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魔法高校に入る1

「じゃあ、俺と友達になってください」

彼女は、ポカーンとしていた。

もっと、違うことを要求してくるとでも思っていたのだろう。

「もっと、違うことを要求してくると思ったわ。例えば、お金とか、その……エッチなこととか…」

彼女は、顔を赤らめてそう言った。

一体俺を何だと思っているのだろう…。

「それで、友達になってくれるのか?」

「あ…あ、もちろんよ。こちらこそよろしくおねがいするわ。せっかく友達になったのだからこれからはシルビアと呼んでくれるかしら?」

「わかった。それじゃあ、俺のことも裕太と呼んでくれ」

「わかったわ。裕太。ところで友達になったことだし、この口調そろそろやめていいかしら。この話し方はとても疲れるの」

「ん?あ、あぁ、わかった。」

今なんて言った?この口調をやめるっていわなかったか?聞き間違えか…?

「ふぅ〜、疲れた〜〜。本当あの話し方だと肩凝るんだよね〜。あっ、ちょっと肩揉んでくんない」

聞き間違えじゃなかった〜〜〜〜〜!え、この人誰?別人じゃん!

俺は、神話に出てくるメドゥーサに不意打ちで石化されてしまったかのようにしばらく固まっていた。

「ちょっと〜、聞いてる?裕太!肩揉んでよ〜」

俺はただただ言いなりになるしかなく、すぐそこにあるベンチで、1時間ほどシルビアの専用マッサージ師になったのだった。近くに人が居なくて本当に良かった。



マッサージが終わると、シルビアは満足げに闘技場から出る準備をはじめた。着替えや、タオルなどを1つのまとめるだけなのでそんなに時間はかからない。

荷物がまとめ終わると、よし!帰るぞ!といい外へ出ていく。俺もシルビア後に続き、闘技場を後にした。

「今日のところは、とりあえず私が泊まってる宿で泊まれるようにしておくね!」

「ああ、よろしくたのむ」

それにしても、あの少し堅めの話し方はなんだったのだろう…。本当に別人だな。

シルビアが何かを思いついたように、あっ!そうだ!と話しを切り出す。

「裕太。魔法学校に興味はない?」

この世界には魔法学校なんてものあるのか。何か、面白そうだな。

「行ってみたいな。だが、俺は魔法は使えないぞ?」

「何を言っているの?裕太のその体術が魔法みたいなものじゃん!それに剣術だって」

「だが、あれだろう?試験とかもあるんじゃないか?」

「それについては大丈夫だよ!私の通ってる魔法高校は王家が直接運営してる学校なんだ!今年は席がたまたま1つ席が空いてて、王家推薦で入れるんだよ!私に勝った裕太なら実力的には申し分ないしね。まあ、途中から編入って形にはなっちゃうけどね」

なるほど、それなら断る理由も無さそうだ。

「じゃあ、ありがたく高校に行かせてもらうことにするよ」

「よし!そうと決まったら明日にはこの町を出て、王都に向かうよ!お父様に早く会わないとだからね!」

「お、おう!」

あれ、シルビアって家出中なんじゃ…。まあ、いっか。



そんなこんなで、約2日かけて王都に辿り着いた。道中、魔物に襲われたり、山賊に襲われたりしたが、俺が手を出す間もなく全部シルビアが片付けてしまった。やはり、最強の王女様だということを改めて認識したのだった。できれば、もう2度と相手にはしたくない。

「ここが王都、マグリスシティーだよ!」

いつも、その陽気なキャラでいればいいのに。危うく惚れてしまいそうだ。どうやら、俺は元気な女の子がタイプらしい。今までろくに人付き合いをしてこなかったから今まで気づかなかったようだ。

「またこれは賑やかな町だな。やはり、王都だけあっすごいな」

「この辺では1番大きい国だからね。必要ものはほとんどこの町に揃っているよ」

そんな雑談を交わしながら俺たち2人は王のいる城へと足を進めた。



「失礼します。お父様。シルビアです」

「うむ、入れ」

シルビアは王室に入っていき、俺もそれに続く。

王室に入ると、奥の方にでっかい椅子に座って茶菓子を食ってる王様がいた。だが、シルビアが部屋に入った瞬間、王様がものすごい駆け足でシルビアのところまで寄ってきて、心配そうにシルビア見つめたと思った次の瞬間だった。


パアチィーーーーーーン!!

ものすごい強烈なビンタがシルビアを襲った。

「この私に迷惑をかけるとはいい度胸だ!お前私に殺されたいのか!あぁ〜ん!」

すると、シルビアの顔がみるみる赤くなっていく。やべー、これキレてるよ…。

「うるせー!クソ親父!私はもう高校生だ!ほっとけよ!」

「なにが高校生だ!家出なんかしてるうちはまだまだ子供だっつんだよ!」

うん。王様が正しい。

「わかったよ。こうなったら決闘だ!表へ出ろクソ親父!」

「あぁ、いいだろう!受けてやろう!だが、その前にそこの男は誰だ?まさかとは思うが、男と会いに今まで家出をしていたのではないだろな?」

「ちげーよ!裕太は私が召喚した勇者だ!王家推薦で魔法高校に入れたくて連れてきただけだ!」

「ほほーう。勇者か。それならちょうどいい!娘との決闘の前に相手してやる!娘をたぶらかしたクセ者め!」

ちがーーーーーーーう!たぶらかしてないから!

でも、これ…戦わないとだよな……。

「わ、わかりました。お手合わせ願います」

俺、完全に巻き添えじゃね?もうこの王様怖い!



次回はいよいよ王家とのガチンコバトルです!

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