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途中でコースケを乗せる。アパートから少し離れた国道沿いでコースケが、ここで。と言い、えっちゃんと降りる。
車が完全に見えなくなってから、
[毎回違う場所で降ろしてもらうように]
とコースケが注意した。えっちゃんはうなづいた後、本当に稼げるの?と聞く。
[エクスカリバーの運営が下手な事やらかさない限りはうまくいくね]
[どうやって?]
[現在、エクスカリバーコインの価値は1サトシなんだ。サトシってのは、日本円やアメリカドル、中国元のような仮想通貨の単位。聞いた事ない?よなぁ。。まぁエクスカリバーコインは、ついこの前までは0.6サトシ。その辺りで俺達はたくさん買った。今1サトシで売っても少ししか儲からない。それを最低8サトシか9サトシまで価値をあげる。そうすれば少なくとも買った金額の10倍にはなる。一千万なら一億]
[どうやって?]
[うーん。一言で言うのは難しいなぁ。でもエクスコ、君を使う]
[私で上がると思う?]
[上がるようにもってくんだよ]
[私、有名になったら困る]
[大丈夫。その点もきちんと考えてる]
[今日、皆を見てどう思った?]
[凄く真面目だったわ]
[うん。誰もがその道のプロなんだ。かなり厳選したし、裏も調べてある。素性がバレる可能性は低い]
えっちゃんは納得していたが、コースケの言葉でさらに納得した。
[仮想通貨って儲かるの?]
[儲かる人もいれば損する人もいる。それはビジネスなら当たり前の事。全員儲かる商売は無いよ]
[ミヤビ達がやりたがってた]
[大きくは儲からないけど、やってみるのはいいと思うよ]
[大人の口座とか無いとダメだって]
[用意したらやるかなぁ?]
[喜んでやると思う]
[なら用意しとこう]
[ありがとう。なんでそこまでしてくれるの?]
[エクスコを元の世界に戻したいからさ]
[またその話?]
えっちゃんは笑った。
[そう。その話]
コースケも笑って言った。
二人ともそれ以上、その話は触れない。
[ホカ弁買ってく?]
コースケの意見にえっちゃんは、少し考え、電話してみる。と、答えた。誰からも反対意見は出ない。皆の食べたいのを聞いてホカ弁屋に。米は家にある。オカズ五種類。
待ってる間に、コースケはまた出かけるから。と言った。
何処へ行くか聞こうと思うものの、聞いてはいけない雰囲気をコースケが醸し出したので聞けなかった。
[アパートまでは送るよ]
と言う。でもアパートまで二人ずっと無言だった。
コースケは来た道を引き返して行く。えっちゃんは彼の姿が見えなくなるまで見送った。




