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夕方になると毎日のようにミヤビとケンは、パソコンを持って外に出かけるようになった。
近くのコンビニや公共施設のワイファイの届く所でインターネットを見る為に。
えっちゃんが言わなくても、二人は細々と場所を移動してる。
同じ場所に居ると怪しまれるからだ。
それでも安全ではない。一回でも警察官に見つかれば全てが終わってしまう。
ネット回線を繋げる金額は出せるのだが、アケミさんか大人の力が登録するのに必要になる。今の五人では無理。
それでもパソコンはすこぶる役に立った。
知りたい情報がなんでもすぐに分かるのだ。壊れてたテレビが見られるようになったのもパソコンで調べて分かったからだ。
が、それも長く続かなかった。
似たような境遇の子供達に脅されて盗られてしまった。
ミヤビはケンが居るので何も言えずただパソコンを差し出すしかなかった。
落ち込んでるミヤビとケンを元気づける為に、えっちゃんは数ヶ月ぶりに仕事を休み水族館と映画を観に行く事を決めた。
ケイナにも派手にしなけば化粧をしても良いと言った。
四人全員が同時に笑った所を久しぶりに見た気がした。
えっちゃんは胸が少し締め付けられた。が一緒に笑った。
水族館に行く前日に、皆で閉店間際のスーパーに行く。閉店間際の惣菜コーナーの売れ残りは半値以下でも買える。
一人ずつ好きな物を、あーだこーだ話しながら選んだ。五個の品物をレジに持ってく。