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転生したヒロインのはずなのに地味ダサ令嬢に脇役に追いやられてしまいました  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して


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地味ダサ女はゲーム上では不可能だった王子様にエスコートされることになりました

「中庭だ!」

昼休みが終わっていきなりオリエンテーションが始まった。

先頭のヨーナスの引いた札には中庭とデカデカと書かれていた。

ええええ! ゲームをやり込んだ私には判ったのだ。


これはいきなり借り物競争だ。


「よし、行こう」

「こっちだ! 黒髪、遅れるなよ」

「私はニーナだって言うのに」

後ろの赤髪を地味ダサ令嬢が追いかけるんだけど。


「ちょっと待ってよ」

そんなに急いだら、ペトラ先生に見つかったら一回休みになるんだから!


私はゲームでは焦って走ると何回かペトラ先生に捕まってしまったのだ。

そして、捕まった後に中庭に行って、必死に攻略対象を探しても誰一人残っていないのだ。


私が危惧していると

「おい、校舎内は走るのは禁止だぞ」

誰かの注意する声が聞こえた。


だから言わんこっちゃないのに! 


でも、あの声は……


ええええ! 私の王子様だ。


私が階段を見るとそこには見目麗しい王子様がいたのだ。



ゲームでは王子様に注意されるなんて事は無かったのに!


「お疲れさまです」

私は王子様に追いついた時に声をかけたのだが、王子様は私なんか目にもくれていなかった。


「怪我をするなよ」

王子様は私なんか全然見てくれないで、先を走りそうになる地味ダサ女に声かけてくれるんだけど。

ちょっと待ってよ! 私、ヒロインなんですけれど!


私がさらに声をかけようとしたら、何故か王子様も階段を駆け下りていったんだけど……


「走っては行けないって言ってなかったっけ?」

横のハッリとかに言ったら

「さあ?」

と肩を竦められたのだ。


本当にこのゲーム、ヒロインは私なんだろうか?



中庭に降りて周りを見ると、端で生徒会長らの集団が何か相談しているのが見えた。

そして、アスモ様も。


「遅い!」

私は地味ダサ女に注意されるんだけど、平民女が男爵家の令嬢に注意するなよと思いながら、


「あなたが早すぎるのよ!」

流石の心の広い私も文句を言った。


「異性の先輩を各自一人連れて来ること。隣の校舎に入っても良いって書かれているわ」

地味ダサ女が紙に書かれた文章を読む。


私はその声を聞いて、皆が気付かないうちに、ゆっくりと生徒会の面々の所に近づいたのだ。


王子様は私をちらっと見ると俺に構うなモード全開で隣と話ている。


私はため息を付きたくなった。私がヒロインなのに、何なのよ。その態度は!


まあ、ゲームでも基本王子様はそんな感じだった。


それを入学式の前に迷って王子に入り口まで送ってもらって知り合って、入学式の祝辞の時に気絶して王子様に保健室に運ばれて、徐々に関係を深めていくはずだったのだ。


そうしていれば今頃は手くらい振ってくれたはずなのに!

たとえそれが無理でも少しは私を見てくれるはずだったのだ。



でも、ここは予定通りにアスモ様に後ろから声をかけようとした時だ。


「居た!」

大声が響いて、ダダダダという足音とともに地味ダサ女が飛んできたのだ。


アスモ様は渡さないわよと断ろうとした時だ。


女は全く私達には一顧だにせずに、王子様に突撃したのだ。


無理だって!


私が思わず教えてあげようとした時だ。


「先輩、お願いします。一緒に来てください!」

地味ダサ女は王子様に頼んでいたのだ。王子が近寄ってくる女に拒否反応を示すのは有名な話で、生徒会の面々は呆れてみていた。


「えっ? 俺? いや、俺は実は運営で……」

「紙には運営は除くとは一言も書いて無かったです」

戸惑う王子様に地味ダサ令嬢は言い切ったのだ。


「生徒会長、すぐに終わるので、少しだけ、お願いします」

地味ダサ令嬢は今度は王子様を拝み倒しているんだけど。


そんなので女嫌いの王子様がついてきてくれる訳はないじゃない


私は馬鹿にしたように笑って見ていた。


しかしだ。その瞬間に地味ダサ令嬢は強引に王子様の手を引いて、駆け出したのだ。


ええええ! 

「あの子なにやっているのよ。殿下は強引な女はお嫌いなのに」

生徒会の面々も怒られる地味ダサ令嬢が目に浮かんだんだろう。

私と一緒に可哀想な女を哀れんでみていた。


「いや、ちょっと……」

「中庭は駆けても良いですよね」

地味ダサ令嬢が怒ろうとした王子様に叫ぶと、何と王子様は仕方無さそうに一緒に走って行くんだけど。


嘘! あそこまで強引にやれば王子様は来てくれたの?


私は信じられない者を見ていたのだ。


ショックを受けたライラでした

続きは今夜

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ここまで読んで頂いてありがとうございます。
私の

この話のサイドストーリーがこちら


『転生したら地味ダサ令嬢でしたが王子様に助けられて恋してしまいました。』

https://ncode.syosetu.com/n9394ik/
前世病弱のヒロインが地味ダサ令嬢(平民)に転生して王子様に助けられて恋してしまう話です。身分差を持ち前のパワーで知らぬ間に弾き飛ばす物語になる予感が…… 私のお話

【書籍化】

しました!
アルファポリスのレジーナブックスにて

『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。

手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

第一部の紹介は
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。

しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。

私の

前の作品

はこちら

『ヒロインに転生したのに悪役令嬢の侍女やらされています!神様から授かったチート能力はド派手な衣装の魔法少女にならないと使えませんでした』

https://ncode.syosetu.com/n2856ii/

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