているからその座にいるだけの王子だ。
アウリスにエリザベス様は勿体無い。
エリザベス様にお似合いなのはロイド様だ。
ある日生徒会でこんな話を耳にした。
「早くエリザベス様が王太子妃になってくれたらなあ。そうしたら堂々と王太子妃の名前を使って商売できるのに。」
とこんなことを言っていたのは国一番の商会の息子、ルドだ。
彼の家は平民でありながら学園の上位クラスに入っているくらい、人脈もお金もそこいらの貴族顔負けの商家である。
「どういう意味だい?」
と私が聞いたところ、
エリザベス様の身につけているものは飛ぶように売れるのだが、
エリザベス様が身につけていた!と広告を打つことはできない。
なぜならただの一学生の一令嬢だからだ。
王太子妃になってくれればもう国の顔。
誰にも文句は言われず、堂々と王太子妃モデル!と言って売り出せるのに。といった趣旨の発言だった。
その時はエリザベス様も2年生になったばかり。
卒業までは2年近くあることになる。
そこで私はいいことを思いついた。
その時隣国から悪役令嬢断罪物と言われる小説や、舞台が入ってきており
平民や、下位貴族の間で人気がある、と聞いていた。
初めて聞いた時は、なんだそのストーリーはとバカにしていたのだがこれが使えるのではないか、と思ったのだ。
ちょうどアウリスとジョージイが親密になり始めた所だった。
そこで、悪役令嬢断罪劇をしている劇団や、小説を売っている書店を支援してもっと大々的に売り出すようにする事。
そしてアウリス王子と男爵令嬢ジョージイは真実の愛を育んでいると。
そしてそれを邪魔する悪役令嬢エリザベス様。
この噂を広めるのだ。
エリザベス様が身につけたアクセサリーや服など同じデザインのものを劇団の悪役令嬢に身につけさせ、『悪役令嬢モデル!』として売り出せばいい。
平民や下位貴族向けの商会で、1人に悪役令嬢=エリザベス様だといえばあとは勝手に噂だけ走り出すさ。
とルドに計画を聞かせてやった。
最初こそ「真実の愛はいいとして、悪役令嬢は公爵家に不敬だ」
といっていたが、
「お前は関係ない、勝手に市井や下位貴族の間で騒がれ出すだけだよ。」
「高位貴族の誰が一体エリザベス様が悪役令嬢だなんて信じるんだ!上部だけそういうことにしておくだけだよ!商売上そうするだけだ」
「王都の噂なんて、王都だけの噂だよ。すぐ消える。」
言葉を重ねるとルドもその気になったようだった。
後はみんなでアウリスとジョージイの仲を囃し立てればいい。
これが面白いくらい上手くいった。
いつかロイド様にこれは全て私の計画でした。といえばロイド様も私を一目置いてくださるに違いない。
さあ、最後の仕上げの断罪劇。
アウリスに「ジョージイ嬢が最後の思い出に断罪劇を望んでる。仮初でいいから、と。誰も信じやしませんよ!!ただの余興といえば良いのです。そして上手くいけば嘘から出た真なんてこと‥まああるわけないですがねえ。でも‥」
卒業までの恋だと、そんな恋にジョージイを付き合わせている事にアウリスが罪悪感を持っていると私は勘付いていた。
そこを上手くつつくとアウリスはあっさり乗ってきた。
ジョージイは乗せれば乗せただけ浮かれていった。
本気で王子の伴侶も夢じゃないと思い始めていたので、話に乗せるのも簡単だった。
2人とも頭はいいはずなのに、恋でバカになってるのが本気で笑えたよ。
だが最後の最後でやってくれた。
なぜ北の辺境伯にエリザベス様を嫁がせた!?
そこは修道院だろ!
エリザベス様がロイド様の伴侶となる未来は消えた。
でもこれでロイド様が王太子で私もその側近だ!
と思っていたのに!!!




