狩人《ハンター》は青春を謳歌していいんですか?
「これが、高校の制服か。予想以上にスースーするのだが、これで正しいのだろうか?」
情報を端末で見ても私の姿と寸分違わない。
「うむ、間違いは無さそうだ。」
時間は7時を過ぎたくらいだ。
「にしても遅すぎやしないか?何時もの生活と違った事をすると変な感じなのだが。」
ちなみに今日は5時には起きている。
睡眠も9時なので睡眠はしっかりと取っている方だろう。
朝食をとり、身支度をしていると8時近くになっていた。
「さて、行くか。」
歩いて数分の高校に向かう。
心なしか視線が私に向いている気がするのは気のせいだろうか?
「『転入生は校長室へ』・・・そもそも何処かわからないのだが。」
「そこの階段で2階に上がって右の突き当たりですよ。」
「ああ、助か・・・る・・。」
「いえいえ。」
こんなところで標的に合えるとは思わなかった。
けど、今はそんな場合では無いだろう。
階段を上り校長室へ向かう。
転入生として朝礼に立たされ、自己紹介を強いられた。
「隠見 朧だ。わからないことだらけなので助けてくれると嬉しい。」
標的は同じクラスではないようだ。
まぁ、クラスを回ればすぐ見つかるだろう。
「黒髪綺麗だね~」
クラスの女子に話しかけられた。
「ふむ、その手の事には疎いのでな、教えてくれると助かる。」
「教えるよ~」
「いいよ~」
うむ、やっぱり仲間は多くなければな。
「にしても、髪を他の者に触られるのは不思議な感覚であるな。」
「あはは。朧ちゃんって面白いね~。」
「この位はスキンシップだよ~!!」
そうだったのか。
今日から普通の高校の常識も身に付けなければな。
にしてもこんなに次から次へと話の種を出せるものだ。
名を『佐野美月』『石倉美嶺』と言うらしい。
初めての仲間だ。大事にしていこう。
尚、この二人が学校内カースト上位であることをまだ彼女はしらない。
転入生って弄られるん?
転入したこと無いからわからないんだけど。




