狩人《ハンター》は秘密を知っちゃってもいいんですか?
冬休みの間にもう一話投稿出来ればいい方なんじゃないかと自分で勝手に思ってます。
「全く面倒くさくなってきたね。」
ボクはポツリと呟く。今は下校前のHRだ。
暗くなった画面に反射した彼女の顔を覗き見る。
「響は渡さないよ。」
HR終了のチャイムがなる。
下校時間だ。
「アオ、帰るぞ。」
「プリンの件は忘れてないからね。」
「わかってるって。」
ボクはパソコンを閉じる。
ここからは持ち運び安さを重視することにしないとね。
「歩きスマホは良くないぞ。」
「大丈夫。響がボクの目になってくれるから。」
「何でそうなる。」
「人間、後ろに目はついてないんだよ。」
そう言うと響は黙ってしまい。
「そうだな。」
と、一言言ってそれ以上喋らなかった。
その少し後ろには朧がいた。
少し遅れてしまった。
ガールズトークとやらは話題が無くても発生してしまうのか。迂闊だったな。
にしてもあの二人コンビニでプリンを買った後も同じ道を歩いているのだがどういうことなのだろう。
と、ここで私の聞き耳が二人の会話を捉える。
「ただいまー。」
「誰もいないの分かってて言ってるだろお前。」
そういい同じ家へと入って行った。
マンションとかではない。一軒家だ。
これはスパイしなくてはならんな。
「響、鍵をかけておいてくれないか。多分鍵は持っていると思うから。」
「まぁ、あいつなら持ってるか。了解。彼女でもついてきてたか?」
「ご名答。」
ぶっちゃけ鍵なんて意味無いと思うんだけどね。
彼女の過去を見た感じ簡単な鍵は開けられる気はするし。
階段を上り自分の部屋に入る。
プリンを持った響も一緒にだ。
さて、着替えなくては。
この格好は動きにくくて嫌なんだ。
「響。着替えるから部屋から出て自室にでも戻っていてくれ。」
「了解。プリンは?」
「冷蔵庫で冷やしておいてくれ。着替えてから食べる。」
ボクは制服を脱ぎ捨てる。
その下には微かではあるが膨らみがあった。
上はパーカーを羽織り下はスカートに着替えた。
この時のボクは油断した。
ここは二階であるからと警戒を怠っていた。
そのせいで部屋の窓から見ていた彼女に気が付く事が出来なかった。
そして、着替えの途中であったが為に対応することも出来なかったのだ。
隣の家から開いていた窓に彼女が飛んでくるのを悟った。間に合わないことも悟った。
ボクは諦めて傷む頭に手を当てため息をつく。
そして彼女はボクが見られた瞬間言われるであろうと思っていた言葉をそっくりそのまま言ってきた。
「お前、女だったのか!?」




