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【Ultima-Thule Vapors】

作者: 黒月緋純
掲載日:2021/11/23


 ――今日も、このずっと霧雨が降り続いている。

 実際の所、それが何時からで、何時までで――

 或いは、これが標準で、止む方が異常で――

 そんな事を、考えた事も無かった。


『……弱ったな。残量が余り無い――』

「何が?」

『エネルギーの残量だよ――結構ケチったのに――』

「……んな訳分からんモノ着込まなきゃ外出も儘成らないのに、よくお外に出る気に成ったな」


 ――『ウヴァレ』に在った俺の住処に、この『甲冑女』が落下して来なければ。


『……言いたくは無いが、君の方が異常なんだからな? そもそも、何であんな所に――』

「しらねぇよ……お前がぶっ壊してくれたカラクリ――

 マロノーとパイローンが壊れなければ、ある程度教えてくれたかも知れないがよ?」

『……その節は、本当にすまない事を……』


 人の寝床に唐突に降って来て、一切合財吹っ飛ばしてくれたからな――

 まあ、態とじゃないんだろうが――


「まあ、崖から足滑らせて落ちて、その下のに当たる、って確率の方が稀有だ。きにすんな。

 それより、どうすんだ? 残量が余り無い――って――」

『……想定していたルートに、『ハブ』が在る筈なんだ。其処へ行ければ、補充出来る。

 で、その補充を繰り返しつつ――』

「『鏡の野辺』とか言うとこへ行くんだったか――」

『その予定だったんだ――あの場所があんなに脆くなっているとは』

「……そもそも何でそんなとこまで行かなきゃならんの?」

『あ、いや――ちょっと、それは』


 これだ。


「『人種』違うからってあれじゃねぇ? 協力求める態度じゃ無い気がすんだよなぁ?」

『いや、そうでなく……言える事と言えない事が……』

「そらぁ――こっち、お前さんがたの言うところの『夜型』ですけどねぇ?」

『――そもそも論、何で昼間も動けてるんだよ……『夜歩きナイトウォーカー』』

「それもしらねえっつうの。天気悪いからじゃね?

 逆にお前らが貧弱に成り過ぎなんだよ――『昼這いデイクロウラー』。

 んだよ、温度やら紫外線やら一定じゃないと、って――」


 ぐぬぬ、じゃねえ。


「……まあ、協力はするよ。こっちも寝床無くした訳だし。

 良き寝床見つけるまで、道中には付き合うよ」

『――感謝するよ――』

「感謝はいいから、ちゃんとしたロードマップ示しましょうねー」

『――だから!! なんでヴィクトリアンな吸血鬼スタイルで!!

 トラディショナル極まる格好で、そんなセリフ吐くんだよ!?』

「潜水服の親戚の姿で、女子だって強弁する奴が道案内だからだよ」


 ――今日も、このずっと霧雨が降り続いている。

 その霧の底を、ずっと二人で歩いている。


 果たして、何処へ行くのか。

 何時からだったのか。

 良く分からないまま――

 夜も昼も無く。

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