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背徳カノジョの素顔は突然に  作者: 柊 シュウ
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第1話 性格上の欠点


 「また天霧さんが問題起こしたみたい」


 教室に入ってみれば、そんな声が聞こえてきた。

 そして、3人の仁王立ちする女子生徒に囲まれる1人の女子生徒がいる。


 「あなたのそういう態度が嫌いよっ」

 「そうそう、協調性がないって言うかなんていうか、よくないと思うよっ」


 そんな風に言い募られる女子生徒は、しかし全く意に介したような素振りを見せない。


 「なら私に近づかなければいいじゃない?」

 

 むしろ嫌悪感を丸出しにしてそう言い放った。


 「あの三人もさすがに涼葉相手じゃ敵わねぇな」

 「顔は可愛いのに性格に難アリってのが玉に瑕だな」


 クラスメイトの男子達は、口勝手にそんなことを言いながら遠巻きに眺めている。


 「どうする?」


 俺の隣には、彼女の伊勢崎いせざき詩乃うたの

 詩乃は、俺の返答待ちとでも言うかのようにつぶらな瞳を俺に向けている。

 どうするかって……そりゃ仲裁するしかないだろ。

 周囲に公言していないだけで、涼葉の周囲への当たりが強い理由を俺と詩乃は知っている。

 それを知っているからこそなおさら助けないわけには、いかない。


 「ちょっとちょっと、そこまでそこまで」


 ポンポンと手を叩きながら、涼葉と三人の間に割って入る。

 俺も、それに合わせて涼葉を三人の側から遠ざけるために教室の外へと連れていく。


 「ちょっと来い」

 「凌空りく……」

 

 少し戸惑いながらも俺の手を取る涼葉。

 こんなことは1度や2度じゃない。

 もう詩乃も俺も、涼葉が起こしたトラブルへの仲裁は慣れてしまった。

 教室では三人を相手に上手い具合に詩乃が話をつけてくれている。


 「とりあえずそこ座れ」


 空き教室があったので、そこに入って適当な椅子に涼葉を座らせる。


 「今度は何があった?」

 

 涼葉に一旦落ち着かせる時間を与えてから問いただす。


 「恭弥きょうや」に告白された」

 「お前まさか……」


 それを了承したのか?と言おうとしたかが言葉が詰まる。

 涼葉が言う恭弥ってのはフルネームで神崎恭弥といって陸上部のエース。

 そこから先が問題で恭弥には、彼女がいる。

 それが、枢木くるるぎ楓恋かれん

 所謂一軍に属する女子だ。

 学年問わず交友関係が広く常に取り巻きを連れている。


 「もちろん了承はしてない。そもそも興味が無い。でも面白そうだから保留にしておいた」


 恭弥から言い出さない限りは彼女である楓恋が知るはずがない。


 「お前から、その事実を伝えたのか?」

 「そんなことはしない。まぁ、彼氏がいることをステータスくらいにしか思っていない軽薄な女が、それを伝えたらどうなるかを試してはみたかったけど」


 涼葉が楓恋に伝えてないのだとすれば何故、楓恋は知っているのか……。

 それを訊こうと涼葉の目を見ると涼葉はこともなさげにとんでもないことを口にした。


 「肉体関係を求められた。で、それに応じた」

 「お前……何やってるんだよ……」


 これが涼葉の悪癖、と言うよりかは性格上の欠点。

 でも詩乃も俺も知っている。

 それが涼葉が故意にしていることではなく解離性同一性障害によるものであることを。

 

 「じゃあさ、凌空は私を満たしてくれるの?」


 蠱惑的な笑みを浮かべてそう言う涼葉。

 俺には詩乃という彼女がいる。

 そんなことは出来るはずもないししてはいけないはずだ。


 「で、出来るわけないだろ」

 「なら、仕方ないよね?」


 残念、とでも言うように涼葉は仕方ないの一言。

 俺はそれ以上何も言えないし返す気にもなれなかった。

 


 

 

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