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転生したヒロインのはずなのに地味ダサ令嬢に脇役に追いやられてしまいました  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して


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氷の貴公子の悪だくみに加担させられました

私達はそれから慌てて王宮に行って、カーリナを叩き起こした。


カーリナは起こされて不満たらたらだったが、地味ダサ女に誤魔化されて、仕方なしに、地味ダサ女と王子様を連れて転移して行った。


私はヒール出来なくて、慌てふためく地味ダサ女を見たかったが、さすがのカーリナも四人も連れて転移は出来ないとのことで、アクセリと共に残されたのだ。



「これでアスモも心配事がなくなって仕事に専念できますね」

なんかアクセリが意味不明な事を言っているが、聖女でも治せないと判って絶望して帰ってくるという事だろうか? 


まあ、サマーパーティーまで後一ヶ月も無いのだ。アスモ様ももうじき帰ってくるだろう。


考えたら、地味ダサ女が失敗しても、万が一王子様が見捨てなかったとしたら、そんな事は考えたくないが、そうなる可能性は少しはある。


そうなったら、後は能天気で出来損ないの第二王子か、心優しいアスモか、監禁バッドエンドの可能性のあるアクセリしか残っていない。


そうなるとアスモ一択だ。


失意の元帰って来たアスモを慰めねばと私が考えだした時だ。


私は私を見つめるアクセリと目が合った。

なんか背がぞくりと震えたんだけど、なんて目で私を見ているのよ!


「どうかしましたか。ライラ嬢。少し顔色が良くないように思いますが」

アクセリが私を見て言った。

いやいや、お前の視線が怖かったんだよ、とはさすがに言えず、


「いや、渡された資料が多くて」

「いや、申し訳ありませんね。ライラ嬢なら、なんとかしてくれると思って無理をさせてしまいましたか」

こいつニコリと笑ってくれやがるんだけど。


「本当に大変でした。とりあえず、不正をしてそうな処を二三見つけましたけれど」

私が言うと


「さすがライラ嬢。これでうまくいかなくても、サデニエミ公爵家は終わりですね」

なんかアクセリが急に人のよさそうな顔でニコニコしだした。

こいつがこういう顔をする時は碌な事がない。

目も笑っていないし。

と言うか、今とんでもない名前が出てきた気がするんだけど、あの書類ってトウロネン侯爵家の書類じゃなかったのか?


「あのアクセリ様。あの書類はアクセリ様の所の書類だとお伺いしていたと思うのですが」

私が恐る恐る聞くと


「ああ、あなたにはそう言っていましたね。まあ、もう良いでしょう。貴方もこちら側の人間ですから」

いやいや、ちょっと待って、なんかとんでもない陰謀に巻き込まれそうな気がするんだけど


「あれはサデニエミ公爵家の決算資料なんですよ」

アクセリが爆弾発言を落としてくれた。

サデミエニ公爵家と言えば今の王弟で、一番権力のある家じゃないか。そんなところと敵対したら、我が家なんて下手したら一瞬で飛んでしまうんだけど。


私は青くなった。


「ここのところ公爵家の動きが怪しくて、色々探っていたのですよ」

なんでも無いようにアクセリは言ってくれるんだけど。

下手したら私は公爵家に消される……

ゲームでも失敗して、何度か公爵家に消された。

消されたというのは殺されたということで、破落戸に襲われると言うのは良い方で、魔物の餌にされるとか、公開処刑されるというのもあった。


そんな公爵家に楯突くような事をさせるってどうしてくれるのよ!


流石の私も少しブルッとした。


「大丈夫ですよ。ライラ嬢」

そう言うとアクセリが不敵な笑みを浮かべて私の肩を抱いてくれたんだけど。


私はゾクリとした。


「あなたは心配しなくても大丈夫です。公爵家からは私が一生涯守り切ってみせますから」

ニヤリとアクセリが笑ってくれるんだけど。


いや、待てよ。


考えたら、公爵家も怖いけど、このアクセリも怖いんだけど……

こいつに逆らっても生きていけない気がする。


何しろ氷の貴公子でゲームでは未来の宰相だった。


敵対する勢力は尽く情け容赦無く潰していた気がするし……

ここで逆らったら私も消される?


公爵家は単純なんだけど、このアクセリは執念深くて、執拗、用意周到なのだ。

既に手をいくつか打っているような気がする。


「宜しいですか?」

「はい」

不気味な笑顔で言われれば頷くしか無かったのだ。

でも、私はこのとき頷いたことの意味を知らなかったのだ。

知っていたら、絶対に頷かなかったのに!


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ここまで読んで頂いてありがとうございます。
私の

この話のサイドストーリーがこちら


『転生したら地味ダサ令嬢でしたが王子様に助けられて恋してしまいました。』

https://ncode.syosetu.com/n9394ik/
前世病弱のヒロインが地味ダサ令嬢(平民)に転生して王子様に助けられて恋してしまう話です。身分差を持ち前のパワーで知らぬ間に弾き飛ばす物語になる予感が…… 私のお話

【書籍化】

しました!
アルファポリスのレジーナブックスにて

『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。

手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

第一部の紹介は
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。

しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。

私の

前の作品

はこちら

『ヒロインに転生したのに悪役令嬢の侍女やらされています!神様から授かったチート能力はド派手な衣装の魔法少女にならないと使えませんでした』

https://ncode.syosetu.com/n2856ii/

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