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セブンス×アナザーワン Ⅲ ‐ 法力と暴力 ‐

朝8時半、聖エルズ学園。

大都市のド真ん中にありながら、その喧騒も広大な土地に建つこの学園の正門をくぐり抜けていけば、スズメの鳴き声にかき消される程度にしか聞こえてこない。


「もう!聞いてください!アンリったら、また私を…!」


「はいはい、またしょーもない嘘に騙されたんでしょ?」


いつもの調子でエリザの愚痴を、人が良いのか間抜けなのかわからない騙され方をしたんだと相手にしない、長い白銀に光る髪を後ろで高い位置のポニーテールにした女生徒。


「そのうちクビにされそーなのに、よくやるねーアンリもさー」


「私がせっかく、しょーもない愚痴話を察して潰したのに何で続けるのよ?」


エリザの肩に後ろから両腕をまわし、寄りかかって人懐っこい笑みを浮かべながらも、どこかの誰かの不幸話という体で相談に乗る気ゼロを隠そうともしない銀髪ショートの女生徒。


前者は、マール=フレーテ・ヴァイスベルンシュタイン

後者は、ハルト=ベル・ヴァイスベルンシュタイン

呼びやすいマールはともかく、ハルトという名前はセカンドネームとファミリーネームにベルが二つも出てくるのでハルトとは別にベルベルと呼ばれることも多々ある。興亡した過去の東の帝国式の命名では男性名として扱われることもあるがハルトは聖国では女性名ハールートの略称だ。


2人ともエリザの親友であり幼い時からよく遊んでいる親友たちだ。みな新入生上位成績者からなる特別クラスに属することが決まっている。そのため入学式も一緒に登校すると決めて来たのであった。


「そういえば今年からなんかすっごい学校の規則が変わるらしーよー?」


「そもそも、新入生なんだから関係ないじゃない」


「でもなんかおとーさま曰く、私たち一年生から適用される何かしらの制度なんだってー」


新制度があることそのものはエリザも知っていたものの、自分達がいきなりその制度を利用して就学することまでは知らなかったエリザは少し興味深そうに聞いた。


「一年生から適用される制度ということは、成績評価制度のような類でしょうか?」


「うーん?それがねー、おとーさまも詳しくは知らないけど知ってることに関してもいえないから、入学式でしっかり聞いてこいって言ってたよー?」


「入学式まで生徒に言えない…?どういう制度なんでしょう?」


「まぁ、十中八九、成績システム関連で合ってるんじゃない?学生に当日まで教えられないことって言ったら大体、試験とかそういうのでしょ?」


歩きながらそのような取り止めのない会話をしていると、校舎が見えてきた。


「うわー近くで見るとおっきーぃ」


「それはなんと言っても魔術・法術・剣術・武術…実践的な技術から、言語、数理、歴史、法学…さまざまな知識、学術全てを網羅したと言っていい世界初にして最大の学術機関よ?土地だけで見ても一つの都市と変わらないんだから当たり前じゃない」


エリザは2人の会話に挟まれながら、徐々に期待で高まる新生活に思いを馳せ笑顔をみせていく。

2人の肩を抱き寄せたエリザは、


「さぁ、私たちの新しい学校生活の始まりです!!」


そんなことを言って2人を抱き寄せたまま、みんなで校舎に駆け込んで行った。

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